週刊医療情報インデックス
2010年2月第1週 (2010.02.02~2010.02.08)
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- ■新型インフルエンザ関連
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【ウイークリーダイジェスト】
■「再診料の統一」8日に集中審議、中医協、10年度改定へ大詰め
2010年度診療報酬改定で最大の焦点となっている再診料の病診格差統一の議論が、最後のヤマ場を迎えた。2月8日に開く中医協総会で、再診料統一と外来管理加算の新たな要件について集中審議する。厚生労働省は5日の中医協総会で、患者要請に基づく「未受診投薬」は外来管理加算の算定を不可とする要件を導入した場合の財政影響について「類推できる資料があるか考えてみたい」と表明した。
5日の総会で厚労省が示した試算では、外来で再診料に充当できる財源は約150億円に限られた。鈴木邦彦委員(茨城県医師会理事)は「見直しによる削減分(約400億円)をさらに掘り下げることをしなければ議論が進まない」と主張したが、安達秀樹委員(京都府医師会副会長)は「財源150億円を固定しての議論はつらいし、不本意だ」としながらも「これまでの議論を踏まえて出た財源はそれなりに根拠があると思う」と述べ、すでに議論を終えた項目を再検討することによる財源捻出には否定的な考えを示した。
400億円以上の深掘りをしない場合、「5分ルール」に代わる新要件の財政影響が焦点となってくる。新要件によって外来管理加算の総額が現在の規模を上回ってしまっては、再診料に回す財源がより少なくなるからだ。白川修二委員(健保連常務理事)は、安達委員が提案している「未受診投薬は算定不可」による財政影響が「現在の規模に収まるという確証がほしい」と事務局にただした。厚労省保険局医療課の佐藤敏信課長は「現時点では思いつかないが、過去の調査を洗い直した上で類推できるものがあるか考えたい」と述べた。
■明細書発行「原則義務化」で決着、10年度改定
中医協は2月5日の総会で、2010年度診療報酬改定でレセプト電子請求が義務付けられている医療機関に、明細書の無料発行を原則義務化することで合意した。発行を希望しない患者に対し「明細書を希望しない場合は申し出てください」などの掲示を会計窓口に出すことで、患者の意向を確認できるようにする。
▽明細書発行機能が付与されていないレセコンを使用している▽自動入金機を活用しており、明細書発行に自動入金機の改修が必要となる―場合は、義務化は免除され、現状通り患者の求めがあった場合に発行するとともに、その際の実費徴収を認める。また「DPCに関する明細書」については、入院中に使った医薬品や実施した検査の名称を記入することを「原則」とした。
このほか▽発行枚数や費用徴収の有無、金額などの発行実態▽事務・費用負担▽待ち時間や苦情の有無など患者への影響―などについて検証することにした。またレセプトオンライン請求または電子媒体による請求を実施している診療所で、明細書を無料発行している場合を評価する「明細書発行体制等加算」の創設も合意した。
■救急の負担軽減へ「トリアージ」新設、10年度改定
中医協は2月5日の総会で、救急外来の負担軽減を評価する「院内トリアージ体制加算」の新設を決めた。
施設基準として▽実施基準を定め、院内掲示などにより受診者に周知する▽患者の来院後速やかに院内トリアージが実施され、患者に説明がなされているとともに、一定時間経過後に再評価が行われている-の2点を挙げた。算定要件では「院内トリアージを行った上で診療を行った場合に算定する」とした。救急外来では、地域の開業医との連携で夜間・休日の救急体制を整えている医療機関を評価する「地域連携夜間・休日診療料」を設けることも決めた。
●がんカウンセリング料「時間要件」は削除
がん治療では、告知の際の患者への丁寧な説明に対する評価として「がん患者カウンセリング料」を新設する。厚生労働省は算定要件として「30分以上の説明を行った場合に算定する」と時間要件を盛り込んだが、委員から反対の意見があり、削除することとした。がん治療ではほかに、がん診療連携拠点病院と地域の医療機関の連携を評価する「がん治療連携計画策定料(計画策定病院、退院時)」と「がん治療連携指導料(連携医療機関、情報提供時)」を設ける。
肝炎治療についても同様に、地域連携を評価するとして「肝炎インターフェロン治療計画料」と「肝炎インターフェロン治療連携加算」を新設する。
■再診料下げに反対多数、診療報酬改定パブコメ
厚生労働省は2月5日の中医協総会で、2010年度診療報酬改定の「現時点の骨子」に対するパブリックコメントの集計結果を報告した。再診料については「診療所の引き下げを行うべきではない」が523件に上り、「診療所の引き下げを行うべき」は12件にとどまった。「病院の引き上げを行うべき」は175件だった。
外来管理加算の「5分ルール」については、「必要である」が2件、「廃止すべき」が273件、「新たな要件を設ける必要がある」は7件だった。
パブコメは医療関係者を中心に4623件の意見が寄せられた。
■在宅療養支援病院の要件を緩和、10年度改定
中医協は2月5日の総会で、在宅療養支援病院の要件について「許可病床数200床未満の病院」を新たに加えることを決めた。支援病院の要件については、該当範囲の診療所の有無が要件にあり、地域性などを考慮して要件の緩和を求める声が上がっていた。在宅医療では往診料(650点)の引き上げを行うほか、早期の移行を評価する項目も設ける。
在宅療養支援病院は緊急時の連絡体制や24時間往診できる体制の確保などを前提に、「当該病院を中心とした半径4キロメートル以内に診療所が存在しない」とする要件がある。10年度改定では「許可病床数が200床未満の病院」の要件を満たしていれば、診療所の有無にかかわらず認めるとした。
