週刊医療情報インデックス
2010年1月第3週 (2010.01.12~2010.01.18)
- 【ウイークリーダイジェスト】
- 【週刊マスコミ論調】
- ■医療問題、医療政策
- ■社会情勢など
- ■医学、健康
- ■鳥インフルエンザ、感染症など
- ■高齢者医療・福祉・年金・介護・少子化
- ■医療事故、医事紛争、副作用
- ■その他事件など
- ■保団連・保険医協会関係
- ■京都周辺の動き(医療関係、ほか)
- ■新型インフルエンザ関連
- ■主な連載(医療全般)
- ■環境問題
【ウイークリーダイジェスト】
■入院早期の加算を引き上げ、次期診療報酬改定の整理案
厚生労働省は1月13日の中医協総会で、2010年度診療報酬改定に向けた議論の整理案を示した。入院医療の充実については、一般病棟入院基本料の入院早期の加算(14日以内428点、15~30日192点)の引き上げや、7対1・10対1入院基本料を算定する一般病棟で、看護職員の月平均夜勤72時間以内の要件が満たせない場合の新たな評価を設ける方針を打ち出した。
●「72時間」満たせない場合も評価
厚労省は席上、月平均夜勤の「72時間ルール」が満たせない場合の評価について「現行では看護配置基準を満たせなくなった場合に、一定期間を過ぎると一気に特別入院基本料に下がってしまう。急転直下を避ける『踊り場』のような点数を考えている」(保険局医療課)と説明した。
一方、「準7対1入院基本料」の廃止や、一般病棟15対1入院基本料の評価を適正化する方針も打ち出した。08年度改定で要件を大幅に見直した「入院時医学管理加算」については「その趣旨を明確化するために名称を変更する」としたが、中医協の中で要望が強かった要件緩和などについては触れていない。
7対1・10対1入院基本料を算定する病棟での看護補助者配置の評価については、「一般病棟用の重症度・看護必要度の基準を満たす患者の割合が一定以上等の場合」に算定できるなど、新たな算定要件を導入する方針を示した。
●再診料・5分ルールは「検討」
病院と診療所の点数格差の統一に向けて、診療所の点数引き下げの是非が焦点となっている再診料については「同一サービスには同一の価格であることが分かりやすい」とし、格差を「統一する方向で検討する」と記述。ただ具体的な方法論には踏み込んでいない。
外来管理加算の「5分ルール」については「時間の要件が診察の満足度等に関係するとは言えない」として廃止する方針を示したが、「点数設定や新たな要件について検討する」とも明記し、時間要件を単純に廃止するのではなく、点数の引き下げや新たな算定要件の導入に含みを残した。
厚労省はこの日の議論を踏まえ、15日に開く次回総会で次期改定に向けた「現段階の骨子案」を提示。了承を得た上でパブリックコメントの募集を始める。
■大学病院の入院早期加算上げも検討、次期改定の骨子
中医協(会長=遠藤久夫・学習院大教授)は1月15日の総会で、2010年度診療報酬改定の「現時点の骨子」を了承した。13日の総会で厚生労働省が示した「議論の整理案」に、特定機能病院での入院早期の加算引き上げの検討などが新たに盛り込まれた。このほか、検討課題となっている救急病院などを軽症患者が受診した場合の特別な料金徴収について、厚労省は対象を救命救急センターに限る案を示した。
再診料の病診格差統一については、安達秀樹委員(京都府医師会副会長)が診療所の点数(71点)に病院(60点)を引き上げることを診療側として強く要望しているとし、病診格差を「統一する方向で、その具体的内容を検討する」と文言修正した。
■「勤務医処遇」「明細書」で議論白熱、中医協が最終局面
「職場環境改善につながる文言を」「明細書発行義務化は積年の願い」―。厚生労働大臣からの諮問を受け、2010年度診療報酬改定に向けた議論が最終局面を迎えた1月15日の中医協総会。「現時点の骨子」をめぐっては委員の口調も熱を帯び、涙ながらに訴える場面もあるなど、白熱した議論が展開された。
●「経営者が喜ぶだけでは駄目」嘉山委員
