週刊医療情報インデックス
2010年1月第4週 (2010.01.19~2010.01.25)
- 【ウイークリーダイジェスト】
- 【週刊マスコミ論調】
- ■医療問題、医療政策
- ■社会情勢など
- ■医学、健康
- ■鳥インフルエンザ、感染症など
- ■高齢者医療・福祉・年金・介護・少子化
- ■医療事故、医事紛争、副作用
- ■その他事件など
- ■保団連・保険医協会関係
- ■京都周辺の動き(医療関係、ほか)
- ■新型インフルエンザ関連
- ■主な連載(医療全般)
- ■環境問題
【ウイークリーダイジェスト】
■再診料、71点に統一で220億円必要、厚労省が試算
厚生労働省は1月20日の中医協総会(会長=遠藤久夫・学習院大教授)で、再診料の点数の上げ下げによる財政影響の試算を示した。診療所の点数1点の財政影響は約100億円、病院の場合は約20億円とし、病院の点数(60点)を診療所(71点)に合わせて11点引き上げるには、220億円の財源が必要とした。一方、診療所を病院に合わせて引き下げた場合は約1100億円の財源が生まれることになる。
診療所を1点引き下げて70点で統一した場合、病院は200億円のプラス、診療所は100億円のマイナスとなり、総額で100億円の財源が必要となる。診療所を2点以上、引き下げて69点以下で統一した場合は、20億円から1100億円の財源が生じる。
安達秀樹委員(京都府医師会副会長)は「総額プラス改定の中で診療所の再診料を下げる環境にはない」と強調。医科外来のプラス財源が400億円に限られていることを踏まえ、前回総会で提案した外来管理加算の要件に、患者からの要請に基づく未受診投薬は算定不可とするよう主張した。
一方、白川修二委員(健保連常務理事)は、再診料と外来管理加算だけを取り上げて議論することを疑問視し、「入院外で重視すべき項目に、どれだけの配分が必要になるのか、たたき台として示してほしい」と要望した。
ただ、現段階で具体的な配分論に入ることには診療側から難色を示す意見があり、最終的には遠藤会長が預かって事務局の厚労省保険局医療課と対応を検討することにした。
■再診料・外来管理加算、議論行き詰まり、中医協
2010年度診療報酬改定での再診料と外来管理加算をめぐる中医協での議論は、答申まで1カ月を切った現時点でも決定的な打開策に欠け、行き詰まっている。安達秀樹委員(京都府医師会副会長)が前回1月15日の中医協総会で提案した「5分ルール」に代わる外来管理加算の新たな要件について、支払い側の白川修二委員(健保連常務理事)は20日の総会で難色を示した。一方、白川委員は再診料以外の医科外来で必要な財源を明確にした上で議論すべきと主張したが、診療側委員からは否定的な意見が上がり、議論は進展しなかった。
安達委員は前回、患者からの要請に応じた未受診投薬の場合に外来管理加算を算定できないことを要件とするよう提案。その代わり診療所の再診料は引き下げないよう強く求め、この日も同様の主張を繰り返した。これに対し白川委員は、安達委員の提案を要件とした場合の財政効果が不明として、要件化に難色を示した。
財政効果について安達委員は、日本医師会の調査結果で外来管理加算を算定できなかった主な理由が「時間要件を満たさない」だったことや、安達委員が地元の関係者から聞いた話でも未受診投薬への対応が多かったと説明し、「ほぼ同様の算定回数で推移することは、ある程度確信している」と述べた。
■外来管理加算、1300億円減、厚労省試算、08年度改定前後で
厚生労働省保険局医療課の佐藤敏信課長は1月20日の中医協総会で、2008年度診療報酬改定の前後での外来管理加算の財政影響を説明した。社会医療診療行為別調査を基に算出した場合、改定前の07年は3306億円、08年は2018億円となり、約1300億円減っている。
ただ、各年6月審査分の同調査のデータを年間に引き延ばしているため、データの正確性には問題があるとした。
08年度改定では、外来管理加算の算定要件に「5分ルール」が導入されたが、佐藤課長は「5分ルール」の導入以外にも、再診料自体が減少していることなども要因となっている可能性があると指摘した。白川修二委員(健保連常務理事)も「5分ルールだけで1300億円が減ったとは認識していない」と述べた。
