週刊医療情報インデックス
2010年1月第1週 (2009.12.22~2010.01.04)
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- ■その他事件など
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- ■京都周辺の動き(医療関係、ほか)
- ■新型インフルエンザ関連
- ■主な連載(医療全般)
- ■環境問題
【ウイークリーダイジェスト】
■ネット0.19%増、10年ぶりプラス改定、本体改定率は1.55%増
2010年度診療報酬改定の改定率をめぐる長妻昭厚生労働相と藤井裕久財務相の最終の大臣折衝が12月23日、財務大臣室で行われ、ネットで0.19%のプラス改定とすることで合意した。ネットでプラス改定は10年ぶり。薬価・材料価格のマイナス1.36%で捻出した財源と合わせ、本体改定率はプラス1.55%となった。医科については入院と外来に分けた改定率も決定。入院はプラス3.03%、外来はプラス0.31%となった。
●入院はプラス3.03%、外来はプラス0.31%
長妻厚労相は折衝終了後の会見で「医療崩壊の現場や患者からの切実な声が直接、届いたことで、(財務省側も)理解していただけたのではないか」と述べ、医療再建を求める声が10年ぶりのネットでのプラス改定につながったとした。
10年度の医療費を36.5兆円とすると、本体部分のプラス財源は約5700億円。薬価と材料価格の引き下げで得た約5000億円を回すほか、純粋なプラス改定財源として約700億円(国費は約160億円)を本体部分に充てる。
折衝では、医科は急性期入院医療に4000億円程度を配分することでまとまった。再診料や診療科間の配分の見直しを行い、救急・産科・小児科・外科の充実を図る方針も確認した。長妻厚労相は会見で「単純にすべてを平均してプラスにするわけではない」と述べ、救急や産科など医師不足が深刻な分野に手厚く配分するとした。
本体部分の内訳は、医科がプラス1.74%、歯科がプラス2.09%、調剤がプラス0.52%となった。
●平野官房長官が数字示し調整
この日は午前に、首相官邸で長妻厚労相と藤井財務相が平野博文官房長官を交えて会談した。両省間で妥協点が見いだせない中で、平野官房長官が具体的な数字を示して両省に妥協するよう提案。午後には財務大臣室で、長妻厚労相と藤井財務相が最終的な調整を図った。長妻厚労相は「官房長官から一定の調整というか、お話があった。その後、最終的にこの数字(ネットでプラス0.19%)で結論が出た」と述べた。
■10年度厚労省予算案、9.5%増の27兆5561億円、
政府は12月25日の臨時閣議で2010年度予算案を決定した。厚生労働省一般会計予算案の当初額は09年度当初予算比9.5%増の27兆5561億円。うち社会保障関係費は同9.8%増の27兆793億円で、医療には同4.8%増の9兆4594億円を計上した。10年ぶりにネットでプラスとなる診療報酬改定の財源には同4.6%増の9兆4043億円を盛り込んだ。一方で救急医療体制の充実や医師確保対策などの補助金は減額が目立った。
●2次救急充実で6.8億円計上
救急医療・周産期医療の充実に向けた新規事業として、新生児集中治療室(NICU)などに長期入院している小児の在宅移行促進策として1億1000万円、受け入れ困難な救急患者を確実に受け入れるための空床確保に対する支援や、診療所医師が2次救急機関で休日・夜間の診療支援をする場合の財政支援など2次救急体制の充実に6億8000万円、超急性期の小児救命救急を担う「小児救命救急センター(仮称)」の支援に、3億1000万円などを計上した。救急関連の計上額は443億円で09年度当初予算より4.9%減った。
●医師確保予算は100億円減
医師確保・医療人材確保対策等の推進の費用は370億円で21.4%(101億円)の減額となった。09年度に創設した休日・夜間の救急、分娩、新生児医療を担う勤務医への手当の支援や、臨床研修修了後の専門研修で産科などを選択した医師の処遇改善に取り組む医療機関への支援などは、09年度の152億円から80億円に減額されたほか、女性医師の離職防止・復職支援も55億円から25億円に削減された。
このほか新型インフルエンザ対策では116億円(09年度比19.4%減)、肝炎対策に236億円(同15.1%増)、難病・移植・生活習慣病対策として2228億円(同36.5%増)を盛り込んだ。
協会けんぽの財政悪化に対する国庫負担割合の引き上げに向け8283億円を計上し、補助率を10年7月から健保法本則の16.4%に引き上げる。また後期高齢者支援金の総報酬割導入に伴う健保組合などの支援として09年度の約2倍に当たる322億円を計上した。
