週刊医療情報インデックス
2009年9月第1週 (2009.09.01~2009.09.07)
- 【ウイークリーダイジェスト】
- 【週刊マスコミ論調】
- ■医療問題、医療政策
- ■社会情勢など
- ■医学、健康
- ■鳥インフルエンザ、感染症など
- ■高齢者医療・福祉・年金・介護・少子化
- ■医療事故、医事紛争、副作用
- ■その他事件など
- ■保団連・保険医協会関係
- ■京都周辺の動き(医療関係、ほか)
- ■新型インフルエンザ関連
- ■主な連載(医療全般)
- ■環境問題
【ウイークリーダイジェスト】
■「鳩山首相」16日に指名、組閣は17日を示唆
民主党は9月1日、衆院選大勝を受けた新政権移行の作業を本格化させた。同党の山岡賢次国対委員長が自民党の大島理森国対委員長と協議し、特別国会を16日に召集することで一致。同日中に衆参両院で首相指名選挙が行われる見通しで、民主党の鳩山由紀夫代表が第93代の首相に指名される。一方、鳩山氏と国民新党の亀井静香代表は1日、国会内で会談し、連立政権協議に入ることで合意した。
■民主、補正予算は未執行分を停止、停止項目は「今後の議論」
民主党は、2009年度補正予算の一般会計約14兆円のうち、未執行の事業について政権移行後に停止することを決めた。効果が期待できないと判断した事業の執行を取りやめ、代わりに「子ども手当」など、より効果的な政策の財源として活用する。
民主党の直嶋正行政調会長は同日、本紙の取材に「未執行の事業を停止したい。どの項目を停止するかは今後、議論していく」と述べた。福山哲郎政調会長代理も本紙に「見直しは党の方針として決まっている」と述べた。
09年度補正予算のうち厚生労働関係では、救急医療の確保などに向けて都道府県が2次医療圏ごとに策定する地域医療再生計画に応じて財政支援する「地域医療再生基金」(総額3100億円)が計上されている。直嶋政調会長は、同基金を執行停止の対象に含むかどうかについては明らかにしなかった。
■民主・社民・国民新の3党が連立協議、「新型」対応を追加
民主党と社民党、国民新党の3党の政策責任者は9月3日、連立政権の樹立に向け、国会内で連立協議を行った。前日の初会合で決まった新型インフルエンザと災害への対応に加え、雇用対策を付け加えることを合意した。外交・安全保障は詰め切れなかった。
民主党の直嶋正行政調会長と社民党の阿部知子政審会長、国民新党の自見庄三郎政審会長の3氏が会談した。会合後の記者会見で直嶋政調会長は「意見交換した内容を含め整理し、来週火曜日に次の協議を行う」と述べた。
3党が先月14日にまとめた衆院選の共通政策では▽選挙で負託された政権担当期間中の消費税率の据え置き▽社会保障費2200億円抑制の撤廃▽後期高齢者医療制度の廃止▽医療費の先進国並みの確保を目指す▽介護労働者の処遇改善による人材確保-などを挙げていた。
■厚生労働関係議員の選挙結果
【小選挙区】◎=小選挙区で当選、○=比例復活、×=落選
●自民
○川崎二郎、前8回、(元厚労相)、三重1区
○伊吹文明、前8回、(元財務相)、京都1区
○長勢甚遠、前6回、(党雇用・生活調査会長)、富山1区
○鴨下一郎、前5回、(党医療委員長)、東京13区
○大村秀章、前4回、(厚労副大臣)、愛知13区
○田村憲久、前4回、(衆院厚労委員長)、三重4区
○松本純、前3回、(薬剤師)、神奈川1区
○阿部俊子、前1回、(元日看協役員)、岡山3区
×丹羽雄哉、前10回、(元厚相)、茨城6区
×中山太郎、前7回、(元外相)、大阪18区、(小選挙区単独)
×木村義雄、前7回、(元厚労副大臣)、香川2区
×鈴木俊一、前6回、(党社会保障制度調査会長)、岩手2区
×三ツ林隆志、前3回、(医師)、埼玉14区
×後藤茂之、前3回、(党厚労部会長)、長野4区
×西川京子、前3回、(元厚労副大臣)、福岡10区
×飯島夕雁、前1回、(医療ソーシャルワーカー)、北海道10区
×新井悦二、前1回、(歯科医師)、埼玉11区
×清水鴻一郎、前1回、(医師)、京都3区
×渡嘉敷奈緒美、前1回、(薬剤師)、大阪7区
×冨岡勉、前1回、(医師)、長崎1区
×栗原洋志、新、(医師)、新潟4区
×米山隆一、新、(医師)、新潟5区
●公明
×福島豊、前5回、(党医療制度委員長)、大阪6区、(小選挙区単独)
●社民
○阿部知子、前3回、(医師)、神奈川12区
×山口はるな、新、(看護師)、福岡11区
●共産
×木村恵美、新、(看護師)、愛知1区、(小選挙区単独)
●民主
◎藤村修、前5回、(NC厚労相)、大阪7区
◎仙谷由人、前5回、(元NC厚労相)、徳島1区
◎三井辨雄、前3回、(薬剤師)、北海道2区
◎長妻昭、前3回、(NC年金担当相)、東京7区
◎山井和則、前3回、(NC厚労副大臣)、京都6区