厚労省はまた、現行の外来管理加算の点数(52点)を維持した場合、10年度の総額は約2700億円になるとの試算も明らかにした。年間医療費に占める外来管理加算の割合に、算定回数の傾向なども加味して算出した。
■再診料下げても「収入減らさない」、足立政務官
2010年度診療報酬改定で焦点となっている診療所の再診料と外来管理加算について、厚生労働省の足立信也政務官は1月19日、診療所の再診料を引き下げたとしても、時間外対応や地域連携を積極的に進める診療所の評価を引き上げることで、地域医療を守る診療所については現行の収入水準を維持させるべきとの考えを示した。政務三役会議後の会見で述べた。
足立政務官は会見で、再診料について「仮に病院(60点)を引き上げて診療所(71点)に合わせる場合、それだけで相当な医療費が考えられる。今回、外来の財源が約400億円に限られている中で、病院を上げて統一すると、ほかのことができなくなる」と述べ、再診料の統一は診療所を引き下げて行う方針を示唆した。
●地域医療担う診療所は別に評価
ただ「時間外でも電話で対応したり、病院を紹介したりするなど、病院との連携の中で地域医療を守っている診療所の診療報酬を減らすことは考えていない」と強調。「(診療時間が)9時(から)5時で、時間外は電話もつながらない診療所と、地域医療を守る診療所は、本来、区別してしかるべき」と指摘した。
その上で「地域医療を担う診療所では、現在の再診料と外来管理加算の合計点数を下回らないようにすることが必要」と述べ、時間外対応を行うなど「かかりつけ機能」を持つ診療所については、収入ダウンとならないよう配慮する考えを示した。一方、地域医療に貢献していないような診療所については「若干の低下があるだろう」と述べた。
さらに足立政務官は「外来で化学療法や放射線治療を行ったり、入院してやるような病理検査を外来でするところも増えている。これ以外にも、外来で重視させないといけない部分はたくさんある」とし、個別の技術料の評価を充実させるべきとの考えを示した。
●同時改定の会議体「既存審議会と重複しない形で」
長妻昭厚生労働相が設置の方針を表明している2012年度の診療報酬と介護報酬の同時改定に向けた新たな会議体については、「既存の審議会などと重複しないような形を考える必要がある」と述べた。
足立政務官は「新たな会議体ですべて決めるのではなく、テーマによっては既存の審議会などでさらに深い議論をしてもらう必要も出てくる」とし、「重複を避けつつ、既存の会議の意見も反映できるようにしないといけない」と指摘した。
■再診料下げ、公聴会でも反対の声、中医協
中医協(会長=遠藤久夫・学習院大教授)は1月22日、福島市の福島県文化センターで地方公聴会を開き、2010年度診療報酬改定に向けて医療関係者、健保組合関係者、患者ら9人から意見を聞いた。次期改定の焦点となっている再診料の病診格差統一について、意見発表した医療関係者からは「診療所が成り立たなければ勤務医の負担が増大する」「財源的に無理があれば段階的な統一を」との声が上がった。一方、健保組合関係者からは、診療所(71点)と病院(60点)の「中間点」での統一を求める意見が出た。
地元医師会の関係者は、病院と診療所の格差統一に「賛成」としたが、診療所の引き下げには「反対」と表明。「診療所の再診料には医師の技術料のほか、コメディカルの人件費、減価償却費、水道・光熱費、事務経費などの運営費用を含めて評価してきた経緯があり、評価が低すぎる。有床診療所では入院の赤字部分を外来でカバーしている」と主張し、「病診ともに引き上げながら統一すべき。財源的に無理があるならば、今回一気に統一するのではなく、段階的に統一すべきと考える」と述べた。さらに、外来管理加算の「5分ルール」撤廃には賛成したが、「無形の技術に対する診療報酬項目であり、創設の経緯も踏まえて時間をかけて議論すべきだ」とした。
千葉県の医療団体職員も診療所の再診料引き下げに反対し、「再診料の引き下げは、礎の一部を取り除くことになり、地域医療全体に波及する。診療所が成り立たず患者が病院に集中すれば、勤務医の負担はさらに増大する」と訴えた。