在宅医療を推進するため「在宅移行早期加算」も新設する。在宅時医学総合管理料または特定施設入居時等医学総合管理料を算定し始めてから3カ月以内の患者で算定できる。また、小児への対応の評価として、在宅患者訪問診療料と退院前在宅療養指導管理料に「乳幼児加算」を設ける。難治性皮膚疾患管理への評価として「在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料」も新設する。
●訪問診療の不合理を解消へ
一戸建てに住む在宅療養の患者とマンションなどに住む在宅医療の患者で、同じ点数を算定できることが問題視されていた在宅患者訪問診療料は、具体的な要件を設けて解消を図った。在宅患者訪問診療料2(200点)の要件に「同一建物に居住する複数の患者に対して訪問診療を行った場合」と明記。診療料1(830点)は「2以外の場合」として明確化した。
訪問看護への評価では、訪問看護療養費と在宅患者訪問看護・指導料に加算を設ける。6歳未満の乳幼児への在宅医療の充実を図るため「乳幼児加算(3歳未満)」「幼児加算(3歳以上6歳未満)」をそれぞれ設けるほか、悪性腫瘍などの利用者を対象にした「複数名訪問看護加算」「複数名訪問看護・指導加算」なども設ける。
■DPC新機能係数の評価指標が確定、中医協
中医協は2月5日の総会で、2010年度診療報酬改定で導入するDPCの新機能評価係数6項目の評価指標を決めた。課題となっていた「地域医療への貢献」に対する指数では、へき地医療の評価要件として「へき地医療拠点病院の指定」「社会医療法人認可におけるへき地医療の要件」の2条件を加え、いずれかを満たした場合に評価する。
へき地医療に関する「社会医療法人認可におけるへき地医療の要件」は▽へき地にある診療所に対する医師の延べ派遣日数(派遣日数×医師数)▽病院のへき地巡回診療の延べ日数(診療日数×医師数)-がいずれも53人日以上の場合とする。
地域医療への貢献に対する指数のうち「4疾病関係」では、脳卒中のクリティカルパスを対象とする「地域連携診療計画管理料」「地域連携診療計画退院時指導料」の算定を評価項目に追加する。がんについても、次期改定で新設予定の「がん治療連携計画策定料(仮称)」「がん治療連携指導料(仮称)」を算定している医療機関を評価する。
■新機能評価係数の置き換え率は25%、10年度改定
中医協は2月5日の総会で、DPCの調整係数から新機能評価係数に置き換える割合について、25%とすることで合意した。各項目の重み付けについては、新係数として導入する6項目のうち、救急医療の入院初期診療に対して評価する「救急医療係数」を除く5項目について等分で評価する。
■脳血管リハに「廃用症候群」新設、10年度改定
中医協は2月3日の総会で、2010年度診療報酬改定での疾患別リハビリテーションの扱いについて了承した。脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)~(Ⅲ)について、廃用症候群の場合の評価を新設するほか、運動器リハビリテーション料に関しては充実した人員配置を評価する区分を新設する。
厚生労働省は脳血管疾患等リハビリについて、廃用症候群の場合は現行の点数(1単位235点~100点)を維持し、それ以外の場合の評価を引き上げる考えを示した。運動器リハビリに関しては▽専任の常勤医師1人以上▽常勤の理学療法士、作業療法士等の配置▽十分な施設▽必要な機械、器具の具備―を施設基準とする「運動器リハビリテーション料(Ⅰ)」を新設し(Ⅰ)~(Ⅲ)の3段階で評価する。
このほか、心大血管疾患リハビリテーションについては、現行では医師の「常時勤務」が施設基準となっているところを「リハビリを実施している時間帯において常時勤務」とするなど要件を緩和する。
●回復期で提供単位数を基準化
「回復期リハビリテーション病棟入院料1・2」に関しては、いずれも提供すべきリハビリの単位数として「1人1日当たり2単位以上」の基準を設けるとともに、点数を引き上げる。また、休日を含め週7日リハビリを提供できる体制を取っていることを評価する「休日リハビリテーション提供体制加算」(1日当たり)、1人1日当たり6単位以上のリハビリを行っていることを評価する「リハビリテーション充実加算」(同)を新設する。
●亜急性期入院の病床数要件を緩和
「亜急性期入院医療管理料1・2」では、該当する病床数の全一般病床数に占める割合に関する施設基準を緩和する。
「管理料1」については、現在は一般病床数の「1割以下」となっているが、回復期リハビリが必要で合併症のある患者の受け入れ割合が10%以上の場合は、60床を限度に「3割以下」まで引き上げる。「管理料2」は、現行では「3割以下」となっているが、「他医療機関の7対1入院基本料を算定している病床から3週間以内に受け入れた患者が1割以上」の場合は「5割以下」まで引き上げる。
■精神13対1などに「GAFスコア」導入へ、10年度改定
中医協は2月3日の総会で、精神科入院に関する診療報酬項目に精神疾患の重症度を示す「GAFスコア」を2010年度診療報酬改定で試行的に導入することに合意した。
「GAFスコア」が要件となるのは、新設する精神病棟13対1入院基本料と、精神病棟10対1入院基本料、精神療養病棟入院料に新設する「重症者加算」。13対1入院基本料の算定要件では、スコア30以下または身体合併症患者が新規入院患者の4割以上、10対1入院基本料では、スコア30以下が新規入院患者の5割以上、精神療養病棟入院料の重症者加算は、スコア40以下の場合、1日当たりの加算を算定できる。
新設の13対1入院基本料について、安達秀樹委員(京都府医師会副会長)らは、関係学会の意見として、合併症などの割合を引き上げることや平均在院日数に関する要件が必要との主張を紹介した。