事務局の厚生労働省保険局医療課が示した骨子案に対し、嘉山孝正委員(山形大医学部長)は「病院経営者が喜ぶだけでなく、実際に職場環境の改善につながる文言を入れてほしい」と強く主張。勤務医負担軽減を要件とする診療報酬について「人件費比率を下げないことを要件としてほしい」と訴えた。
ただ、病院経営者でもあるほかの委員は、勤務医負担軽減の重要性には理解を示しつつも、「人件費比率は他の費用にも左右される」(西澤寛俊委員・全日本病院協会長)など難色を示す意見が相次いだ。その後も具体的な文言をめぐる議論は折り合いがつかず、議論は長時間にわたって続いた。最終的には医師の業務を減少させる取り組みの評価について、勤務医の「処遇の改善」を新たな文言として盛り込むことで一致した。
●明細書無料発行で涙の訴え、勝村委員
明細書の発行をめぐって、事務局案では「発行が義務付けられる医療機関の対象を拡大する」としたが、長年にわたって明細書の無料発行義務化を訴えてきた勝村久司委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)は「事務局案には不信感を感じる。支払い側は全医療機関で無料発行を主張しているのに、検討課題にもならないのか」と涙ながらに訴えた。これを受けて「なお、その具体的内容や要件については検討する」との文言を付け加えることになった。
■外来管理加算「未受診投薬は不可に」、中医協、安達委員が提案
中医協の安達秀樹委員(京都府医師会副会長)は1月15日の総会で、2010年度診療報酬改定で外来管理加算の「5分ルール」に代わり、患者が受診しないで投薬だけの場合は算定できないことを新たな要件とするよう提案した。次期改定では、医科外来のプラス財源が400億円に限られているが、未受診投薬を算定不可とすることで「現状とほぼ同様の算定回数で推移すると思う」と述べた。再診料については、病院(60点)を診療所(71点)に引き上げて統一するようあらためて主張した。
●厚労大臣、10年度改定を諮問
長妻昭厚生労働相は同日の中医協総会で、10年度改定を諮問した。諮問書では①改定率決定の際に財務大臣との間で合意した文書②社会保障審議会の医療保険部会と医療部会が策定した「改定の基本方針」③厚労政務三役が昨年12月9日に発表した見解「10年度診療報酬改定について」─に基づいて答申するよう求めた。
これを受け総会では、前回、厚生労働省が提示した「議論の整理案」を修正した「現時点の骨子」を了承。厚労省は同日「現時点の骨子」についてパブリックコメントの募集を開始する。
■再診料の引き下げに孤軍反発、中医協で安達委員
診療報酬改定年の2010年を迎え、初めての開催となった1月13日の中医協総会。年末年始の小休止の間に決定した10年度改定の改定率で、厚生労働、財務両省の合意文書に入院・外来別の改定率が盛り込まれたほか、厚労省の足立信也政務官が診療所の再診料の引き下げに言及するなど、「配分の見直し」に向けた流れが強まる中、安達秀樹委員(京都府医師会副会長)は「病院の点数(60点)を診療所(71点)に合わせて引き上げるなら診療側は異論がないが、そうでないならば異論がある」と反論した。ただ、ほかの委員からは、医科外来のプラス財源が400億円にとどまったことや、再診料見直しに関しての意見は出なかった。
■2次救急以上の入院「10%アップ」、次期改定で厚労・財務が合意
2010年度診療報酬改定の改定率に関して、昨年末の厚生労働大臣と財務大臣の合意文書に明記された「急性期入院医療におおむね4000億円を配分する」との方針について、財務省主計局厚生労働第三係の大沢元一主査は1月15日、4000億円は2次救急以上の病院の入院医療費を10%アップするための財源とすることについて厚生労働省との間で合意していると説明した。
大沢主査によると、昨年末の改定率の折衝で、厚労政務三役は当初、2次救急以上の入院医療に5300億円を配分すると要求してきた。5300億円の積算根拠について、厚労政務三役は2次救急以上の入院医療費を10%アップするためとしていたという。
これに対し財務省側は、すべての2次救急以上の病院ではなく、本当に手当てが必要な病院に絞って入院医療費を10%引き上げることにすれば4000億円で足りると主張。最終的に2次救急以上の病院の入院医療に4000億円を配分することで決着した。大沢主査は「必ずしも全部の病院が、救急車を頻繁に受けているわけではない。2次救急でも、医師不足が深刻でない診療科もあると思う」と述べた。