福島県内の自治体病院関係者は「病院の方を高く設定することで、患者に診療所を選択するインセンティブを与えることも検討してほしい」と述べたほか、複数科受診時の再診料を算定可能にするよう訴えた。また200床以上の病院が算定できる外来診療料(70点)について「点数以上の検査項目が包括されており納得できない」とし是正を求めた。
●健保関係者は「診療所下げを」
一方、健保組合関係者は厳しい財政事情を説明し「必要度の高い医療には厚い評価をする一方、限られた財源を効率的に配分してほしい」と主張。診療所の再診料を引き下げ、病院の引き上げによる格差統一を訴えた。
このほか▽訪問看護の回数制限の見直し▽在宅ターミナルケア加算の要件見直し▽一般病棟入院基本料の引き上げ▽地域連携の評価▽救急・周産期医療の充実に向けた評価─を求める意見も出た。地元の連合関係者は、レセプト並みの明細書の無償発行について、体制の整備された医療機関から義務化するよう訴えた。
■入院患者の他院受診、入院基本料30%控除、厚労省提案
厚生労働省は1月20日の中医協総会で、出来高算定している病棟に入院している患者が、ほかの医療機関を外来受診した場合の対応について、入院元の医療機関で算定する入院基本料を当日のみ30%控除した点数とする案を示した。
特定入院料を算定する病棟では、同様のケースで特定入院料の70%を控除した点数を算定している現状を踏まえ、これに合わせて設定する考えだ。厚労省は今後、さらに関係者などから意見を聞いて対応を検討するとしている。
■先進医療12技術の保険導入を了承、中医協
中医協は1月20日の総会で、2010年度診療報酬改定で先進医療12技術を保険導入することを了承した。保険導入が決まった先進医療の診療報酬点数などについては今後検討する。また6技術について先進医療から削除することについても了承した。
14日の先進医療専門家会議(座長=猿田享男・慶応大名誉教授)の決定事項を受けて了承した。保険導入が了承されたのは「胎児心超音波検査」「子宮頸部前がん病変のHPV-DNA診断」など。厚生労働省保険局医療課は施設要件について「先進医療として導入された際の要件を踏襲したい」とした。
委員からは、保険導入の可否の決定方法などに対して質問があり、厚労省は次回以降の総会に資料を提出するとした。
■次期改定「地域特性」は見送り、中医協、付帯意見に
中医協(会長=遠藤久夫・学習院大教授)は1月20日の総会で、地域特性に応じて看護職員数の届け出要件を緩和する案について、次期改定での導入を見送ることを決めた。ただ、地域特性への配慮について、今後も検討することでは一致。答申の付帯意見に盛り込み、2012年度改定に向けて早期に検討を始めることを決めた。
鈴木邦彦委員(茨城県医師会理事)は地域特性として豪雪地帯への配慮を求めた。秋田県の病院の例を紹介し、過疎地域などでは7対1、10対1の要件を維持することが難しいと訴えた。これに対し、白川修二委員(健保連常務理事)は「ほかの地域と不公平がないようにしなければならない。データを取って検証し、合意を形成すべきだ」と主張した。
■薬剤師病棟配置のDPC係数化は見送り、中医協
中医協は1月20日の総会で、DPC対象病院で薬剤師の病棟配置を評価する新たな係数について2012年度改定以降の検討課題とすることを決めた。10年度改定での導入は見送る。
厚生労働省は具体的な評価の指標として、「勤務時間の○割以上を病棟で勤務する常勤薬剤師人員数」と「病棟勤務時間の常勤換算人員数」の案を提示した。一方、薬剤師の病棟勤務時間などを調べたところ、「ゼロ」のケースが多く、病棟での活動が少ない現状が分かった。
■診療所の再診料下げに反対、医療費議連、小沢幹事長に要望
民主党の適切な医療費を考える議員連盟(衆参182人)の櫻井充会長は1月21日、党幹事長室を訪れ、診療所の再診料引き下げに反対する緊急提言を高嶋良充・筆頭副幹事長に手渡した。櫻井会長は「今の(厚生労働政務三役の)方向性が医療全体を網羅しているのか若干、危惧している」と述べ、大病院に偏った診療報酬改定がなされようとしていると指摘した。