◎岡本充功、前2回、(医師)、愛知9区
◎逢坂誠二、前1回、(薬剤師)、北海道8区
◎柚木道義、前1回、(党肝炎対策事務局長)、岡山4区
◎大泉博子、新、(元厚生省職員)、茨城6区
◎石森久嗣、新、(医師)、栃木1区
○仁木博文、新、(医師)、徳島3区
◎福田衣里子、新、(薬害肝炎原告)、長崎2区
【比例単独】○=当選、×=落選
●自民
×桧田仁、元1回、(医師)、中国
×上地史隆、新、(介護福祉士)、北海道
×長岡重代、新、(看護師)、東北
●民主
○山崎摩耶、新、(元日看協役員)、北海道
○山口和之、新、(理学療法士)、東北
○水野智彦、新、(歯科医師)、南関東
○吉田統彦、新、(医師)、東海
●公明
○坂口力、前10回、(元厚労相)、東海
○古屋範子、前2回、(党介護保険制度改革委員長)、南関東
×桝屋敬悟、前5回、(党厚労部会長)、中国
●共産
○高橋千鶴子、前2回、(党厚労部会長)、東北
×谷川智行、新、(医師)、東京
※敬称略
■救急の「新型」対策、10倍超に、総務省概算要求
総務省は8月31日、2010年度予算の概算要求を発表した。一般会計の総額は今年度当初予算と比べて9978億円(5.6%)増えて18兆7337億円となった。このうち消防庁では、今年度当初予算から14億円(10.9%)増となる146億円を計上。今年10月に施行される改正消防法の運用状況の検証を新規事業として盛り込んだほか、感染が拡大する新型インフルエンザ対策には今年度当初予算の10倍超の予算を投入する。
総務省本省では、医療現場をはじめとする地域社会で、ICT(情報通信技術)の活用をさらに進める方向性を打ち出した。ICTを活用した地域社会の再生・活性化の推進に今年度当初予算の1.6倍となる41.6億円を計上。医療分野では、医療の安全性向上や業務の効率化のため、電子タグなどユビキタスネット技術(いつでもどこでも意識せずに情報通信技術を利用できるネットワーク技術)の医療現場での活用を推進するほか、ネットワーク上で個人の健康情報を集積・管理する仕組みの構築を促進し、複数の医療機関の間での継続性のある医療の提供や、個人の健康づくりを支援する基盤の整備を目指す。一方、地域振興策の一環として総務省が提唱する「定住自立圏構想」には遠隔医療の推進が盛り込まれた。遠隔医療システムの構築に必要な装置などの整備を支援する。
■「2類類似疾患から除外を」、四病協、「新型」対策で要望
四病院団体協議会は8月31日、「今回の新型インフルエンザ対策が医療機関に大きな負担を強いている」として、現在、流行している新型インフルエンザを感染症法上の2類類似疾患から除外することや、患者を受け入れるための設備整備などに対する補填などを求める要望書を、舛添要一厚生労働相あてに提出した。
■後期高齢者の保険者機能評価結果を公表、厚労省
厚生労働省は8月31日、後期高齢者医療制度の運営主体である広域連合の保険者機能について2008年度自己評価結果を公表した。「保険料の収納対策」「高齢者の健康づくり」「医療費適正化」の3分野(各分野最高25点)を合わせた評価結果は平均で34.9点だった。自己評価は、「保険料の収納対策」では▽収納率向上▽口座振替の推進▽広報―、「医療費適正化の取り組み」では▽重複・頻回受診者への訪問指導の実施状況▽医療費通知等の実施状況―など、各分野で5つの評価項目に基づいて0~5点で評価した。各分野の平均点は「保険料の収納対策」9.0点、「高齢者の健康づくり」11.0点、「医療費適正化」14.9点。
「医療費適正化」のうち重複・頻回受診者への訪問指導は47広域連合のうち37団体で実施していなかった。また、「ジェネリック医薬品お願いカード」の作成配布を実施していたのは4団体、後発品を使用した場合の個別影響額のお知らせを実施していたのは1団体にとどまった。
■「医師の大同団結」へ議論再開、日医、医学部生の意見も聴取
日本医師会は、前年度に引き続き「医師の団結を目指す委員会」を設置し、すべての医師が大同団結するための具体策について議論を再開した。勤務医や女性医師の意見も反映できる体制づくりに向け、前年度の検討内容を具体化する方策を探る。すでに今年度の初会合を7月16日に開催しており、来年3月までに計5回の会合を重ね、報告書を取りまとめる。大学医学部生・研修医のヒアリングも予定し、医師会と医学部生・研修医の関係構築に向けた具体策も検討する。医師会関係者が大学医学部で地域医療などについて講義する際に活用できる資料も作成するという。保険医協会関係者からヒアリングする考えもある。
■新政権にも積極的に政策提言、日医・唐澤会長