精神科関連ではこのほか、30日以内の「精神科急性期入院料」「精神科急性期治療病棟入院料」や、「精神科身体合併症管理加算」の点数引き上げなどに合意した。
■後発医薬品促進に加算を新設、10年度改定
中医協は2月3日の総会で、後発医薬品の使用促進に取り組む医療機関を評価する「後発医薬品使用体制加算」を2010年度診療報酬改定で創設することを了承した。
投薬や注射にかかわる薬剤料を包括外で算定している入院患者に対し、入院初日に限り「一般病棟入院基本料」や「有床診療所入院基本料」などの入院基本料に加算する。後発品の採用品目数が全採用医薬品の20%以上を占めることや、後発品の品質や安全性に関する情報を薬剤部門で収集・評価し、その結果を踏まえて院内の薬事委員会などで後発品の採用を決定する体制を整えていることなどが施設基準となる。
また療養担当規則などを改正し、患者が後発医薬品を選択しやすくするための対応を保険医の努力義務とする。
■「介護支援連携指導料」新設、10年度改定、介護との連携促進
厚生労働省は2月3日の中医協総会に、退院後に要介護状態になる見込みのある患者に対し、入院中の医療機関の医師や看護師らがケアマネジャーと連携して指導を行った場合を評価する「介護支援連携指導料」の創設を提案した。委員はおおむね合意したが、ケアマネジャーを派遣する介護事業所の負担を指摘する声もあった。
同指導料は、患者の入院中2回に限り算定可能で、入院早期と退院・転院時に、要介護認定の申請や介護サービスに関する情報提供などを実施することを想定している。より多くの職種が一堂に会して合同カンファレンスを開催した場合を評価する「退院時共同指導料」の「多職種連携加算」(2000点)を算定した場合は、同日に行った指導に関する「介護支援連携指導料」の算定はできない。
このほか、現行の「後期高齢者総合評価加算」(入院中1回、50点)を「総合評価加算」に改め、対象患者を「後期高齢者」から「介護保険サービスの対象者」に拡大する。
■「療養病棟」2段階に再編成、10年度改定、重症患者の割合で
厚生労働省は2月3日の中医協総会(会長=遠藤久夫・学習院大教授)に、現行の療養病棟入院基本料について、重症患者が多く入院している場合を評価する「基本料1」と、それ以外の「基本料2」に分離させる案を提示した。総会は、2010年度診療報酬改定での実施について、おおむね了承した。
基本料1の施設基準は①看護職員と看護補助者が20対1配置以上②医療区分2か医療区分3の患者が全体の8割以上─とする。基本料2は看護配置25対1以上を要件とする。
厚労省が示した改定案では「医療療養病棟の入院患者の重症化傾向などを考慮して人員配置の要件を見直すとともに、医療経済実態調査の結果などを踏まえて、療養病棟入院基本料の適正化を行う」とした。厚労省は、基本料1は現在の点数水準よりやや上げるものの、基本料2については引き下げる方針を示した。
現行の療養病棟入院基本料は、患者の状態像の評価については「医療区分1~3×ADL区分1~3」の9区分で行っているものの、値付けは5段階となっている。10年度改定では、基本料1・2とも医療区分とADL区分の全9区分ごとに点数を設定する。また基本料1・2ともに、慢性期包括医療の質を向上させるため、患者の状態像や提供されている医療サービスに関するデータ提出を要件とする。
■10対1に「看護必要度」加算、10年度改定
中医協総会は2月3日、2010年度診療報酬改定で、一般病棟と特定機能病院(一般病棟)、専門病院の10対1入院基本料に「一般病棟看護必要度評価加算」を新設することを決めた。看護必要度はすでに7対1入院基本料の要件となっている「一般病棟用の重症度・看護必要度に係る評価票」を用いる。
毎年7月に1年間の測定結果を地方厚生局に報告することも要件とする。
■統合医療の現状を調査へ、厚労省PTが初会合
厚生労働省の統合医療プロジェクトチーム(PT、主査=足立信也・厚生労働政務官)は2月5日、初会合を開き、西洋医学と代替医療を組み合わせた統合医療の現状把握と今後の取り組み方針について議論した。同日のPTでは、厚労省のほか、文部科学省や経済産業省が進めている統合医療に関する取り組みを調査することで一致した。
足立政務官はPT冒頭のあいさつで「どういう方にどういう医療が必要なのか、まずエビデンスが必要」と述べ、まずは統合医療の実態把握に努める考えを示した。
鳩山由紀夫首相は1月28日の参院予算委員会で「問題点が指摘はされている」としながらも「統合医療を政府としても真剣に検討して、これを推進していきたい」と述べている。また、長妻昭厚生労働相は同日の参院予算委員で、省内で複数に分かれている統合医療を扱う部署を一本化する考えを示している。
■がん検診と特定健診、同時実施を促進、
厚生労働省は2月5日の全国国民健康保険主管課長会議で、受診率の向上に向け、がん検診と特定健診を同時に実施する体制整備を進めるよう都道府県に協力を求めた。
都道府県の主導で、市町村や被用者保険の間でがん検診と特定健診の実施医療機関情報の共有化を進め、受診対象者への周知を行うことを提案。2010年度から、これらの取り組みが実施できるよう、市町村などに対し助言や調整を行うよう都道府県に求めた。
厚労省はこのほか、医療従事者の負担軽減や、患者のより効果的な体調回復を目的に、被保険者に対して受診に関する啓発を進める方針を示した。「地域医療を守る受診マナー」などを作成する予定とし、都道府県も主導的に取り組むよう求めた。
■未収金モデル事業、27都道府県にとどまる、
厚生労働省は2月5日の全国国民健康保険主管課長会議で、医療機関の未収金問題に対応するため「一部負担金の適正な運用に関するモデル事業」を実施している自治体は、1月末時点で27都道府県だったと報告した。
厚労省は、各都道府県ごとに少なくとも1つの市町村で同事業を実施することを想定している。モデル事業の結果を踏まえて、2010年度中には全市町村で開始するための実施要領を通知する。事業を実施していない都道府県に対し、早期に実施市町村を決定するよう呼び掛けた。