緊急提言は小沢一郎幹事長あてで、全部で7項目。▽再診料は病院と診療所の点数の統一は認めるが、引き下げは行わない▽外来管理加算の「5分間ルール」を撤廃し、改定前の要件に戻す▽15対1入院基本料は引き下げない▽有床診療所の入院料を引き上げる-など。
■「院内トリアージ」は時期尚早、日医・中川常任理事
日本医師会の中川俊男常任理事は1月21日の定例会見で、次期診療報酬改定の「現時点での骨子」に対する日医の見解を明らかにした。検討課題に挙がっている小児救急患者を対象とした院内トリアージへの評価には反対する姿勢を強調。軽症患者が救急病院などを受診した場合に特別料金を徴収する案にも、医療へのフリーアクセスを守る立場から「診療報酬で懲罰的に受診を抑えようとする考え方には反対」との考えを示した。
中川常任理事は、厚労省が「現時点での骨子」に対するパブリックコメントの募集を開始していることを踏まえ、日医として同日の見解を厚労省に提出する考えを示した。
■再診料引き下げ示唆に一斉反発、各地の保険医協会
厚生労働省の政務三役が診療所の再診料の引き下げを示唆していることについて、各都道府県の保険医協会が一斉に反発している。再診料の引き下げが行われれば、地域医療が疲弊することは明らかとし、再診料の統一は病院(60点)を診療所(71点)の点数に引き上げることで行うよう主張している。
神奈川県保険医協会は1月20日、政策部長談話を発表した。「前回は本体プラス財源1000億円すべてを入院に充て、さらに400億円を捻出するため外来をマイナス改定とし入院に振り向けた」と前回改定の「財源移転」を説明。「今回は外来と入院を区分けし明示したことで、外来と入院の間の財源移転が禁じられた」と指摘した。その上で「再診料を統一するなら病院60点を診療所71点に引き上げるのが筋」と強調。「病院の再診料を71点にする必要財源は220億円。外来の改定財源400億円で十分に賄える」と主張した。
京都府保険医協会は、1月18日に発表した改定の「現時点の骨子」に対する理事長談話の中で「診療所にとって再診料および外来管理加算の引き下げは死活問題であり、診療所の疲弊により地域医療の崩壊に拍車を掛けるため、絶対に認められない」と強調した。
外来管理加算については、北海道保険医会が1月15日に発表した「要請」で「外科系医療機関に比べて、処置などを実施することがないために診療報酬上の評価が低かった内科系医療機関の再診料を補填する目的でつくられた内科再診料が始まり」と説明。「名称が外来管理加算に変更されたが、今の厳しい状況下で外来管理加算を廃止・削減することは医療機関にとって死活問題」と訴えた。
東京保険医協会は1月16日に発表した声明で、財務省は誤ったデータを故意に流していると批判。「医療機関の事業収入である診療報酬を、あたかも医師個人の収入であるかのように論じ、病院と診療所、診療科間の収支差額格差をことさら強調して、医療従事者の分断を図ろうとするのは、極めて有害なものと言わざるを得ない」と指摘した。
■「外来基本料」構想が念頭?、再診料と外来管理加算を一本化
神奈川保険医協会は1月20日、政策部長談話を発表し、厚生労働省の足立信也政務官が、時間外や地域連携に貢献している診療所については「現在の再診料と外来管理加算の合計点数は維持する」と述べたことについて、「外来基本料」構想が念頭にあるのではないかと主張した。
談話では「厚労省の新たな主張は、かつて検討された外来基本料構想をほうふつさせる」と指摘。「再診料と外来管理加算を再編・一本化した基本料を設定し、連携や時間外の実施を要件化して、満たない場合に減算し、在宅医療や紹介率に応じて加算するというスタイルに改変するもので、これが下地にあることが透けている」と主張した。
■参院選マニフェスト、櫻井氏が担当、民主が検討チーム
7月の参院選に向けて民主党は党内に「参院選マニフェスト検討チーム(責任者=細野豪志組織委員長)」を設置し、マニフェストの作成に当たることを決めた。高嶋良充・筆頭副幹事長が1月21日、民主党の適切な医療費を考える議員連盟との会合で明らかにした。