●社会保障関係費の割合51%に
政府全体の予算案の歳出総額は過去最大の92兆2992億円(09年度比4.2%増)。このうち社会保障関係費は27兆2686億円(同9.8%増)で、一般歳出(53兆4542億円)に占める割合は51.0%(同3.0ポイント増)に達した。
■診療側「財政中立は認めない」、中医協で項目別の意見書
中医協(会長=遠藤久夫・学習院大教授)の診療側、支払い側双方の委員は12月22日の総会で、2010年度診療報酬改定に向け、個別項目の要望を盛り込んだ意見書を提出した。診療側は「安定的な医療提供を可能とする体系の再構築のため、財政中立、病院・診療所間での財政移譲等による診療報酬改定などは認められない」との考えの下で改定に臨むことを主張。一方、支払い側は産科・小児科・救急医療などの急性期を中心とした医療に重点配分を求めた。
●支払い側「5分ルール」の代替求める
再診料については、診療側が初診料も含めた「引き上げ」を求めた一方、支払い側は再診料の病診格差について「診療所を引き下げ、病院を引き上げる形で統一を図るべき」とした。また、外来管理加算の「5分ルール」に関しては、診療側が「撤廃」を求めたのに対し、支払い側は時間要件に代わる新たな要件を設定すべきだとした。
入院医療に関して診療側は、特定機能病院に対して入院料を1.5倍、DPC係数を1.9とすることや、夜勤看護職員の「72時間ルール」などの要件緩和を求めた。一方、支払い側は「入院基本料等加算や特定入院料でメリハリをつけた評価」を行い、急性期医療の充実強化を求めた。
療養病棟の評価については、診療側が「コストに見合った評価への是正」を求めたのに対し、支払い側は「医療経済実態調査結果等を踏まえた療養病棟入院基本料の必要な見直しを行う」とし、質の向上に向けた評価の必要性も指摘した。
このほか、後期高齢者診療料について診療側は「診療現場の実態とかけ離れている」として廃止を求めたが、支払い側は廃止の方針に理解を示しつつも「患者を総合的かつ計画的に医師が診るという考え方は、今後も検討していくべき」とした。
●コスト反映などを「基本方針」に
診療側は次期改定で実現を目指すべき「基本方針」として▽医療提供コストの適切な反映▽「もの」と「技術」の分離の促進と、無形の技術を含めた基本的な技術評価の重視▽出来高払いと包括払いの適切な組み合わせの検討▽医学・医療の進歩の速やかな反映▽真に勤務医の過重労働の軽減につながる対策の検討▽大病院と中小病院と診療所の機能の明確化と、地域の医療提供システムの運営の円滑化▽特定機能病院が「医療費(公費を含む)」で健全に自立できるような診療報酬の設定▽地域医療を担う中小病院・診療所への支援▽その他―の9項目を挙げた。
■事業税の非課税「10年度存続を決定」、税制改正大綱を閣議決定
医療機関の社会保険診療報酬にかかる事業税(地方税)の非課税措置が2010年度は存続されることが12月22日、政府が閣議決定した「2010年度税制改正大綱」に盛り込まれた。医療法人に対する軽減税率についても存続が決まった。ただ「来年1年間真摯に議論し結論を得る」との文言が盛り込まれ、来年の政府税制調査会で再び存廃が議論されることになった。
民主党中心の連立政権となって初めてとなる税制改正は、党税調を廃止し、政府税調に一本化して議論を行ってきた。自民党時代の税調は議論を非公開としてきたが、今年の政府税調はインターネットで中継して議論を公開した。
事業税の非課税措置は日本医師会が存続を求め、全国知事会が廃止を求めてきた。税調の議論では「医療関係で高い収入を得ているにもかかわらず非課税で大きな問題意識がある」との委員の発言もあった。一方「医師不足問題を抱える中で拙速な議論は大きな混乱をもたらす」との声もあり、結局、議論を来年の税調に持ち越した。
医療法人が行う社会保険以外の検診など自由診療に対する事業税の軽減措置も同様に来年に議論を先送りした。
周産期医療の連携体制を担う医療機関が分娩施設を建てるため不動産を取得した場合に、不動産価格の2分の1を不動産取得税(地方税)の課税対象から除く特例措置は、期限のない延長では分娩施設の整備は進まないとして、6年間延長する間に3段階に分けて課税標準の軽減率を徐々に引き下げることにした。
消費税は3党連立政権合意で4年間は税率引き上げは行わない方針を示している。大綱では、消費税の在り方について社会保障制度の抜本改革の検討などと合わせて議論していくとした。