モデル事業では、悪質な滞納で発生した未収金について、医療機関からの要請を受け市町村が徴収を代行する「保険者徴収制度」を活用する。このほか、生活の困窮で一部負担金を支払うことが困難な患者に対し、医療機関と市町村、国などが連携して、一部負担金減免の適用を促す。
■電子請求なら支払い前倒し、厚労省
厚生労働省は2月5日の全国国民健康保険主管課長会議で、医療機関が電子媒体かオンラインで診療報酬を請求した場合に限り、診療報酬の支払い時期を早める検討をしていると報告した。2011年度からの実施を予定している。
具体的には、診療報酬の支払い時期を現行の「翌々月の月末まで」から「翌々月の15日まで」とし、約2週間、前倒しする。
手書きで診療報酬を請求する医療機関は、電子媒体かオンラインでの診療報酬請求へ移行することが「努力義務」になっているが、厚労省はこの措置で移行を促進したいとしている。
■出産育児一時金、頻回支払いで対応
厚生労働省は2月5日の全国国民健康保険主管課長会議で、出産育児一時金の直接支払い制度について、請求時期を月2回に増やし、医療機関が一時金を受け取るまでの期間を短縮できるよう検討していると報告した。
現行では、医療機関が月1回、支払機関に対して行っている一時金の請求を、正常分娩の場合に限り月2回に分けて行えるようにし、支払いも月2回とする。
厚労省は、支払い期間の抜本的な短縮にはさらに検討が必要としている。
■長期品下げ「後発品促進と同じ扱い」、ネット改定率で厚労省
2010年度診療報酬改定のネット改定率(プラス0.19%)が実際はもっと小さいのではないかと野党議員らが指摘している問題で、厚生労働省は2月1日、見解を発表した。
次期改定の改定率をめぐっては、「長期収載品の追加引き下げ」が薬価改定の下げ幅の中に盛り込まれていないため、これを含めた場合は下げ幅が約600億円膨らみ、ネット改定率は0.03%にとどまるとの指摘が出ている。
厚労省は見解で「後発医薬品の使用促進、すなわち、『先発品から後発品への置き換え』による財源は、一貫して診療報酬改定の財源とはしてこなかった」と説明。指摘されている「長期収載品の追加引き下げ」部分についても「後発医薬品の使用促進が進んでいない現状を是正するために実施するものであり、後発品の使用促進と同様、診療報酬の改定財源とはしていない」としている。
■長期品下げの600億円は本体に充当を、保団連
2010年度診療報酬改定の実質の改定率は0.03%だったのではないかとの報道を受けて、厚生労働省が「後発医薬品の使用促進による財源は一貫して改定の財源にしていない」と反論したことについて、保団連はこのほど見解を発表した。
見解では、過去の「先発品から後発品への置き換え」は、社会保障費2200億円削減のために、処方せん様式の変更などによって後発品の使用促進を図り医療費を削減する手法だったと指摘。今回の「後発品のある先発品の追加引き下げ」は薬価そのものの引き下げであり、財政影響は薬価全体の改定率に含まれて当然と強調した。
その上で、追加引き下げで得られる600億円の財源は診療報酬本体に振り向け、再診料を71点で統一する財源に使うよう主張した。
■日医も「ネット改定率は0.027%」、「財務省主導」と批判
日本医師会は2月4日の定例会見で、2010年度診療報酬改定のネット改定率は実質0.027%だったとする見解を発表した。次期改定はネットで0.19%のプラス改定と公表されているが「後発医薬品のある先発品の追加引き下げ」分を加味すれば0.027%になると主張。専門紙や一般紙が相次いで報道したことを受けて厚生労働省が発表した反論資料は「説明不足」と強調し、報道があるまで明確な説明がなかったことも問題視した。
■再診料は診療所に統一を、自民・診療報酬WGが要望
自民党の厚生労働部会・診療報酬ワーキンググループ(WG)の大村秀章座長(前厚生労働副大臣)らは2月4日、2010年度診療報酬改定に関する要望書を厚生労働省保険局の外口崇局長に提出した。次期改定で焦点の1つとなっている再診料の病診統一に関しては「病院の再診料を段階的に引き上げて、診療所の再診料に統一していくこと」と明記し、診療所の点数を引き下げないよう要望した。
要望書では、外来管理加算の「5分要件」の撤廃にも言及。「5分要件」に代わる要件の在り方については、12年度改定に向けて議論するとした。
入院医療に関しては、地域で重要な役割を担っている療養病棟や有床診療所の入院基本料のほか、小児・周産期などについて全体的な引き上げを要求。一般病棟の15対1入院基本料の適正化については、点数を引き下げないよう求めた。
■株式会社病院の全国拡大、11年度に結論、特区推進本部
政府の構造改革特別区域推進本部の評価・調査委員会(委員長=樫谷隆夫・日本公認会計士協会常務理事)は2月4日、構造改革特区で実施されている株式会社による病院や診療所の開設について「全国展開による弊害を現時点で判断するのは困難」とし、2011年度にあらためて評価を行い、結論を出すとの意見をまとめた。
■ネットでの匿名発信などを戒め、日医・生命倫理懇が報告書
日本医師会の第ⅩⅠ次生命倫理懇談会は「高度情報化社会における生命倫理」をテーマに報告書をまとめた。羽生田俊常任理事が2月4日の定例会見で公表した。
報告書は、インターネットの普及で匿名による情報発信が容易に可能となる一方、情報発信者としての責任を十分に自覚しないことでさまざまな問題が生じるようになったと指摘。医師が加害者となる事例があることも踏まえ、医師としてふさわしくない情報発信の具体例を示した。
具体例は①匿名発信、多重発信・なりすまし発信②虚偽情報・未確認情報の流布③個人攻撃、個人に関する情報の収集と投稿、その呼び掛け④差別的発言・ステレオタイピング⑤頻回・大容量発信⑥一方的な主張に沿ったWikipedia記事の書き換え-の6項目。
