週刊医療情報インデックス
2010年1月第2週 (2010.01.05~2010.01.11)
- 【ウイークリーダイジェスト】
- 【週刊マスコミ論調】
- ■医療問題、医療政策
- ■社会情勢など
- ■医学、健康
- ■鳥インフルエンザ、感染症など
- ■高齢者医療・福祉・年金・介護・少子化
- ■医療事故、医事紛争、副作用
- ■その他事件など
- ■保団連・保険医協会関係
- ■京都周辺の動き(医療関係、ほか)
- ■新型インフルエンザ関連
- ■主な連載(医療全般)
- ■環境問題
【ウイークリーダイジェスト】
■「外来管理加算」自体の廃止も検討、足立政務官
厚生労働省の足立信也政務官は仕事始めの1月4日、本紙の単独インタビューに応じ、中医協での審議が大詰めを迎える2010年度診療報酬改定について語った。民主党が昨年夏の衆院選で公約に掲げた外来管理加算の「5分ルール」の撤廃については、外来管理加算自体の廃止も含め検討する考えを示した。
外来管理加算の5分ルールの撤廃は、民主党が政策集「INDEX2009」で掲げた公約で、10年度改定での対応に注目が集まっている。日本医師会はこれまでに、5分ルールの導入によって全体で年間約800億円の収入減になったと試算しており、次期改定で単純に5分ルールを撤廃するだけなら、それだけ外来医療費が増加することになる。
足立政務官は「時間要件をなくして、全部に加算を付けるのはおかしな話だ。外来管理加算は考え直さないといけない。選択肢の1つは『要らない』ということ。あるいは(点数を)削減すること」と述べ、廃止も含めた検討が必要とした。
さらに「外来通院で何をやっているかの評価を高めれば、この部分(外来管理加算)の比重は小さくなる」と述べ、外来管理加算は廃止か点数を下げ、その分、個別の技術料の評価に重きを置くべきだとした。
●診療所の再診料は引き下げ
病院が60点、診療所が71点と点数に差のある再診料については、昨年12月の中医協で点数を統一することで合意している。足立政務官は「病院の点数を診療所に合わせる判断を中医協がすることはあり得ない」と述べ、現行の診療所の点数は引き下げることになるとの見通しを示した。具体的な点数付けについては、中医協の議論を見守りたいとした。
外来管理加算と同様に再診料についても「患者を診察しただけでなく、そこで何を行ったかの評価を高くする方が正しいのではないか」と述べ、個別の技術料の評価を重視すべきと強調した。
診療所の再診料を引き下げた場合、崩壊の危機が指摘されている小児科や産婦人科の診療所にも影響が及ぶことについて、足立政務官は「小児科であれば時間外と救急の対応。婦人科なら婦人科疾患やがんなどを手厚く加算すればよい」と述べ、再診料を引き下げて得た財源を、不採算の診療科に充てる「配分の見直し」を進める必要があるとした。
■健康関連で45兆円市場を創出、政府の新成長戦略
医療、介護など健康関連産業を育成し2020年までに新たに45兆円の市場を創出することなどを目標に掲げた政府の「新成長戦略」が12月30日にまとまった。健康分野では、医療サービスなどを充実させることで約280万人の新規雇用を創出する。質の高いサービスを高齢者に提供することで将来への不安を払拭し、貯蓄を旅行などほかの高齢者向けサービスに支出するよう促して他産業の需要も喚起する相乗効果を狙う。
具体的には、医師養成数を増加させ医療・介護従事者を確保する。また医療機関の機能分化と集約化を促進し、介護施設と居住系サービスの増加を加速させ医療・介護サービスの安定供給を図る。
新薬開発に加え、再生医療やITを駆使した遠隔医療システム、介護ロボットなど、健康関連産業の研究開発も促進させる。その上で、今後、高齢社会を迎えるアジアなどの海外市場で販路を拡大し外需を拡大させる。アジアの富裕層向けには、日本の医療機関での健診や治療などのサービスを国内観光と絡めて売り込んでいく。
成長戦略全体では、環境、健康、観光の3分野で、100兆円超の新たな需要を創造し、400万人以上の新規雇用を創出させるとしている。
■NCの長期債務、一部は継承させず、独法化で厚労省が方針
厚生労働省は、10年4月に独立行政法人化する6つの国立高度専門医療センター(ナショナルセンター、NC)が抱える長期債務について、一部は新法人に継承させず、返済を国が負担する方針を固めた。厚労省は、2009年度の負債額が固まる3月末以降に、継承させる具体的な額の検討を始める。
■中医協の地方公聴会、22日に福島で、改定議論は来週再開
中医協は1月22日、次期診療報酬改定に国民の意見を反映させるため、前回の2008年度改定時と同様、地方公聴会を開く。今回の会場は福島市。次期改定に向けた議論は来週中に再開し、公聴会開催前には厚生労働大臣からの諮問を行う見通しだ。厚労大臣への改定案の答申は2月中旬となる見込みで、再診料の具体的な点数付けなどが焦点となる。
■5分ルールの「無条件」撤廃を、保団連が要望