出資者の死亡で相続税が発生した医療法人に対し、3年以内の持ち分放棄を前提に相続税などの納税を3年間猶予する特例措置は大綱に盛り込まれなかった。
■ネットでプラス0.21%要求も断念、社民と国民新
社民党と国民新党は12月25日、2010年度診療報酬改定のネットの改定率をプラス0.21%とするよう求めたが、臨時閣議の前に要求を取り下げた。
両党は24日の政府の基本政策閣僚委員会小委員会で、厚生労働相と財務相の間で合意した0.19%よりも、0.02ポイント高い0.21%を要求していた。国民新党の森田高参院国対委員長は25日、本紙の取材に対し「10年前の2000年度改定はネットでプラス0.2%だった。これを上回るプラス改定を獲得することで医療機関の気持ちに答えたい」と述べ、閣議前の3党の党首級会談で合意を取り付けたいとしていた。
社民党の阿部知子政策審議会長も「医科の改定率は本来なら、今回の改定率の倍の3%は必要だ」と述べ、医療機関の健全な運営には医科の1.74%の引き上げでは不十分との認識を示していた。
財務省主計局によると、仮に0.02ポイント引き上げた場合、新たに18億円の国費が必要となり、調整のため閣議決定が数日遅れる事態も想定されたという。26日には鳩山由紀夫首相がインド訪問を控えていることも考慮し、両党は党首級会談での要求を取りやめることにした。
■勤務医給与と「内容・性質異なる」、厚労省「収支差額」で見解
厚生労働省は12月21日、財務省が行政刷新会議の「事業仕分け」の際に提示した「病院勤務医と診療所医師(開業医)の給与の比較」のグラフに対する見解を発表した。「病院勤務医の数値が『給与』である一方、開業医(個人)の数値は『給与ではなく収支差額』である」と指摘し、両者は比較に適さないとの認識を示した。
財務省の資料では、今年6月実施の医療経済実態調査を基に、病院勤務医の給与と診療所の収支差額を比較。▽病院勤務医の年収1479万円(月123万円)▽開業医(個人)の収支差額2458万円(月205万円)-とし、開業医の給与は「病院勤務医の1.7倍」と指摘している。
厚労省の見解では「開業医(個人)の収支差額で賄っている費用としては、院長の報酬相当額のほかにもある」とし、▽診療所を建築するために借り入れた借金(元本)の返済▽診療所の老朽化に備えた建て替えや修繕のための準備金▽病気やけがにより休業した場合の所得補償のための費用(休業した場合に収入は激減)▽老後のための退職金相当の積み立て(サラリーマンのような退職金はない)-を挙げ、「勤務医の『給与』とは内容や性質が異なる」とした。
また、平均年齢についても触れ、2006年の医師・歯科医師・薬剤師調査の結果から、病院勤務医が43.4歳、開業医が59.4歳とした。
■大学病院の機能強化などに68億円、文科省・10年度予算案
文部科学省の2010年度予算案(一般会計)は前年度比3109億6000万円(5.9%)増の5兆5926億1200万円となった。このうち「医学教育を通じた医師等人材確保対策と大学病院の機能強化」では、前年度比13億8300万円増の68億4300万円を計上した。大学病院での医療クラークらの雇用を促し、医師・看護師の業務負担の軽減を図る。周産期医療に携わる専門的スタッフの養成を想定した人材養成や、産科医の負担軽減のための院内助産所の整備など、周産期医療の充実に重点を置いた配分も目立った。
「医学教育を通じた医師等人材確保対策と大学病院の機能強化」の内訳を見ると、国公私立の大学病院で医療クラーク870人を雇用する新規事業に21億7500万円を計上した。「医師不足解消のための大学病院を活用した専門医療人材養成」には25億8000万円を確保。優れた専門医や看護師らを養成する国公私立大学病院の取り組みを支援する。院内助産所の整備費には8800万円を計上し、新たに3大学に院内助産所を整備する。がん医療の専門家を育てる「がんプロフェッショナル養成プラン」には前年と同額の20億円を盛り込んだ。
■がんの超早期診断の技術開発に12億円、経産省予算案
経済産業省の2010年度予算案は、一般会計の総額で9921.6億円となり、09年度当初予算から241.7億円減少した。科学技術関係では「健康長寿分野の革新的技術開発の推進」を重点項目の1つに掲げ、新たにがんの超早期診断や治療のための診断・治療技術の開発などに取り組む。
■返還額は36.6億円、前年度比18.9億円減、08年度指導・監査状況
厚生労働省保険局は12月25日、保険医療機関などに対する指導・監査の2008年度実施状況を発表した。08年度に診療報酬・調剤報酬の返還を求めた額は前年度から18億円9000万円減少し、36億6000万円となった。