「多重発信」とは、複数の仮名(ハンドルネーム)で情報発信することで、あたかも多くの人が同じ意見であるように見せかけることができる。「ステレオタイピング」とは特定の職業や専門領域、組織などに所属する人を画一的に非難する行為を指す。医師として、こうした行為は理由を問わず行うべきではないと指摘した。「頻回・大容量発信」を行う医師向けメールマガジンなどへは登録しないことが最良の選択になるとした。
誰でも編集作業に参加できるオンライン百科事典のWikipediaにも言及。「良心に基づく記述にはネット社会から一定の信用が寄せられている」と評価し、一方的な主張に沿った書き換えは医師として行ってはならないと強調した。
報告書は、個人情報保護法や医療の個人情報・診療情報、遺伝子検査をめぐる倫理問題、IT化の医療現場への影響、医療倫理教育の重要性などを取り上げ、個人情報を守りながらIT関連技術を医療に応用することが今後、医療人にとって重要課題になるとした。
■新型フル対策、検証が必要、厚労省・健康危機管理部会
厚生労働省の厚生科学審議会・健康危機管理部会(部会長=倉田毅・富山県衛生研究所長)は2月5日、定例の部会を開き、2009年4月23日に米疾病対策センター(CDC)が豚由来インフルエンザウイルスの人への感染事例を報告して以降の、国内の新型インフルエンザ対応について議論した。委員からは、新型インフルエンザ対策の検証が必要との声が複数上がった。厚労省は「これから、検証作業をやっていきたい」と答えた。
■新型フル「臨機応変に対応できる体制必要」、上田健康局長
厚生労働省は2月4日、都道府県や政令市の担当者らを集め、全国健康関係主管課長会議を開いた。冒頭、上田博三健康局長は、新型インフルエンザの患者数が減少傾向にあるとしたものの、再流行や病原性の変化がないとは断言できないとして、臨機応変に対応できる体制構築の必要性を訴えた。また、肝炎対策基本法の制定を受け、肝炎対策を総合的に策定、実施していくとした。
上田局長は新型インフルエンザについて「重症化防止を最優先とする医療体制の整備、ワクチン接種体制、的確なサーベイランスなどの総合的な取り組みを継続していく」とし、来年度以降のワクチン接種事業については、海外の動向や流行状況、予防接種法の改正状況などを踏まえて検討しているとした。その上で「鳥インフルエンザ(H5N1)についても警戒を緩めているわけではない」と強調した。
■ワクチン接種、低所得者補助を継続、厚労省・結核感染症課
厚生労働省の結核感染症課は新型インフルエンザのワクチン接種事業について4月以降も継続し、低所得者への接種費用補助も続けることを2月4日の全国健康関係主管課長会議で報告した。
新型インフルエンザは昨年11月末~12月にかけてのピークから減少傾向にあるとの認識を示した上で「これまで特定の年齢層での感染が広がっていた。ほかの年齢層への流行も考えられる」として、引き続き注意が必要とした。その上で「ワクチン接種は重要な対策」とし、2010年度4月以降も新型インフルエンザワクチン接種事業を継続し、低所得者への接種費用補助も続ける方向で手続きを進めていることを明らかにした。
■リウマチ・アレルギー対策改定へ、厚労省・疾病対策課
厚生労働省疾病対策課は2月4日の「全国健康関係主管課長会議」で、2010年度に「リウマチ・アレルギー対策委員会」を開き、5年ぶりに国の疾病対策を見直す考えを示した。
現在の政策「リウマチ対策の方向性等」や「アレルギー対策の方向性等」は05年10月に策定され、「喘息死ゼロ作戦」などを実施。国内の喘息死数を大幅に削減するなど、一定の成果を挙げた。携帯用カードを用いて医療関係者間で患者情報を共有し、救急対応などに努めてきた。また診療ガイドラインの普及や吸入ステロイドの普及を図り、患者のQOLや死亡率の改善で効果を上げた。ただ、基本政策を定めてから5年が経過したため、これまでの施策を評価し、新たな対策の方向性を検討することにした。
これに伴い10年度には、患者情報の共有化など、喘息死ゼロ作戦のノウハウをリウマチ系疾患やアレルギー系疾患にも応用し、補助事業にする考えだ。
■再診料下げ「断じて容認できない」、自民・WGで日医・中川氏
自民党の厚生労働部会・診療報酬ワーキンググループ(WG、座長=大村秀章・前厚生労働副大臣)は2月3日、2010年度診療報酬改定に関して日本医師会など関係団体から意見を聞いた。日医の中川俊男常任理事は「(診療所の)再診料71点を1点たりとも下げることは、断じて容認できない」と述べ、中医協で続いている再診料の病診格差統一に向けた議論を牽制した。この日の意見は同WGが取りまとめ、4日に厚生労働省の外口崇保険局長へ提出する。
大村座長は同日のWGで、10年度診療報酬改定について「もしわれわれが政権を握っていれば、(マニフェストに)プラス改定と書いた以上はネットで3%のプラス改定をする気だった」と述べた。その上で「民主党は(マニフェストで)プラス改定と言っていない。あの程度の仕掛けとやり方だと、財務省の主計局にいいようにやられて終わりだ」と批判した。
■がん拠点病院、新規19施設・更新319施設、厚労省検討会
厚生労働省の「がん診療連携拠点病院の指定に関する検討会」(座長=垣添忠生・日本対がん協会長)は2月3日、がん診療連携拠点病院の指定の更新や新規指定の承認について議論し、新規に19施設を承認した。更新は319施設で、指定の継続や失効なども合わせて、がん診療連携拠点病院は375施設となった。
■技術度5段階評価の見直しが課題、外保連・山口会長
外科系学会社会保険委員会連合の山口俊晴会長(癌研究会研有明病院副院長・消化器外科部長)は、手術報酬に関する外保連試案について、2012年度診療報酬改定に向けて「技術と医療材料の分離」「5段階の技術度評価の在り方」に関する見直しが喫緊の課題になるとの考えを明らかにした。