医療分野は櫻井充・参院政審会長が責任者を務める。高嶋筆頭副幹事長は「基本は(昨年の衆院選の)マニフェストだが、あの時は野党として作った。与党を経験して、参院選後の三年間をどうするか、若干、修正しなければならない」と述べた。
■株式会社特区「全国展開」見送り、特区推進本部・部会
政府の構造改革特別区域推進本部評価・調査委員会の医療・福祉・労働部会(部会長=佐藤博樹・東京大教授)は1月19日、株式会社が医療機関を開設できる特区の全国展開を見送った。理由については「全国展開によって発生する障害の有無について、現時点で判断することは困難」とした。部会の評価意見は、2月4日の構造改革特別区域推進本部評価・調査委員会に報告する。
部会が同日、了承した「評価意見」では「株式会社特区病院は1病院であり、規制の特例措置に弊害がないのか、適用事業者の特段の努力なのか、必ずしも明らかではない」と指摘。今後の対応方針では、内閣官房や厚生労働省に対して「地方公共団体をはじめとする関係者に対し、本特例措置について、一層の周知や情報提供に努めること」と注文を付けた。
「高度な医療」を自由診療で提供する医療機関を株式会社が開設できる特区は、2005年に神奈川県で美容外科医療を行う事業者が1社、認定されている。政府はこのほか、脊髄損傷の患者に対する神経細胞の再生や、先天性免疫不全症候群の患者に対する遺伝子治療などを「高度な医療」として定義している。
■自殺・うつ病対策PTが発足、厚労省
厚生労働省は1月21日、「自殺・うつ病等対策プロジェクトチーム」の初会合を開いた。同PTでは、自殺について、さまざまな切り口から分析し、実態の解明を図る。厚労省は、内閣府と連携し、現場の意見も反映させて有効な政策を打ち出したいとしている。
長妻昭厚生労働相は冒頭「毎日、約100人が自殺している。自殺の原因は、介護や看病疲れ、生活苦などであり、自殺による保険金支給なども含めて厚労省所管の問題」とした上で、「自殺の根本的な原因である社会保障全体について立て直すことも大きな課題」とした。
PTメンバーである清水康之内閣府参与(自殺対策支援センターライフリンク代表)は「自殺は減らせる。しかし、これまでは自殺の実態に基づいた対策の立案がなく、対策に統合性がなかった」と指摘。「警察庁の統計など実態に関するデータを活用し、実態に即した総合的な対策が必要」とした。
今後は警察庁や厚労省の既存のデータを分析し▽性別▽時期▽地域▽職種-など多様な切り口から自殺の実態解明を図る。同PTは年度末を目標に中間的な取りまとめを行いたいとしている。
■労災診療費改定で要望書、日医の労災・自賠責委
日本医師会の労災・自賠責委員会(委員長=藤川謙二・佐賀県医師会常任理事)は1月13日、2010年度労災診療費算定基準改定に向けた要望書を唐澤祥人会長に提出した。石井正三常任理事が21日の定例会見で公表した。要望書は、日医が厚生労働省に近く提出する予定。
今回の要望で、重点要望事項は10項目。優先順位の高いものでは、処置料についてギプス料を四肢加算の対象とすることを求めた。手術料については、同時に複数の手術を行った場合、すべての点数を算定可能とすることを求め、特に規定がなくても主たる手術点数に従たる手術点数の「50/100」を加算できるようにすることを要望。従たる手術が2つ以上であっても、すべての手術について「50/100」の算定ができるように求めた。初診料の引き上げも要望した。このほか、現行の労災診療費算定基準について、早急に見直しが必要となる事項をまとめた。
●労災保険独自の報酬体系を
労災保険の診療費は1961年以降、当時の日医会長と労働省労災補償部長による申し合わせにより、健康保険の点数に準拠することになっている。要望書は、診療報酬の02年度以降のマイナス改定などにより、地域医療は崩壊の危機に直面していると指摘。こうした状況下で労災保険が引き続き健康保険に準じることは、被災労働者の早期職場復帰という本来の目的の達成に支障を来すことになると警告した。問題回避のため、労災保険独自の診療報酬体系を構築すべきと強調する一方、厚労省や国民の共感を得るためには引き続きエビデンスを検討する必要があるとの考えを示した。