医療指導監査室は、08年度の返還額が減少した理由について、前年度に比べ、保険医療機関などの監査件数や指定取り消し件数が減少したためと説明した。特に監査件数については69件で、前年度105件から約3割減となった。08年度は社会保険庁の廃止に伴い、各都道府県の社会保険事務局の業務が厚労省の各地方厚生局に移管したことも影響しているとした。
返還金額の内訳は、指導分が25億2000万円、監査分が11億4000万円だった。例年と比べ、指導分はほぼ変わらないが、監査分は前年度を大きく下回った。監査分は、04年度は約33億7000万円、05年度は約27億9000万円、06年度は約27億6000万円、07年度は約31億9000万円と推移していた。
医科について監査の実施状況を見ると、保険医療機関など36件、保険医など107人。指導の実施状況は、個別指導は保険医療機関など1177件、保険医など1933人、新規指定個別指導は保険医療機関など2135件、保険医など2329人、集団的個別指導は4844件だった。
保険医療機関などの指定取り消しは33件で、前年度から19件減少した。内訳は医科14件、歯科17件、薬局2件となっている。前年度に引き続き、歯科の取り消しが多かった。保険医などの登録取り消しは41人で、前年度から20人の減少。内訳は医科13人、歯科26人、薬局2人だった。
不正内容は、架空請求や付け増し請求、振り替え請求、二重請求がほとんどを占める。正当な理由もなく監査を拒否するなど、悪質なケースも見られた。
取り消しにつながったきっかけは、保険者や医療機関従事者などのほか、医療費通知に基づく被保険者からの通報が22件で全体の3分の2を占めた。22件の通報の内訳は、保険者からが9件、医療機関従事者などからが8件、医療費通知に基づく被保険者からが5件となっている。
■予防接種法の改正へ議論開始、厚科審・予防接種部会
厚生労働省の厚生科学審議会・感染症分科会予防接種部会(部会長=加藤達夫・国立成育医療センター総長)は12月25日、初会合を開き、新型インフルエンザについて緊急の対応が必要との意見で一致した。今後は▽予防接種法の対象となる疾病やワクチンの在り方▽健康被害の救済▽接種費用の負担-などについて、予防接種法の改正も含めて議論していくことを確認した。
■次期薬価改革の骨子了承、加算率・長期品下げは調整へ
中医協は12月22日、薬価専門部会と総会を相次いで開き、次期薬価制度改革の骨子を了承した。来年度改定で試行的に導入する「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」については、厚生労働省が前回11日の薬価専門部会で示した内容とほぼ変わらない。ただ同加算の加算率や長期収載医薬品追加引き下げ幅などについては、厚生労働、財務両省の折衝が続いており、最終結論はまだ出ていない。折衝の結論次第では、次期薬価制度改革の骨子に一部修正が加えられる可能性もある。
■保険医療材料改革骨子を了承、中医協総会
中医協は12月22日の総会で、2010年度保険医療材料制度改革の骨子を大筋で了承した。既存の機能区分の見直しに関して、「安全性への配慮」を盛り込むなど修正を求める意見があり、最終稿は遠藤久夫会長に一任した。
■後発品促進の療担規則見直しに注文、中医協・診療側委員
中医協は12月22日の総会で、2010年度診療報酬改定で実施する後発医薬品の使用促進策の骨子を了承した。医師に対し、患者が後発品を選択しやすくするための努力義務を療養担当規則に盛り込み、後発品の採用品目の割合が20%以上の出来高の医療機関には入院基本料を加算する。
一方、鈴木邦彦委員(茨城県医師会理事)は出来高に限らず、包括支払いのDPC病院にも後発品使用のインセンティブを検討するべきだと主張。これに対し、厚生労働省保険局医療課の佐藤敏信課長は、DPC病院の新たな機能評価係数をめぐる議論で、後発品の使用を促す「後発品係数」が一時候補に上ったことを説明した上で、次期改定での導入は難しいとの認識を示した。
嘉山孝正委員(山形大医学部長)は「国民から見たら後発品を使うことによるインセンティブは納得がいかない」と述べ、医療機関の経営改善はあくまで診療行為自体に対する報酬を手当てするべきだとの考えを示した。
療担規則をめぐっては安達秀樹委員(京都府医師会副会長)や嘉山委員から、医師の裁量を奪いかねないなどと見直しに消極的な姿勢が示され、「(見直すのであれば)後発品使用の環境整備に努力することも入れてほしい」(安達氏)、「後発品の安全性を担保する文言も入れないと医療を萎縮させる」(嘉山氏)との注文が付いた。
最終的には遠藤会長に一任となったが、両氏の要望に沿った修正がされる見通しだ。