■「地域特性」はモデル事業で検討も、中医協
中医協は1月15日の総会で、前回の総会で提示された地域特性への配慮として看護職員の届け出要件の緩和措置を導入する案について議論した。診療側委員は2010年度改定からの導入を求めたが、支払い側委員からは慎重な意見が相次いだ。伊藤文郎委員(愛知県津島市長)は「モデル事業として3地域ほどで実施することはできないか」と提案し、議論を続けることとした。
■看護職員数の緩和措置に「地域性」、厚労省、中医協で提案
厚生労働省は1月13日の中医協総会で、看護職員の確保が困難な2次医療圏にある病院を対象に、看護職員の届け出要件の緩和措置を導入する案を提示した。委員から「地域特性に応じた評価をすべき」との意見が上がっていたことを受けて試案を示した。試案を評価する声が上がった一方で、「地域医療を考慮したことにならない」と導入に慎重な意見が相次ぎ、継続して議論することとした。
■診療所の再診料下げは「国民目線」、東京大の上特任准教授
民主党の医療政策のブレーンを務める東京大の上昌広特任准教授は1月13日、2010年度診療報酬改定に向けた議論について「国民の支持を受けている民主党と日本医師会が対立している。診療所の再診料が病院より高いのは国民的感情では許せない。(日医は)速やかに返上した方が国民目線でよい」と述べ、再診料の引き下げを支持した。
●参院選への対応、改定率に影響
厚生労働省の足立信也政務官が本紙の取材に、10年度改定で診療所の再診料引き下げの考えを示唆したことについて、上氏は「再診料が減らされるとすれば、民主党の小沢一郎幹事長と日医との関係に原因がある。(医科・歯科の改定率でも)日医は日本歯科医師会より冷遇された」と述べ、7月の参院選への対応が改定率にも影響していると指摘した。
10年度予算案をめぐっては、民主党の小沢幹事長の「要望」を受け、土地改良事業費が大幅に削られた。上氏は、全国土地改良事業団体連合会が自民党の有力な支持団体であることが影響しているとした上で「(医科外来の改定率が)土地改良事業ほど減らされなかったのは、原中勝征・茨城県医師会長が昨年の衆院選で民主党の選挙応援をしたからだ」と述べた。
●再診料より産科や救急
その上で、再診料や外来管理加算の問題について「日医の現執行部がどう判断するかだけ。国民にとっては、はっきり言って関心がない」と述べ、産科や小児、救急などの不採算医療を改善する方策こそ問われているとした。
「再診料や外来管理加算を上げたり下げたりするのは、お手盛りで何の根拠もない。診療行為そのものについて必要な単価を上げるべき」とも指摘。中医協で再診料が議論の焦点となっていることについて「医療の価格を決めると委員の皆さんが思っているのなら、再診料ではなく、お産や救急の難民を出さないためのプライシングを優先して決めるべき」と述べ、「国民目線とかけ離れた利害調整の議論だけでは、中医協解体論も出てきかねない」と指摘した。
●政権との距離、議論を
日医に対しては「政治との距離を近く取る圧力団体を今後も続けるのか、是々非々で対応する公益団体になるのか、日医内で議論すべきではないか。圧力団体として生きるのなら、現政権との距離を詰めるべきだ」と述べた。
■同時改定へ新会議を創設、長妻厚労相「一体的に議論」
長妻昭厚生労働相は1月12日、厚生労働政務三役会議後の会見で、2012年度の診療報酬と介護報酬の同時改定に向けて、一体的に議論する会議体を新たに創設する考えを示した。12年度は6年に1回となる医療と介護の同時改定の年。医療崩壊や介護職の疲弊が叫ばれる中で、民主党を中心とする政権が、社会保障制度をどう再構築していくか問われる年となる。長妻厚労相は「診療報酬改定と介護報酬改定が同時にあり、一体とした取り組みが実効性ある形でできる時期が迫っている。医療と介護の話を合わせて1つの会議体で(議論)できないか、担当部局と共に検討している」と述べた。