■緊急保証制度、医療機関も対象に、参院本会議で直嶋経産相
直嶋正行経済産業相は1月20日の参院本会議で、中小企業が民間金融機関から受けた融資に信用保証協会が返済を全額保証する「緊急保証制度」の対象に、医療機関や介護事業者を加える考えを示した。藤原正司氏(民主)の質問に答えた。
直嶋経産相は「歯科を含む医療、介護業も経営状況は厳しくなっており、制度の対象としてこれらの分野に携わる人の資金繰りを支援したい」と述べた。
同制度は2008年10月に開始され、793業種が適用対象とされているが、医療機関や介護事業者は含まれていない。政府は09年度第2次補正予算案に、保証枠を現行の30兆円から6兆円増額し、名称も「景気対応緊急保証」に改めることを盛り込んでいる。
緊急保証制度をめぐっては、病院団体などから対象拡大の要望が上がっていた。全国老人保健施設協会が14日に直嶋経産相や民主党の小沢一郎幹事長に提出した要望書では、これまでの診療報酬引き下げなどで経営に必要な資金が不足している医療機関が相当数、存在していると指摘。介護老人保健施設では、インフルエンザの流行に対応するための診療や感染防止対策などを行っても、医療行為が包括払いとなっているため経営的に不利な状況にあると主張。「貸付制度(福祉医療機構)だけでなく、保証制度による信用補完の拡充が必要」と強調した。
■接種費用の助成「早期実現へ検討」、HPVワクチンで首相
鳩山由紀夫首相は1月20日の参院本会議で、子宮頸がんを予防するHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンの接種費用に対する助成について「できるだけ早期に実現できるよう、積極的に検討する」と述べた。松あきら氏(公明)の質問に答えた。
鳩山首相は、HPVワクチンは「対応できるウイルスの範囲が限定的」とし、「現在、国内でもすべての型のウイルスに対応できるワクチンの研究・開発途上だ」としながらも、費用助成を厚生労働省で検討するとした。
■健康成人接種へ、実施要綱・要領を一部改正、厚労省
厚生労働省は、健康成人への接種が始まることになった新型インフルエンザワクチンの予防接種について、1月15日付で実施要綱・要領の一部改正を行った。1月29日に出荷分の国産ワクチンから、健康成人への接種を認める。
今回の改正では、医療従事者や基礎疾患患者、妊婦、小児、高齢者などの優先接種対象者に加えて、優先接種対象者以外の人にも接種を進めるとしている。
一方、20日付で特例承認される輸入ワクチンの健康成人への接種については、現在、医療機関に対し希望納入数量などの調査を行っている。2月上旬から順次出荷し、接種は中旬ごろになることから、再度の要綱・要領の改正で対応する。
■消費税率「4年間、引き上げない」、衆院本会議で鳩山首相
鳩山由紀夫首相は1月19日の衆院本会議で、消費税率の引き上げに関して「一貫して4年間は歳出の見直しなどに関しての努力を最大限行う。その間、税率の引き上げは行わない」との考えをあらためて示した。大島理森氏(自民)の質問に答えた。
10年度予算案の公債依存度が48%に上っていることから、鳩山首相は「社会保障の整備と新たな経済成長への投資を行うために、財政の健全化は不可欠の問題」とした上で、「今年前半には複数年度を視野に入れた『中期財政フレーム』を作る。中長期的な財政規律の在り方を含む『財政運営戦略』も策定し、財政健全化への道筋を示す」と述べた。
■補償対象事例の分析開始、産科補償制度
産科医療補償制度原因分析委員会(委員長=岡井崇・日本産科婦人科学会常務理事)は1月18日、補償対象として認定した事例の原因分析を開始した。
運営組織の日本医療機能評価機構によると、事例の審議は非公開で行われ、原因分析報告書作成マニュアルに基づいて意見交換した。現在、補償認定事例は8件となっている。
委員会では、「回避可能性」を明記しないことで決着した原因分析報告書作成マニュアルを了承した。原因分析報告書の「全文版」の公表については、原則として事務局が判断するとし、判断に迷うケースなどは委員会に諮ることとした。