また、調剤薬局では薬剤師の判断により、処方せんに記載された先発医薬品と異なる剤形や規格の後発品の調剤もできるようになる。調剤薬局がこうした変更調剤を行った場合、処方せんを発行した医療機関に情報を提供しなければならない。
■抗がん剤の包括除外、長期的に議論、DPC分科会
中医協・DPC評価分科会(分科会長=西岡清・横浜市立みなと赤十字病院長)は12月24日、中医協・診療報酬基本問題小委員会で指摘されていた抗がん剤の包括除外について、長期的に議論する方向で近く基本問題小委に報告することで一致した。
■肝炎対策推進協議会令を閣議決定、
政府は12月22日、肝炎対策推進協議会令を閣議決定した。厚生労働大臣が協議会内に非常勤の専門委員を任命できるなど、協議会の組織運営に関する事項を定めている。肝炎対策基本法とともに1月1日から施行する。
肝炎対策推進協議会は、肝炎患者や患者家族・遺族、肝炎治療従事者、学識経験者らを含む20人以内で組織し、肝炎の予防や医療に対する基本指針を策定することとしている。厚生労働省健康局疾病対策課は「できるだけ早く協議会の人選や開催時期などを決定したい」(肝炎対策推進室)としている。
■原告団、訴訟継続の可否を検討、レセオンライン横浜訴訟
全国の医師・歯科医師ら計約1700人が国を相手取り、レセプトのオンライン請求義務の不存在確認と慰謝料の支払いを求めた訴訟の第3回口頭弁論が12月21日、横浜地裁(北澤章功裁判長)であった。厚生労働省が義務化を事実上撤回する省令改正を行ったことを受け、原告は今後も訴訟を継続するかどうか、内部で検討する意向を地裁に申し入れた。
原告は訴えでオンライン請求義務の不存在確認などを求めているが、厚労省は11月26日に施行した改正省令で、事実上、義務化を撤回。原告が今後も訴訟を維持するためには、請求の趣旨を変更することが求められる。訴えでは、オンライン請求による情報漏洩の危険性なども指摘しており、原告団は「オンライン請求の問題点を取り上げるには何らかの組み替えが必要」としている。
このため原告団は、22日に弁護団との会合を開き、訴訟を含めた義務化撤回運動を総括する。その上で、2月に行われる原告団総会で、訴訟を取り下げるかどうか、結論を出すことにしている。
■協会けんぽ国庫補助率16.4%に、被用者保険が来年度610億円拠出
財政が逼迫する協会けんぽに対する国庫負担の引き上げについて12月23日、厚生労働、財務両省の大臣折衝で、引き上げに必要な財源の半分に当たる910億円を健保組合など被用者保険に“肩代わり”してもらうことを決めた。2012年度までの特例措置。
国庫補助率を現行の13%から、健康保険法の本則で規定されている16.4%に引き上げた場合、1800億円の財源が必要。厚労省は10年7月以降、国庫補助率を16.4%に引き上げるが、必要額の半額程度を被用者保険に負担してもらう方針だ。10年度は610億円、11年度以降は910億円を被用者保険に負担を求める。厚労省によると、この措置によって10年度の協会けんぽの保険料率の引き上げ幅を約0.6%縮小できるとしている。
被用者保険が拠出する後期高齢者支援金について、算定方法を一部変更することで肩代わり分の財源を捻出する。
■呼吸器外しの医師、不起訴、富山地検「殺人認定は困難」
富山県の射水市民病院で人工呼吸器を外された末期患者7人が死亡した問題に絡み、殺人容疑で書類送検された元外科部長の伊藤雅之医師(54)について、富山地検は12月21日、呼吸器取り外しを殺人の実行行為と認定するのは困難などとして、嫌疑不十分で不起訴処分にした。
地検は「呼吸器の装着から除去までを一連の行為ととらえると、取り外しはあくまで延命措置の中止にすぎない」と判断した上で「取り外しが患者の死亡に結び付いたとは必ずしも言えず、殺意も認められなかった」と説明した。
問題発覚を契機に、厚生労働省は延命治療にかかわる指針を作ったが、最終的な判断は医療現場に任されている。今回の決定で、法制化を含め終末期医療の議論が今後深まりそうだ。
■NP導入で看護職に裁量権を、チーム医療検討会でヒアリング
厚生労働省は12月21日、「チーム医療の推進に関する検討会」を開き、医師やナースプラクティショナー(NP)らによる連携の在り方などについて議論した。NPが医療行為に一定の裁量権を持つことで、チーム医療が推進するとの意見が上がった一方、チーム医療では患者に対する責任の所在を明確にする体制が必要との意見もあった。
■チーム医療検討会「時間稼ぎでは」、特区推進本部部会