新たな会議体での検討内容について長妻厚労相は「基本的には(提供体制も)含めた形で、介護との連動性についても議論ができないかということを考えている」と述べ、診療・介護報酬のほか、医療・介護の提供体制も一緒に議論していくとした。
設置の時期については「当然、春前に立ち上げる」と述べ、今年度中に設置する考えを示した。
■医療・介護分野で規制改革を、行政刷新会議に分科会を設置
行政刷新会議(議長=鳩山由紀夫首相)は1月12日、2010年3月に設置期限が切れる規制改革会議の後継として、同会議の下に規制・制度改革に関する分科会を設置することを決めた。分科会では、医療・介護分野などを重点分野として規制・制度改革に取り組み、6月をめどに対処方針を取りまとめる。
分科会では、新たな需要の創出に向けて、09年12月30日に閣議決定した「新成長戦略(基本方針)」を踏まえて、医療・介護分野のほか、保育・職業能力開発など雇用・人材分野や環境・エネルギー分野、農業分野を重点分野として取り上げる。
■公費負担の拡大は不可欠、高齢者医療改革会議
厚生労働省の高齢者医療制度改革会議(座長=岩村正彦・東京大大学院教授)は1月12日、現行の高齢者医療制度に代わる新たな制度の設計に向けて総括的な議論を展開した。委員からは、制度の見直しに伴う公費負担の拡大は不可欠との意見が相次いだ。
神田真秋委員(全国知事会社会文教常任委員会委員長・愛知県知事)は現行の市町村国保も自治体の一般財源に依存している部分が大きいと指摘し、「広域化をしても国保が抱える基本的な構造が変わらないと問題は解決しない。国が十分に下支えする覚悟がなければ受け皿にはなれない」と強調。三上裕司委員(日本医師会常任理事)も「各保険者とも公費を増やしてほしいというのは共通理念。そうでなければ財政調整をしても不満が残る」と公費負担拡大の必要性を訴えた。
同会議は2月から、新制度構築に向けた具体的な議論に入る。
■保険料率抑制など9法案を提出へ、厚労省、通常国会に
厚生労働省は、協会けんぽの保険料率の上げ幅を抑制する「医療保険制度の安定的な運営を図るための国民健康保険法等改正法案(仮称)」など、新たに9本の法案を、1月18日に召集される通常国会に提出する。これら新たに提出する法案と、昨年の臨時国会から継続審議になっている「独立行政法人地域医療機能推進機構法案」を加えた10法案が今国会で審議される予定だ。厚労省の政務三役が14日、厚労省政策会議で与党議員に説明した。
協会けんぽの保険料率上昇を抑制する法案では、国庫補助割合を現行13%から16.4%に引き上げることを明記。後期高齢者医療制度に繰り入れる支援金は、保険者の財政能力に応じた負担となる「総報酬割」を導入することを盛り込んだ。
また、予防接種法の改正法案も提出する。昨年から流行している新型インフルエンザの病原性が季節性と同程度だったことを受け、ワクチン接種の努力義務を課す必要性が認められない感染症に対しても、新たな臨時接種の枠組みを設ける。
介護保険法の施行以前に特養に入所した高齢者に対して講じている施設利用料などの負担軽減措置が2010年3月に終了することから、現行の軽減措置を「当分の間延長する」ため、介護保険法施行法を改正する。
このほか、子ども手当を支給するための法案や、父子家庭を児童扶養手当の支給対象に加える法案などを提出する。
■周産期施設整備の補助金活用を、部局長会議で厚労省医政局
厚生労働省は1月14日、全国厚生労働関係部局長会議を開き、2010年度予算案の詳細などについて説明した。同省医政局は新生児集中治療室(NICU)と継続保育室(GCU)の運営費補助の活用を促したほか、今月中に周産期医療体制整備計画の指針について通知を発出するとし、速やかな計画策定を求めた。
予算案では総合(地域)周産期母子医療センター運営事業として57億円を確保し、NICUとGCUへの補助を設けた。さらに新生児担当医の手当に1億円を計上。小児救急の拠点となる小児救命救急センター(仮称)の運営に3億円を予算化した。予算案を説明した厚労省医政局総務課の岩渕豊総務課長は「これまでの執行状況を勘案し、周産期医療の整備、医師確保などに影響がないように対応した」と説明した。