現在、検討を進めている外保連手術試案改訂8版では、5段階で評価している技術度区分を見直していく考えだ。同試案では「初期臨床研修医が行うべき術式」の技術度をAと規定。「初期臨床研修修了者」「基本領域の専門医」と技術度は上がっていき、サブスペシャリティ領域の専門医や基本領域の指導医クラスが行うべき術式の技術度をDと設定している。それ以上の高度な特殊技術を有する専門医の技術度区分はEとしている。“スーパー技術”ともいうべき技術度Eが、手術試案では596術式に適用されている。
外保連は、すべての手術点数を技術と医療材料に分離する作業も進めている。山口会長は「これが実現できれば、例えばAという術式では、手術点数のうち4割が技術料、6割が医療材料が占めるということを前提に、技術料が妥当な評価か否かなどを具体的に議論できる」と説明。これによって、中医協・医療技術評価分科会の議論が、より具体的なものになっていくのではないかと指摘した。その上で「外科医の中には、技術に対する評価の低さに不満がある。それが少しでも解消できれば、外科離れを食い止めることができるのではないか」としている。
■外部保存通知の改正を通知、厚労省、改定GLも公表
厚生労働省は2月1日付で、医政局長・保険局長通知の「診療録等の保存を行う場所について」(外部保存通知)の改正を都道府県などに通知した。通知の改正に合わせて「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第4.1版」も公表した。医療情報ネットワーク基盤検討会が、診療録などの保存先について基準の一部を「民間事業者等との契約に基づいて確保した安全な場所」に変えるべきとの提言を受けて改正した。
外部保存通知では、診療録の保存を行う場所の基準として▽病院または診療所、医療法人等が適切に管理する場所▽行政機関等が開設したデータセンター等▽医療機関等が震災対策等の危機管理上の目的で確保した安全な場所─としている。提言では「医療機関等が震災対策等の危機管理上の目的で確保した安全な場所」としている部分について、各ガイドラインの要求事項の順守などを前提として「民間事業者等との契約に基づいて確保した安全な場所」に改定すべきとした。医療情報システムのガイドラインは、厚労省のほか総務省、経済産業省も策定している。
■国保法改正法案を説明、厚労省政策会議
厚生労働省の政策会議は2月2日、協会けんぽなどの保険料率の上げ幅を抑える「医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等改正法案(仮称)」の概要を与党議員に説明した。
同改正法案では、協会けんぽに対する国庫補助割合を現行13%から16.4%まで引き上げることを明記。後期高齢者医療制度に繰り入れる支援金の3分の1は、保険者の財政能力に応じた負担となる「総報酬割」を導入することを盛り込んだ。
また、保険料滞納世帯に発行される資格証明書に関して、発行対象から除外される世代を中学生以下から高校生まで拡大することとした。
■民主議連、政務官と意見交換、「大病院優遇」などの懸念も
民主党の適切な医療費を考える議員連盟(会長=櫻井充参院議員)は2月1日、国会内で会合を開き、同議連が1月末に党幹事長室に提出した診療報酬改定に関する緊急提言について、厚生労働省の足立信也政務官から政府側の考えを聞いた。足立政務官は中医協がまとめた次期改定の「現時点の骨子」の内容などを説明した。
足立政務官は冒頭、次期改定の骨子について「厚労省がこういう方針を固めたということではなく、今は中医協とキャッチボールをしている段階だ」と述べた上で、「われわれは、地域医療を守っている診療所の点数を下げようとは考えていない」と説明した。
出席した議員からは「急性期を重視することで、大きな病院ばかり収入が増えるのではないか。保険点数以外に収入がない地域の医療機関はどうするのか」と懸念する声が上がったほか、救急搬送の受け入れ数に応じた評価項目の設定を求める意見が上がった。
■外来の窓口負担「病院3割、診療所2割に」、民主・梅村氏
民主党の梅村聡参院議員は1月30日、NPO法人医療制度研究会(理事長=中澤堅次・済生会宇都宮病院長)のシンポジウムで講演し、病院の外来に患者が集中する問題について「患者の行動を変容させるには、病院の外来(の窓口負担)を3割、診療所を2割とするなど、大胆なことをしないと振り分けはできない」と述べ、再診料の統一など診療報酬点数による誘導だけでは限界があるとした。
また「特に急性期の病院で外来業務が少し多すぎるのではないか。大学病院、特定機能病院は外来へのフリーアクセスを制限することがあってもいい」と述べ、急性期病院の機能分担を明確にすることを求めた。
ただ「特定機能病院がどの位置にあるかということが大事なことで、その医療機関しかないという医療圏もある」と述べ、フリーアクセスを制限する場合には地域事情を考慮する必要もあるとした。
■救急救命士、2行為の拡大を大筋了承、検討会
厚生労働省の「救急救命士の業務のあり方等に関する検討会」(座長=島崎修次・杏林大救急医学教授)は1日、「血糖測定と低血糖発作症例へのブドウ糖溶液の投与」と「重症喘息患者に対する吸入β刺激薬(SABA)の使用」の2行為について、救急救命士による処置を認めることでおおむね合意した。ただ、「心肺機能停止前の静脈路確保と輸液の実施」については意見が分かれ、座長預かりとした。次回は3月に開く予定で、報告書案を議論する。
■10年後は喫煙率10%に、英、診療費の軽減狙う
英保健省は2月1日、現在は21%の喫煙率を、今後10年で10%まで引き下げる政策を発表した。喫煙に伴う疾病を減らし、診療費が原則無料の国家医療制度(NHS)の負担を軽減する狙い。