政府の構造改革特別区域推進本部評価・調査委員会の医療・福祉・労働部会は12月21日、看護師に専門性の高い一定の職務を認めるナースプラクティショナー(NP)の特区導入に向け、厚生労働省から「チーム医療の推進に関する検討会」の進捗状況について2回目の報告を受けた。NPに関する議論が進んでいない状況について、専門委員を務める順天堂大の田城孝雄准教授は「論点を散漫にして、ヒアリングを続け、時間稼ぎをしているかのごとく見えなくもない」と批判。「年度内に結論を出すと言っているが、本当にそのように進捗できるのか」と指摘した。
厚生労働省医政局医事課の杉野剛課長は「(年度内の結論は)大丈夫だと思っている。NPを前提とした看護師の役割拡大が大きなテーマになっていることは自覚している」と強調した。その上で「看護師の業務を拡大すれば問題が解決するとは思っていない」と述べ、看護師以外の医療従事者の業務範囲についても議論する必要性に言及。「決して時間稼ぎや焦点をぼかしているわけではない」とした。
同検討会が来年3月末にまとめる報告書について、佐藤部会長は「(職種によって)濃淡があると思う。医師と看護師の役割分担はきちんと議論をしてほしい」と要求した。
■米上院、医療保険改革法案を可決、オバマ氏、法案成立に意欲
米上院本会議(定数100)は12月24日、国民の保険加入率を94%に拡大する医療保険改革法案を60対39の賛成多数で可決した。オバマ大統領は、クリントン政権など歴代民主党政権が果たせなかった同法案成立を内政の最重要課題と位置付け、就任後最大の力を注いできた。可決は極めて大きな成果となった。
オバマ大統領は可決後、記者団に対し「本当に意味のある医療保険改革を実現する態勢がついに整った」と表明。年明けの法案成立に強い意欲を示した。
■「小幅増に医療現場は失望」、日医、改定率で見解
2010年度診療報酬改定の改定率が12月23日の閣僚間折衝で決定したことを受け、日本医師会は24日、ネットでの引き上げを評価する一方、「小幅な改定で医療現場は失望している」とする見解を発表した。中川俊男常任理事は同日の定例会見で「医療崩壊を阻止することは、民主党の(衆院選の)マニフェストの1丁目1番地だったはず。プラス改定に伴う国庫の財源は160億円に過ぎず、これが医療崩壊を防ごうという政権の対応だとすれば、残念だ」と述べた。
■歯科改定率、32年ぶり医科上回る、政治的配慮との指摘も
2010年度診療報酬改定で歯科の改定率が医科を上回ることが12月23日の大臣折衝で決まった。歯科の改定率が医科を上回るのは32年ぶり。厚生労働省は、医科と歯科の公平な配分のため見直したと説明するが、自民党議員からは、来夏の参院選で自民党候補の擁立を見送った日本歯科医師連盟に配慮した論功行賞ではないかとの声が上がっている。
大臣折衝で決まった改定率は、歯科がプラス2.09%、医科がプラス1.74%。日本歯科医師会によると、1978年2月の改定で歯科が医科を上回って以来、歯科と医科で同率か、歯科が下回る時代が続いてきた。2000年度改定以降は、医科と歯科の改定率を同率とすることが「慣例となっていた」(厚労省保険局医療課)という。
慣例を破るきっかけについて、長妻昭厚生労働相は23日の会見で「(同率アップの場合)医科の方が増えていくという指摘があった」と述べ、プラス改定分を医科と歯科に公平に配分するのが目的と説明した。
医療課の説明によると、診療報酬本体部分には、技術料のほかに薬剤やカテーテルなどの材料の費用も含まれる。医科医療費に占める技術料は84%なのに対し、歯科医療費に占める技術料は93%という。このため医科と歯科を同じ改定率でアップさせた場合、技術料に相当する部分以外で、医科の方が歯科よりも多く配分されることになる。医療課は「技術料に均等に配分するため精緻な見直しを行い、医科と歯科の比率を1対1.2として調整した」と説明する。
■「底上げ」するには「あまりに低い」、改定率で日病協・小山議長
日本病院団体協議会の小山信彌議長(日本私立医科大学協会病院部会担当理事・東邦大心臓血管外科教授)は12月23日、次期診療報酬改定の改定率が本体プラス1.55%のアップ、ネット(総額)で0.19%のプラス改定で決着したことを受け、本紙に対し「10年ぶりのネットでのプラス改定が実現できることは、一定の評価をしたい。しかし、医療全体の底上げを図るには、あまりにも低いアップ率にとどまっており、極めて残念だ」と述べた。医科と歯科の改定率のバランスについては「判断が難しい」と語った。
■急性期への4000億円「評価できる」、日病・山本会長
日本病院会の山本修三会長は12月24日、ネットでプラスに決まった診療報酬の改定率について、本紙の取材に「日本の厳しい経済環境の中で、ネットでプラス改定になったことは評価できる」と述べた。特に「急性期入院医療への4000億円程度の配分を明確にしたことは評価できる」とした。