受け入れ態勢や国家試験への対応が課題となっている外国人看護師候補者への支援を行うことも盛り込んだ。看護専門分野を中心とした日本語習得の支援のために1億2000万円を計上し、パソコンなどで学習できる「eラーニング」の導入などを行うとした。また、候補者の日本語学校への就学などを支援するため2億5000万円を計上した。
●地域医療再生計画、今月下旬にも交付決定
厚労省医政局指導課の新村和哉指導課長は会場からの質問に答え、地域医療再生基金の交付を今月下旬にも正式決定する方針を示した。新村課長は「計画について、有識者会議のメンバーに目を通してもらっている最中」と説明。今月下旬に有識者会議を開いて技術的な助言を取りまとめ、助言とともに交付決定を通知するとした。地域医療再生計画については、昨年12月18日付で各都道府県2地域ずつ94地域への交付が内示されている。
また、新村課長は小児救命救急センター(仮称)の指定基準などについて「具体的には決まっていない。専門家と話し合い、固まり次第、出したい」と説明した。
■日本脳炎ワクチン、積極的勧奨を再開、厚科審小委
厚生労働省の厚生科学審議会・感染症分科会予防接種部会「日本脳炎に関する小委員会」(委員長=加藤達夫・国立成育医療センター総長)は1月15日、初めての委員会を開き、2005年5月30日の厚労省健康局結核感染症課長通知で、積極的な勧奨を差し控えていた日本脳炎ワクチンの予防接種について、勧奨を再開することで意見が一致した。来年度から1期目の積極的勧奨を再開する。
■新型フル予防接種の位置付け議論、厚科審・予防接種部会
厚生労働省の厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会(部会長=加藤達夫・国立成育医療センター総長)は1月15日、新型インフルエンザの予防接種法での位置付けなどを議論した。厚労省は、予防接種法の下で新型インフルエンザの予防接種も対応できるよう、18日から始まる通常国会への予防接種法改正の提出を目指している。
■「親族優先」でGL改正、改正臓器移植法、17日に施行
厚生労働省は14日、改正臓器移植法で新たに規定された親族優先提供に関して、17日からの施行に合わせ、「臓器の移植に関する法律施行規則」の一部改正を公布するとともにガイドライン(GL)の一部改正を発表した。
改正GLでは親族優先提供について▽親族の範囲を配偶者と子、父母とする▽親族優先の意思表示は臓器提供意思と併せて書面で表示する▽親族を個人名で指定した場合は、親族全体への優先提供として取り扱う-とした。
また臓器移植委員会や臓器ごとに設置された作業班などで懸念が示されていた自殺体からの親族優先提供については、レシピエント登録をした親族がいる人が自殺した場合は、親族優先提供の意思表示があっても親族を優先しないことを留意事項に盛り込んだ。
留意事項にはほかに、医学的条件によっては親族優先提供を行わないことや、臓器の提供先を限定し第三者への臓器提供を拒否する意思が明らかな場合は脳死判定と臓器摘出を行わないことも明記した。
改正GLは17日に施行される。
■大学病院の「小児入管」算定は反対、日医
日本医師会の中川俊男常任理事は13日の定例会見で、厚生労働省が次期診療報酬改定に向けて同日の中医協総会に提出した「議論の整理案」に対する日医の見解を発表した。特定機能病院が小児入院医療管理料を算定できるようにすることは、反対との立場を強調。一般病棟入院基本料で15対1入院基本料の適正化を検討するとしたことについても「適正化が引き下げを意味しているのであれば反対」と主張した。
入院基本料に対する看護職員の月平均夜勤72時間以内の要件についても言及。要件を満たせない場合の評価の新設ではなく、要件そのものの緩和をあらためて求めた。
再診料については、病院を引き上げ、診療所と統一していく方向に賛成する見解を示しながら、診療所の再診料引き下げで統一することは認められないと強調。今回の改定では、病院の再診料引き上げ幅をある程度大きくして診療所の再診料に近づけ、さらに次回以降に高い水準で統一することを提案した。
外来管理加算については、「5分要件」の撤廃と同時に加算そのものも廃止しようとする方向に反対する意向を示した。
■0.19%プラス改定は「大きく不満」、自民・厚労部会