英国は禁煙法を定め、2007年までに屋内公共空間を禁煙にしたほか、たばこの自動販売機や広告を禁止するなどしてきたが、新政策では、建物の入り口付近の禁煙を同法に盛り込むことを検討。屋内禁煙の実施後、オフィスや飲食店の前での喫煙が増えたためだ。
子どもの副流煙被害を防ぐため、個人宅や自家用車での禁煙も推進する。
強力な禁煙政策により、英国の喫煙者数はこの10年で4分の1となり、33万7000人が昨年禁煙したが、年間約8万人が喫煙に関連する病気で死亡。NHSはその治療に約27億ポンド(約3880億円)を支出している。
日本たばこ産業(JT)によると、日本の昨年の喫煙率は男性38.9%、女性11.9%。 【ロンドン共同】
■「政治に左右されない日医を」、森氏、会長選出馬を正式表明
日本医師会の次期会長選挙に立候補を表明している森洋一・京都府医師会長は2月1日、京都市内のホテルで記者会見し、日医会長選に出馬する意向を正式に表明した。森氏は、医療の専門家集団である日本医師会の再生を強くアピールし、「政治に左右されない医師会」の構築に向けて立候補したと強調した。
会見で森氏は、現職の日医会長である唐澤祥人氏と、茨城県医師会長の原中勝征氏の2氏の争いでは「選択肢がない」との声が多くの会員から寄せられているとし「第3の選択肢」として出馬を決意したとした。
唐澤、原中両氏については「現時点では、2人の意見は相いれない」とも指摘。唐澤氏に対しては、自民党とのパイプを強調して4年前の会長選を制したことについて、原中氏に対しては、民主党とのパイプを強調していることについて厳しく批判。「二大政党になったとき(政権交代が行われる状況)に、是々非々で対応できるのか」と疑問を投げ掛けた。「立候補は1月に入ってから決意した」とも明かした。
現在の日医執行部に対しては▽2200億円削減問題など小泉政権時代からの医療崩壊に対応できなかった▽政権交代後の日医をどうしていくのかが見えない▽新型インフルエンザへの対応などワクチン行政への対応策が示されておらず、小児科医として問題意識を持っている─と批判。森氏は、自らが日医会長に就任することができれば、国民に信頼される医師の団体として「社会保障立国」に向けた政策提言を具体化すると強調した。
今年7月の参院選の対応については、日医と日本医師連盟の分離が先決とし、現時点では具体的な方針は示さない考えを表明した。
●「キャビネット選挙」の手法はとらない
日医会長選で定着してきた「キャビネット選挙」については、「森キャビネット」として副会長候補と常任理事候補を公表する従来の手法はとらないとした。副会長と常任理事のそれぞれの選挙に出馬する候補者との協調関係については、随時、協議していく方針を示した。
森氏は会見で①日医の基本理念の検討②医師、医師会の自律機能の確立③医療の質の向上と安全の確保④医療安全調査委員会設置に関する検討⑤地域医療の再生(勤務医の過剰労働軽減への取り組みの強化)⑥日医のあり方検討委員会の設置⑦日常的な会員との双方向性の情報伝達システムの構築⑧日医連との明確な分離─を掲げたマニフェスト(基本方針)も文書で明らかにした。
■近医連、森氏支援を機関決定へ、酒井・大阪府医会長
2月1日に行われた森洋一・京都府医師会長の立候補記者会見には、近畿医師会連合から酒井國男・大阪府医師会長、西村亮一・兵庫県医師会長、柏井洋臣・和歌山県医師会長、浅野定弘・滋賀県医師会長の4会長が出席した。
近医連委員長の酒井氏は、今月12日の会合で近医連として森氏の推薦を決定する方針を示し、近畿全体で支援していく方針を明らかにした。酒井氏は「現日医会長の唐澤祥人氏は自民党との協調を旗印に当選した。昨年夏の衆院選の自民党敗北は、医師会に責任があるわけではないが、国民がどちらを向いているか見えなかった日医の責任は重い。一方、茨城県医師会長の原中勝征氏は民主党とのパイプを強調しているが、日医会長の責務と民主党とのパイプは別のものだ。民主党とのパイプは各地域(医師会)にそれぞれにある」として、「政治に左右されない日医づくり」を主張する森氏への全面的支援を重ねて強調した。
兵庫・大阪で厳しい選挙戦が展開される中での近医連の機関決定について、森氏は「現在の近医連の会長の任期は3月まである」として、支援決定は問題ないとの認識を示した。ただ、実際に日医会長選で投票する日医代議員も変わることから「(大阪・兵庫の結果は)影響はある」との見方も示した。
■社会保障政策を確立する組織に、京都府医・安達副会長
京都府医師会の安達秀樹副会長(中医協委員)は、1日の森洋一会長の記者会見で「日本医師会は確たる社会保障政策を確立する組織として機能すべきだというのが、森氏の立候補の最大の問題意識であることを理解してほしい」と述べ、開業医、勤務医を包含した大きな立場でのグランドデザインづくりが視野にあると表明した。さらに、市場原理主義ではなく、過度の悪平等を招来する社会保障でもない「第3の道」を探ると強調した。その上で、政権与党の変化に対応できない医師会ではなく「協議の場は常に持っている日医」に変革していくとし、森氏の立候補に期待感を示した。
■収賄容疑で元副知事逮捕、福岡、後期高齢者医療絡み
福岡県警は2月2日、後期高齢者医療制度を運用する県広域連合の設立に絡み、県町村会に有利な取り計らいをした謝礼として現金100万円を受け取ったとして、収賄容疑で元福岡県副知事中島孝之容疑者(67)を、贈賄容疑で全国町村会長と県町村会長を務める添田町長山本文男容疑者(84)を逮捕した。県警によると、いずれも大筋で容疑を認めている。
◎調査・データ編
■国保財政、赤字が1200億円改善、厚労省08年度速報値
厚生労働省は2月2日、2008年度の国民健康保険と後期高齢者医療制度の財政状況の速報値を公表した。国保の財政状況は2384億円の赤字(市町村が一般会計から赤字補填している分を除いた実質的な収支)で、前年度に比べて赤字額が1236億円改善した。一方、保険料収納率は前年度に比べて2.14ポイント減の88.35%で、過去最低となった。