■「期待した改定率と1桁違う」、ネット0.19%で全日病・西澤会長
全日本病院協会の西澤寛俊会長は12月24日、次期診療報酬改定がネットで0.19%のプラス改定で決着したことを受け、本紙の取材に「ネットでプラス改定が確保できたことについては、財務・厚生労働両省の努力に一定の評価をしたい」と述べた。ただ「期待していた改定率とは1桁違う」とも述べた。プラス幅が小幅にとどまったことから、医療現場の勤務医のモチベーションを危惧する声がすでに全日病幹部から上がっているという。
■看護職の労働環境整備に配分を、日看協、10年ぶりプラスを評価
日本看護協会は12月24日、次期診療報酬改定の改定率について、本紙に対し「医療従事者の疲弊を改善するには十分とは言えないが、社会情勢や国民負担を考慮すれば、10年ぶりのプラス改定という点で一定の評価ができる」とコメントした。
■一応評価も期待失う、改定率で国立大病院長会議
国立大学附属病院長会議は12月24日、次期診療報酬改定の改定率が決定したことを受け、声明文を発表した。「現在の財政状況下で10年ぶりのプラス改定は一応の評価はできるものの、日本の医療実態から見るとあまりにも小幅で、医療関係者の期待を失うものだ」としている。
■診療所再診料の引き下げに反対、保団連
保団連(住江憲勇会長)は12月24日、次期診療報酬改定で長妻昭厚生労働相と藤井裕久財務相が改定率をネットで0.19%の引き上げとすることで合意したのを受け、診療所の再診料の引き下げに反対し、あらためてネットで3%以上の引き上げを求める談話を発表した。
■有床診の点数底上げは最重要課題、日医・中川常任理事
日本医師会の中川俊男常任理事は12月24日の定例会見で、有床診療所の診療報酬の底上げについて、次期診療報酬改定の最重要課題にあらためて位置付けた。有床診全体の診療報酬の底上げとともに▽入院基本料の全体的な引き上げ▽長期入院患者への適切な評価▽入院期間14日以内の評価-を要望した。一方で、有床診と無床診、あるいは有床診間の配分の見直しで財源を捻出すれば、診療所全体の経営が立ち行かなくなると警告。あくまで新たな財源で対応すべきとくぎを刺した。
◎介護保険編
■訪問介護の生活援助、同居家族いても利用可、老健局が通知
厚生労働省老健局は12月25日、都道府県に対し、訪問介護による生活援助に関する通知を発出した。利用者に同居家族がいても、サービスを利用できる場合があることを自治体に周知するよう求めた。
掃除や食事の支度など、介護保険で利用できる生活援助は、利用者が1人暮らしの場合や、利用者の家族が家事を行うことが困難な場合に利用できる。
通知では、同居家族の有無だけが判断基準にされる場合があるとの指摘が上がっているとし、利用者や家族の状況などを確認した上で、柔軟に対応するよう求めた。
■協会けんぽ、介護保険料率も引き上げへ、
全国健康保険協会は12月25日の運営委員会に、2010年度の介護保険料率は、現行の1.19%から1.50%まで引き上がる見通しと報告した。介護保険料率が1.50%に引き上がると、年収が374万円の被保険者で年間およそ5000円以上負担が増えるとしている。同協会は、1月末の運営委員会で2010年度の保険料率と介護保険料率の了承を得て、2月末までに国から料率変更の認可を得たいとしている。
●保険料率は9.3%へ、
厚労省が説明
厚生労働省保険局はこの日の運営委員会に、同協会に対し国庫補助率の引き上げなどを行う財政対策を説明した。これにより10年度の保険料率の引き上げ幅が約0.6%縮小され、同協会の10年度の保険料率は全国平均で9.3%程度となる見込みとした。
委員からは、保険料率の引き上げ幅が抑えられることについて評価する声が上がった。一方、厳しい経済状況下で保険料率が上がることについて、被保険者の理解を得られるよう、広報活動などによる十分な説明が必要との意見も相次いだ。
◎調査・データ編
■受診できない理由「自己負担高い」約4割、社会保障実態調査
国立社会保障・人口問題研究所は12月24日、社会保障実態調査結果の概要を発表した。過去1年間に医療機関を利用していない世帯は約1割に及び、うち17%は健康でなかったにもかかわらず、医療機関にかかることができなった。経済的な理由を挙げたケースが最も多く、厳しい経済状況が受診抑制につながる実態が浮き彫りになった。