自民党の厚生労働部会(加藤勝信部会長)は1月13日、昨年末に閣議決定した2010年度予算案について厚生労働省から説明を受けた。10年ぶりのプラス改定になった診療報酬について、田村憲久政調副会長は「プラスにはなったが、われわれが考えていた改定率より低い。大きく不満はある」と述べ、総額で0.19%の引き上げでは不十分との認識を示した。
■障害者制度改革の議論始まる、内閣府の推進会議
内閣府の障がい者制度改革推進会議(議長=小川榮一・日本障害フォーラム代表)は 1月12日、初会合を開き、会議の運営や今後の議論の進め方を確認した。同会議は夏ごろをめどに障害者制度改革の方向性を取りまとめ、内閣府に設置された障がい者制度改革推進本部(本部長=鳩山由紀夫首相)に報告。閣議決定を経て、各省庁の施策の見直しの方向を示す。
政府は当面5年間を障害者制度改革の集中期間と位置付け、障がい者制度改革推進本部で▽改革推進に関する総合調整▽改革推進の基本的な方針案の作成および推進▽「障害」の表記の在り方に関する検討-などを行うとしている。今回の会議は同本部の下で、改革の具体的検討を進めていくために設置された。会議は月2回開催し、必要に応じて施策分野別に部会を設置する。
会議の冒頭、福島瑞穂内閣府特命担当相はあいさつで「差別禁止法の制定も視野に入れ、障害福祉サービス、教育、雇用などさまざまな分野にわたって議論いただきたい」と述べた。その上で、会議が取りまとめる障害者制度改革の方向性の中に▽障害者権利条約の締結に向けた障害者基本法の抜本改正▽障害者総合福祉法(仮称)の制定▽障害者差別禁止法制度の在り方─について盛り込むよう求めた。
■港区医の“地域政党”3月6日に発会式、
東京都の港区医師会(赤枝恒雄会長)は1月12日、既存政党に左右されない政治活動の確立を目指し、新たな政治団体「医療ネットワークみなと」を立ち上げたと発表した。来年4月に行われる港区議会選挙に独自の公認候補を擁立。その実績も踏まえ、東京都議会や国会への進出も視野に入れ「政党」としての活動を目指す。
医療ネットワークみなとは、港区医の政治団体だった東京都港区医師連盟を名称変更して発足した。同日、会見した赤枝会長によると、港区医連は昨年12月2日の臨時総会で名称変更を決定。東京都選挙管理委員会に届け出も済ませた。3月6日には発会式を予定しており、今後の活動に向けて広く存在をアピールする。
◎調査・データ編
■医療療養「現状を維持」が8割、厚労省の転換意向調査
厚生労働省は1月15日、療養病床を持つ医療機関に、ほかの施設への転換意向を聞いた「療養病床転換関係調査」の暫定集計結果を公表した。医療療養病床を持つ医療機関の8割以上が「現状維持」とした一方、介護療養病床を持つ医療機関の半数近くが「検討中」としていた。
●介護療養「検討中」が半数
調査は、日本慢性期医療協会(日慢協、武久洋三会長)が2009年度の厚生労働省老人保健健康増進等事業として実施。日慢協の会員施設829施設を対象に09年10月に調査を実施し、292施設(回収率35.2%)から回答を得た。
医療療養病床を持つ医療機関に転換の意向を聞いたところ「現状維持」が84.9%で最も多く、次いで「分からない、または検討中」が15.1%、「一般病床」3.6%、「その他の施設」1.4%、「介護療養型老人保健施設」0.9%などだった。
介護療養病床を持つ医療機関では「分からない、または検討中」が48.8%で最も大きい割合を占めた。次いで「医療療養病床」44.2%、「介護療養型老人保健施設」20.3%、「その他の施設」4.1%などだった。「病棟閉鎖」と答えた医療機関も、医療療養病床、介護療養病床それぞれ1施設ずつあった。
厚労省は今後、患者の状態像や提供している医療などについて、より詳細で正確な実態把握を実施する予定としている。
●「病院をやめること」への抵抗感も
厚労省は同日「療養病床から転換した老人保健施設等の実態調査」の結果も公表した。転換の際に懸念した事項を聞いたところ「病院をやめることへの抵抗感」が40.0%で最も多く、次いで「建物改修の必要」28.0%、「転換後の老健施設の経営のめどがたたない」20.0%などだった。