■日看協「NP推進」を明確化、検討会の立ち上げ要望
日本看護協会の坂本すが副会長は1月21日、委員を務める厚生労働省の「チーム医療の推進に関する検討会(座長=永井良三・東京大大学院医学研究科教授)」で、「日本型ナースプラクティショナー(仮称)」の制度確立を視野に、新たな検討会を立ち上げるよう厚労省に要望した。「法改正を踏まえた対応が必要」とも指摘した。日看協がナースプラクティショナー(NP)の推進に前向きな姿勢を示すのは初めて。一方、日本医師会の羽生田俊常任理事は法改正を含めたNP制度の確立に反対した。
■役割拡大などチーム医療の論点を提示、厚労省
厚生労働省は1月21日、「チーム医療の推進に関する検討会」にチーム医療をめぐる議論の論点を示した。看護師やメディカルスタッフの役割拡大などを論点として提示。これまで8回に及ぶヒアリングを経て、報告書の取りまとめに向けた本格的な議論が始まった。
厚労省は「主な論点の整理について」として▽チーム医療の推進に係る基本的な考え方▽看護師の役割拡大▽そのほかのメディカルスタッフの役割拡大▽多職種の連携の推進-の4点を挙げた。
■訪問看護の拡充へ、支援事業を推進、厚労省が検討開始
厚生労働省は1月18日、「訪問看護支援事業に係る検討会」(座長=川村佐和子・聖隷クリストファー大教授)の初会合を開き、訪問看護サービスの安定供給を図る目的で今年度から開始した「訪問看護支援事業」の推進に向け議論を開始した。高齢化の進展に対応するため、厚労省は在宅医療の推進を重要課題と位置付け、訪問看護サービス提供体制の拡充を図っているが、今年度から支援事業を実施している都道府県は11道県にとどまっている。このため厚労省は新たに検討会を設置し、支援事業の促進に向けた議論や、訪問看護サービス供給体制の拡充に必要な追加支援策の検討を行うことにした。
■原中氏「実現力が違う」、日医会長選へマニフェスト発表
4月の日本医師会長選挙に立候補を表明している茨城県医師会の原中勝征会長は1月20日、東京・千代田区のホテルニューオータニで記者会見し、日医会長選に向けたマニフェストを発表した。会見には、埼玉県医師会の吉原忠男会長と山梨県医師会の薬袋健会長も同席した。
原中氏は、マニフェストで医師会の組織改革に着手する方針を示し、時代に対応できる組織づくりに向けて「医師会改革諮問委員会」を設置する考えを明記した。医師の一致団結した行動を促すため、診療所連絡協議会と病院連絡協議会を設置する考えも盛り込んだ。病院連絡協には各病院団体にも参加を求め、日医の下で意見集約する体制を構築する方向性を打ち出した。
◎介護編
■介護施設、11年度までに16万床増床、鳩山首相
鳩山由紀夫首相は1月22日の衆院予算委員会で「介護基盤の整備に関して(介護施設を)来年度までの3年間で、16万床を目標に整備をしたい」と述べ、2011年度までに介護施設を16万床増やす政府の方針をあらためて示した。公明党の井上義久衆院議員の質問に答えた。
厚生労働省は09年度補正予算で計上した介護施設整備の交付金によって、09~11年度の間で介護施設を16万床増やす方針だ。鳩山首相は「(団塊の世代が)介護が必要になる時期がいずれ来る。その時までに介護をさらに充実させていく」と述べた。
◎調査・データ編
■医療機関の倒産数、過去5年で最多52件、
帝国データバンクの全国企業倒産集計によると、2009年1年間の医療機関の倒産は全国で52件(負債額301億5700万円)だった。年間倒産数は07年の48件(同476億6200万円)を超えて過去5年で最多となった。
【週刊マスコミ論調】
■医療問題、医療政策
■社会情勢など
■医学、健康
■新型インフルエンザ、感染症など
■高齢者医療、福祉、年金、介護、少子化
■医療事故、医事紛争、副作用
■その他事件など
■保団連・保険医協会関係
■京都周辺の動き(医療関係、ほか)
■主な連載 (医療全般)
医療ルネサンス 最新機器で回復■環境全般
〈核問題〉
従属の同盟 安保半生記 核密約―新原昭治さん語る
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