調査は、社会保障制度の横断的な議論に必要な資料を得るため、医療機関の利用状況のほか、各世帯の状況と構成員の生活実態などを調べた。厚生労働省が行った2007年国民生活基礎調査の対象地区となった5440地区の中から無作為に300地区を抽出し、その地区内に居住する世帯主と20~69歳の構成員について、07年7月1日現在の状況を調べた。調査対象の世帯に配布した調査票は1万5782票で1万766票を回収。有効回収率は68.2%だった。一方、20~69歳の構成員に配布した調査票は2万689票で、有効回収票は1万7188票。有効回収率は83.1%だった。
調査結果によると、過去1年間で世帯の誰かが医療機関に行った世帯は81.5%、行かなかった世帯は11.5%だった。行かなかった世帯のうち「健康であったため、行く必要がなかった」と回答したのは74.3%。一方、「健康ではなかったが、行くことができなかった」との回答は17.0%に上った。全世帯の2.0%に相当する。
医療機関に行けない理由は「自己負担の割合が高い」など経済的な理由が38.4%で、最も多かった。以下、「仕事あるいは家族が忙しい」などの時間的な理由を挙げたケースが27.0%、「健康保険に加入していない」が14.2%と続いた。「健康保険に加入していない」としたケースで、制度別の内訳は調査していない。
「健康ではなかったが、行くことができなかった」と回答した世帯をタイプ別に見ると、非高齢の単独世帯が男女ともほかの世帯に比べて高い割合だった。また所得が高いほど少ない傾向にあった。地域別では北海道が最も多く、北関東が最も少なかった。
■医療療養の在宅復帰率は46%、慢性期医療協会が調査
日本慢性期医療協会(日慢協、武久洋三会長)は12月22日、会員を対象に実施した「入退院経路調査」の結果を厚生労働省に提出した。調査結果によると、医療療養病棟全体の在宅復帰率は46.0%で、医療区分2・3が8割以上を占める病棟では45.1%、8割未満の病棟では46.4%と、いずれも退院経路として最も大きい割合を占めた。
調査結果について武久会長は、「現在の医療療養病棟は、患者を良くして帰している率が高いということが分かった」と評価した。その上で、現行の療養病棟入院基本料を、在宅復帰率が50%以上の「入院基本料1」と、50%以下の「入院基本料2」の2段階とすることを提案。「現在、在宅復帰率が50%以上の医療療養病棟は3割程度」との見方を示し、「医療の質をアップしようというインセンティブになる」とした。
調査は今月11~15日に会員833施設を対象に行い340病院から回答を得た。今年4~9月に医療療養病床に入退院した患者について調査した。対象患者数は入院患者2万1429人、退院患者2万1473人だった。
退院経路で在宅の次に多かったのは「他の医療機関への転院」で、医療区分2・3が8割以上の病棟で24.7%、8割以下の病棟で22.1%だった。
●医療区分評価票、状態像の詳細な記載に評価を
日慢協は同日、「医療区分評価票からみた患者の状態像」の調査結果も厚労省に提出した。入院日(または調査開始初日の10月1日)時点で「医療区分2・3」だった患者のうち、医療区分の評価票に記載された状態該当数が「3種類以上」の患者は17.6%、「2種類」が23.5%、「1種類」が59.0%だった。一方、1カ月間の状態該当数の平均を見ると「3種類以上」の患者は13.6%、「2種類以上3種類未満」の患者は21.5%、「2種類未満」の患者は64.9%だった。
武久会長は「療養病棟でも重篤な患者をきちんと受けていることが分かった」と説明。医療区分の評価票に、患者の該当状態を詳しく記載した場合を評価することで、より詳細なデータ収集が可能になると提案した。
調査は、同協会の理事を務める23病院を対象に、今年10月15日~11月10日に実施した。10月1~31日に医療療養病棟に入院した患者(10月途中に入退院・転棟した患者を含む)2939人について調査した。
■特養の入所申込者、全国で42万人、厚労省が発表
厚生労働省は12月22日、12月の集計で特別養護老人ホーム(特養)の入所申込者数は全国で42万1259人だったと発表した。57.6%が要介護1~3、42.4%が要介護4~5だった。医療機関や施設に入院・入所している申込者は22万2582人で、うち5万3861人が医療機関(介護療養型医療施設を除く)に入院しており、1万523人が介護療養型医療施設に入院していた。介護老人保健施設に入居している申込者は7万1692人だった。
厚労省は現在、特養の入所申込者について年齢や要介護度などを調べるサンプル調査を実施しており、年度内に調査結果を取りまとめる予定としている。
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