また、転換対象病床に入院していた患者の72.4%が、転換後の老人保健施設にそのまま入所していた。
転換を予定している医療機関に転換の懸念事項を聞いたところ「転換後の老健施設の経営のめどがたたない」が27.7%で最も多く、そのほかに「病院をやめることへの抵抗感」23.4%、「地域で療養病床が必要とされていたため、転換が困難」21.3%などだった。
調査は、医療経済研究・社会保険福祉協会医療経済研究機構が09年度の厚労省補助金事業として実施。療養病床から老健へ転換済みの68施設に調査を実施し、25施設から回答(回収率37%)を得た。また、療養病床から老健への転換を予定している90施設に調査を実施し、47施設(52%)から回答を得た。
◎介護編
■要介護認定、軽度化是正で「混乱終息」、厚労省検討会が結論
厚生労働省は1月15日の「要介護認定の見直しに係る検証・検討会」に、判定基準を改訂した昨年10月以降、申請者の要介護度分布が2006~08年とほぼ同様に戻ったとの分析結果を報告した。同検討会は、要介護認定の基準改訂で起きた昨年4月以降の混乱はほぼ落ち着いたと結論づけた。
全国の自治体から厚労省に報告のあった申請者の情報について集計を行った。報告市町村数は1396市町村、集計対象となった申請者数は17万1168件だった。
集計結果によると、09年10~11月に判定を行った要介護認定申請者のうち、2次判定結果が「非該当」となった人は1.1%で、09年4~5月(経過措置適用前)から1.2ポイント減少した。ただ、08年10~11月と比較すると0.3ポイント増加していた。「要支援1」の判定を受けた人は16.1%で、09年4~5月から1.6ポイント減少したが、08年10~11月と比較すると1.6ポイント増えていた。要介護3~5のいずれかの判定を受けた申請者は全体の32.1%を占め、09年4~5月と比べて0.7ポイント増加、08年10~11月と比べて1.7ポイント減少していた。
一方、研修実施状況ごとに判定結果を集計したところ、認定調査員と審査会委員のそれぞれ8割以上が研修に参加している自治体では「非該当」が1.0%、「要支援1」が14.5%と、より08年の判定結果に近づく傾向が見られた。
これらの結果を踏まえ、厚労省は「研修をしっかりと行うほど、過去3年間と近い要介護度の分布になる」と説明。より充実した研修の実施を自治体に求めるとした。また、2次判定でより正確な判定が行えるよう、1次判定に反映されない介護の手間は、特記事項に記載するようあらためて周知するとした。
三上裕司委員(日本医師会常任理事)は「前回、要介護認定の見直しが突然決まったという経緯がある」と述べ、現場に混乱が生じたと指摘。今後、要介護認定の見直しを行う際には、公の場で検証を行うことを同検討会として提言するよう求め、了承された。
また、主治医意見書の記載が不十分な場合があるとの指摘が同検討会で上がったことに対し「医師会としても、事務局と相談しながら、主治医意見書の見本のようなものを作成したいと考えている」と述べた。
【週刊マスコミ論調】
■医療問題、医療政策
■社会情勢など
■医学、健康
■新型インフルエンザ、感染症など
■高齢者医療、福祉、年金、介護、少子化
■医療事故、医事紛争、副作用
■その他事件など
■京都周辺の動き(医療関係、ほか)
■主な連載 (医療全般)
医療ルネサンス シリーズ痛み 私の物語■環境全般
■核開発・原子力発電・エネルギー問題〈核問題〉
■地球温暖化問題
従属の同盟 安保半生記 核密約―新原昭治さん語る
- 【ウイークリーダイジェスト】
- 【週刊マスコミ論調】
- ■医療問題、医療政策
- ■社会情勢など
- ■医学、健康
- ■鳥インフルエンザ、感染症など
- ■高齢者医療・福祉・年金・介護・少子化
- ■医療事故、医事紛争、副作用
- ■その他事件など
- ■保団連・保険医協会関係
- ■京都周辺の動き(医療関係、ほか)
- ■新型インフルエンザ関連
- ■主な連載(医療全般)
- ■環境問題
tel: 075-311-8888 fax: 075-321-0056 e-mail: info@hokeni.jp