保団連(住江憲勇会長)は1月7日、外来管理加算の時間要件の無条件撤廃などを求める要望書を長妻昭厚労相らに提出した。外来管理加算の時間要件と診療録記載要件について「開業医と中小病院の医師の負担を増大させるとともに、待ち時間や診療時間の不必要な増大を生み出すなど患者にも影響を与え、経営にも大打撃になっている」と指摘。「マニフェストの趣旨に沿って、外来管理加算への時間要件や診療録への記載などを無条件で撤廃し、(2008年度)改定前に戻してほしい」と求めた。
■次期改定、再診料統一に反対、日医が見解
日本医師会は1月6日の定例会見で、病院と診療所で点数格差のある再診料について2010年度診療報酬改定では統一すべきでないとする見解を発表した。医科外来に充てられるプラス改定財源が約400億円とわずかであることを踏まえ、次期改定では「病院の引き上げ幅をある程度多くして診療所の水準に近づけ、次回(12年度改定)以降、再診料の在り方について十分な議論を行った上で、より高い水準での統一を図るべき」と、段階的な統一化を提案した。
■政務官発言は「中医協への政治圧力」、日医・中川常任理事
インタビューで足立信也厚生労働政務官が、外来管理加算の廃止や診療所の再診料引き下げに言及したことについて、日本医師会の中川俊男常任理事は1月6日の定例会見で「中医協の議論に政治的な圧力を掛け、中医協を軽視した由々しき問題」と述べ、強く反発した。
■救急相談窓口設置に3億円、消防庁の10年度予算案
消防庁の2010年度予算案は前年度比3億2700万円(2.5%)減の128億7300万円となった。このうち救急相談窓口の全国展開のために3億1600万円を計上した。相談を受け付ける「救急安心センター」を設置し、全国3カ所程度で事業を実施する。実施地域での調査や家庭で使える救急相談マニュアルやパンフレットの作成も行う。
■周産期へ重点配分、「仕分け」の影響も、医政局予算案
厚生労働省医政局の2010年度予算案は周産期母子医療センターなどの充実・強化の予算が大幅に増額され、喫緊の課題とされている救急・周産期分野へ重点的に配分された。一方、行政刷新会議の「事業仕分け」で「半額計上」と判定された「医師確保、救急・周産期対策の補助金」が当初の概算要求額574億円の半額に近い308億円になるなど、政権交代の影響が見られる予算案となった。
■施設内の保育所設置に助成、老健局予算案、人材定着が柱
厚生労働省の2010年度予算案のうち老人保健福祉関係は、09年度から988億円増の2兆1966億円となった。うち老健局計上分は、前年度比675億円増の1兆7785億円を占めた。介護従事者の処遇改善に重点を置いた09年度第1次補正予算の流れを受けて、介護分野での人材定着などを進める事業を新規に盛り込んだ。
介護基盤の整備促進では「地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金」に263億円を計上した。介護療養病床を持つ医療機関が、介護老人保健施設などに転換する際の助成などを行う。介護基盤の整備に向け09年度第1次補正予算でも基金事業を計上していたことなどから、前年度から124億円の減少となった。
介護給付費分としては2兆800億円程度を計上した。高齢者の増加などによる自然増を見込んで前年度から約5%増とした。
このほか、新規に実施する「市町村地域包括ケア推進事業」には約5億5000万円を計上。地域包括支援センターなどを活用して、高齢者の生活を支えるサービスについての情報収集・発信機能の強化などを図る。
介護従事者の処遇を調査する「介護事業実態調査事業」には約2.2億円、「訪問看護支援事業」には約2.5億円を計上した。介護予防事業には約176億円を充てる。
■がん対策費約3割増、肝炎対策も増額、健康局予算案
厚生労働省健康局の2010年度予算案は、09年度当初比1.9%減の総額2953億5100万円となった。がん対策に09年度当初予算から33.3%増の316億円、肝炎対策には15.1%増の236億円を計上する一方、新型インフルエンザや生活習慣病対策は2割程度の減額となった。
がん対策では、がん医療に携わる医療従事者の研修事業(2億円)、女性特有のがん検診推進事業(76億円)、がん医療の地域連携強化事業費(2.8億円)などを新設。がん専門医臨床研修モデル事業、がん検診受診率向上企業連携推進事業は増額する。
肝炎対策費236億円のうち、肝炎治療促進のための環境整備として180億円を計上した。これまでインターフェロン治療のみだった医療費助成の対象に、核酸アナログ製剤治療を追加し、自己負担を原則1万円(世帯当たりの市町村民税の年額が23万5000円以上の人は2万円)に引き下げる。また過去のインターフェロン治療で医療費助成を受けた人でも、医学的条件に合致すれば、2回目の医療費助成制度の利用を認める。