財政が改善された理由について厚労省は「後期高齢者支援金の負担が以前の老人保健拠出金に比べて軽減されたことや、前期高齢者交付金による財政調整の影響が大きいのではないか」(保険局国民健康保険課)としている。保険料収納率の低下の要因については「不景気の影響のほか、収納率の高い75歳以上の高齢者が抜けた制度上の理由が大きいとみられる」(国保課)と分析している。
●医療制度見直しの影響も
保険料(税)収入は前年度比18.8%(7105億円)の減。後期高齢者医療制度の創設に伴う被保険者の減少が主な要因とみられる。また、前期高齢者の財政調整のため、前期高齢者交付金2兆4365億円の交付があった。一方、退職者医療制度の廃止に伴い、療養給付費交付金(退職者医療に係る被用者保険側からの拠出金)が66.9%(1兆7774億円)の減となった。
支出は、自然増の影響で保険給付費が前年度比0.2%(128億円)と微増した。後期高齢者医療制度の創設に伴い、後期高齢者支援金として1兆4256億円の支出が新たに生じたが、老人保健拠出金は08年3月診療分と精算分のみで85.1%(1兆9074億円)の減となった。
保険者について単年度収支差で見ると、赤字保険者は全体の45.4%(1788保険者中812保険者)で前年度に比べて25.7ポイント(471保険者)減少した。保険者全体の単年度収支差引額は93億円の黒字に転じた。
●後期高齢者医療制度の精算後単年度収支は黒字
08年度の後期高齢者医療制度の財政収支は収入が9兆9441億円、支出は9兆6834億円で、収支の差引合計額は2607億円となった。収入から特例交付金と繰越金、支出から基金積立金などを除き、国庫支出金精算額を考慮した精算後の単年度収支差引額は1420億円で、大幅な黒字となった。国保課は「後期高齢者医療制度の保険料率は2年間で財政の均衡を保つ率となっている。09年度を通してみると限りなくゼロに近い数字になる」としている。
被保険者は08年度末で1346万人。収納率は全国平均で98.75%。このうち、年金から天引きとなる特別徴収を除いた普通徴収の収納率は96.95%だった。国保課は「注目してみると収納率が低い市町村もある。改善を促していきたい」としている。
◎介護編
■介護保険制度、改善へ法改正も、長妻厚労相
長妻昭厚生労働相は1月30日、介護保険制度の改善に向けて「法的措置が必要なものはやる」と述べ、「現行制度の改善」「介護報酬改定」「法的措置」と大きく3段階で取り組む意向を示した。東京都内で介護施設を視察し、訪問介護のヘルパー業務も体験した後、記者団に語った。
長妻厚労相は、介護事業所が介護報酬を請求する際の事務作業について「非常に煩雑であるということはよく聞く」とした上で「加算が、いろいろな政策的判断で付いてきたということで複雑になっている」と説明。「いったん意見を集約して、見直していこうと考えている」と述べ、事業所の事務負担などを見直す意向を示した。
同行した山井和則政務官は「来年に介護保険法の改正を考えるとするならば、私たちも今年の夏くらいまでに、介護のあるべき姿、ビジョンを早急に詰めていかなくてはならない」と強調した。さらに「次回の介護報酬改定の結果、介護保険料は残念ながら当然、上がっていく」と述べ、国民の理解が得られるよう、保険料の引き上げに見合う制度の改善を図るとした。
■介護基盤、整備目標を策定へ、鳩山首相が表明
鳩山由紀夫首相は2月3日の参院本会議で、高齢化率が30%に達すると見込まれる2025年に向け、政府として介護施設数など介護基盤の整備目標を定める考えを明らかにした。公明党の山口那津男代表の質問に答えた。
鳩山首相は「25年に向け、施設と在宅のバランスをとり、計画的に介護基盤の整備を進めていくことが非常に大事だ」とし、同年を見据えた介護基盤の整備目標を示す考えを表明。政府の目標を念頭に、自治体ごとに整備計画を策定する方針を示した。
さらに鳩山首相は、医療と介護をはじめ生活支援を含めたサービスを一体的に提供する「地域包括ケアシステム」の構築にも取り組むとした。
■介護保険、事務手続き軽減へ意見募集、厚労省
厚生労働省は2月3日、介護保険制度の書類・事務手続きの見直しに向けて、利用者や事業者など関係者から意見募集を始めた。3月31日まで受け付ける。
制度改正や報酬改定などで、書類作成や事務手続きが複雑になり、関係者の負担となっているとの意見を受け見直しを決めた。老健局振興課は「意見を集約し、通知などで対応できるものは速やかに対応していきたい」としている。意見は電子メール、郵送、ファクスで受け付ける。詳細は厚労省ホームページの意見募集のページへ。
■要介護認定、特記事項の活用を、厚労省が事務連絡
厚生労働省老健局は2月2日付で自治体にあて事務連絡を発出し、申請者の状態をより適切に要介護認定の判定結果に反映することができるよう、特記事項の活用を認定調査員や介護認定審査会委員に周知することを求めた。
認定調査員は、実際に発生している介護の手間が選択肢の選択基準に含まれていない場合、詳しい内容と頻度を特記事項に記載する。認定審査会委員は、認定調査員が記載した特記事項を活用し、1次判定結果の変更の必要性を検討する。
認定調査員への研修で特記事項について十分な説明をしている自治体は、昨年「非該当」「要支援1」の割合が過去3年間とほぼ同等になっているとし、研修の充実も求めた。
【週刊マスコミ論調】
■医療問題、医療政策
■社会情勢など
■医学、健康
■新型インフルエンザ、感染症など
■高齢者医療、福祉、年金、介護、少子化
■医療事故、医事紛争、副作用
■その他事件など
■保団連・保険医協会関係
■京都周辺の動き(医療関係、ほか)
■主な連載 (医療全般)
医療ルネサンス 人工関節と付き合う■環境全般
〈核問題〉
核なき世界 核テロ対策最前線 京都
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