新型インフルエンザ対策費は19.4%減の116億円。新型インフルエンザ患者を一般医療機関でも受け入れられるよう、新型インフルエンザ患者入院医療機関施設・設備整備事業、感染症外来協力医療機関設備整備事業の費用を計上した。新型インフルエンザ患者を受け入れる医療機関で必要となる人工呼吸器や空気清浄機などの設備費用への補助は継続する。
また、生活習慣病対策費が25.4%減の44億円となったほか、移植対策費はあっせん業務従事者を増員するとして人件費を増額し、7.7%増の28億円を計上した。
■空床確保料を2年連続で引き上げ、障害保健福祉部予算案
厚生労働省障害保健福祉部の2010年度予算案は、09年度当初比12.7%増の1兆1202億円となった。うち精神医療関係は4.7%増の47億円を計上し、精神科救急医療体制の充実・強化として空床確保料を2年連続で引き上げた。
「精神科救急医療体制の充実・強化」には23億円を計上。救急搬送で身体合併症患者を受け入れる身体合併症対応施設(47カ所)へ医師を配置し救急搬送受け入れ体制を強化する。空きベッド確保を推進するため、現在1万200円の空床確保料を1万2400円に引き上げる。
◎調査・データ編
■医師国保の国庫補助率は27%、厚労省が初公表
厚生労働省は1月6日、2007年度の国保組合に対する国庫補助割合などについて公表した。全国の医師国保の保険給付費は607億円で、うち国庫補助割合は27.2%(165億円)だった。入院医療費を無料にしている医師国保は2組合あった。厚労省保険局国民健康保険課は「国庫補助を受けながら、入院医療費を無料にしているのは国民の疑念を招きかねない。改善するよう指導していきたい」としている。厚労省が国保の国庫補助割合などを公表するのは初めて。
被保険者が医療機関の窓口で一部負担金を支払った後、保険者が全部または一部の払い戻しをする償還払いを行っていたのは、本人に対してが13組合、家族に対してが11組合あった。千葉県医師国保は、本人・家族共に入院・入院外の自己負担を「なし」としていた。
組合別に見ると、国庫補助割合が最も高いのは長崎県医師国保で31.1%、次いで高知県医師国保が29.8%、徳島、神奈川両県の医師国保が29.7%となっている。
歯科医師国保の保険給付費は459億円で、国庫補助は136億円(29.7%)。国保全体では保険給付費7055億円に対し、国庫補助2859億円(40.5%)だった。
■09年の出生数、再び減少、人口動態統計推計値
厚生労働省が1月1日に発表した「2009年人口動態統計の年間推計」によると、2009年に国内で生まれた日本人の出生数は106万9000人となる見通しで、2年ぶりに増加した前年の109万1156人を2万2000人下回り、再び減少に転じることが分かった。一方、死亡数は114万4000人で、戦後最多となった前年を2000人上回る見通しとなった。
09年人口動態統計の年間推計は、同年1~10月の「人口動態統計速報」と同年1~7月の「人口動態統計月報(概数)」を基礎資料として推計した。
死亡数を死因別に見ると、がんが34万4000人と最も多く、次いで心疾患が17万9000人、脳血管疾患が12万1000人と続いた。死因の上位3位は昨年から変わらない。
出生数と死亡数の差である自然増減数は7万5000人減で、前年の5万1251人減よりさらに約2万4000人減少する。
婚姻数は前年から1万2000組減少し、71万4000組となる見通し。離婚数は前年を2000組上回る25万3000組となる。離婚数は6年連続で減少していたが増加に転じる。
09年の出生率(人口1000人当たり)は8.5、死亡率(同)は前年と同率の9.1と推計している。
■全国の病院、耐震化率56%、厚労省調査
厚生労働省は1月5日、全国の病院を対象とした耐震改修状況調査の結果を発表した。病院の耐震化率は2008年の前回調査に比べて5.4ポイント上昇し、56.2%となった。災害拠点病院と救命救急センターの耐震化率は62.4%。このうち、震度6強程度の地震で倒壊する危険性が高いとされるIs値0.3未満の建物がある病院は全体で164施設(1.9%)に上った。
【週刊マスコミ論調】
■医療問題、医療政策
■社会情勢など
■医学、健康
■新型インフルエンザ、感染症など
■高齢者医療、福祉、年金、介護、少子化
■医療事故、医事紛争、副作用
■その他事件など
■京都周辺の動き(医療関係、ほか)
■主な連載 (医療全般)
医療ルネサンス シリーズ痛み 私の物語■環境全般
〈核問題〉
オバマの核なき世界 毎日
- 【ウイークリーダイジェスト】
- 【週刊マスコミ論調】
- ■医療問題、医療政策
- ■社会情勢など
- ■医学、健康
- ■鳥インフルエンザ、感染症など
- ■高齢者医療・福祉・年金・介護・少子化
- ■医療事故、医事紛争、副作用
- ■その他事件など
- ■保団連・保険医協会関係
- ■京都周辺の動き(医療関係、ほか)
- ■新型インフルエンザ関連
- ■主な連載(医療全般)
- ■環境問題
tel: 075-311-8888 fax: 075-321-0056 e-mail: info@hokeni.jp