日本医師会の唐澤祥人会長は9月2日、民主党の圧勝に終わった第45回衆院選後の初めての会見で、新たに発足する民主党中心の政権に対し「政権与党には政策立案に関して格段の実現力がある」と述べ、これまでの自民党中心の政権与党と同じように、医療提供体制の充実に向けて強力に政策提言していく意向を表明した。
唐澤会長は「新政権にのぞむ」と題した文書でコメントを発表。衆院選後、民主党が衆院第1党になったことを受け、新政権に対して、国民が真に安心できる充実した医療政策を進めることを強く求めた。また今回の衆院選について、地域医療の崩壊が現実化した状況を政治がどのように方向転換させるかを問う選挙だったと位置付け、選挙結果は、国民が社会保障制度の充実を強く求めたことの表れとした。
その上で、新政権は社会保障の明確な理念を示し、国民の安心を保障する責務があると指摘。日医はこれまでも医療のグランドデザイン2009を発表するなど、政府に対して医療政策の提言を行ってきたとし、新政権にも政策提言を継続する方針を示した。
■産科医療補償制度で申請第1号、9月下旬に審査委を開催
日本医療機能評価機構によると、9月1日までに産科医療補償制度の発足後初めてとなる補償申請があった。同機構・産科医療補償制度運営部の担当者が本紙の取材に答えた。現時点で、申請の件数や事例の詳細については公表できる段階にないとした上で「補償制度が運用に向けて動き出したのは確か」としている。
■再生計画、2次医療圏より広い地域も可、厚労省がQ&A
厚生労働省医政局は、「地域医療再生臨時特例交付金」のQ&Aをまとめ、都道府県に事務連絡した。都道府県が策定する地域医療再生計画について、効率的に医療確保が図れるなどの合理的な理由があれば、2次医療圏よりも広い地域を対象地域とすることができるとした。事務連絡は8月27日付。
■勤務医の処遇改善へ7カ条、日医、休息時間の確保など提案
日本医師会の今村聡常任理事は9月2日の定例会見で、「勤務医の健康を守る病院7カ条」を発表した。勤務医が働きやすい環境をつくるには、医師の休息時間の確保や、医療事故に対する組織的な取り組みが必要と提案している。この提言は、病院団体を通じて勤務医などに広く配布していく方針だ。
病院が心掛けることとして▽医師の休息が、医師のためにも患者のためにも大事と考える▽医療過誤に組織として対応する▽子育て、介護をしながらの仕事を応援する-などを提案した。交代勤務態勢を取るなど、勤務医が休養できるよう配慮することが、医師の能力や病院の機能を充実させるために必要と主張。医療事故に関する訴訟などに病院が組織として対応することも、医師に安心感を与え、医療の質の向上につながるとしている。勤務医の子育て支援体制の拡充なども、女性医師確保などに有効としている。
勤務医自身が健康を維持するために心掛けるべき「医師が元気に働くための7カ条」も作成。▽睡眠時間を十分確保する▽体調が悪ければためらわず受診する▽ストレスを健康的に発散する-などを挙げた。
日本医師会は今年2月20日~3月6日に、勤務医の会員9969人を対象に「勤務医の健康の現状と支援のあり方に関するアンケート調査」を実施し、3879人から有効回答を得た(回収率38.9%)。2つの提言は、調査結果を踏まえて作成した。
調査報告書によると「少なくとも週1日の休日と、年次有給休暇が取れるようにすることが必要」と考える医師は89.1%、「医療事故に関する訴えに組織的に対応し、医師個人の責任に固執しない再発防止策を進めることが必要」と考える医師は89.1%を占めた。また、自分自身の体調不良について53.3%の医師が「他の医師にまったく相談しない」と答えた。「体調不良の相談をしない理由」を聞いたところ、「自分で対応できる自信がある」が5割を超えて最も多く、「同僚に知られたくない」が1割程度あった。
■地方の大学病院の割合、初めて増加、10年度臨床研修の募集定員
厚生労働省は9月4日に開いた医道審議会・医師分科会医師臨床研修部会(部会長=相川直樹・慶応大名誉教授)で、2010年度の臨床研修病院数や募集定員数を報告した。都市部の6都府県(東京、神奈川、愛知、京都、大阪、福岡)以外の募集定員数が、04年度の義務化以来、初めて全体の6割を超えた。大学病院に限っても、6都府県以外の募集定員数の割合が、制度導入後、初めて増加に転じた。
■特定健診の評価機関、設立へ協議、日医など
日本医師会の内田健夫常任理事は9月4日、特定健診・保健指導に参加する実施機関や事業者を評価する第三者機関の設立に向け、日医を中心に関係団体との間で協議を行っていることを明らかにした。2009年度中の設立を目指しており、10月には設立発起人による会合を行う予定。同日、東京都内で開かれた日本人間ドック学会学術大会のシンポジウムで明らかにした。
■腎臓専門医とかかりつけ医の連携、評価を、次期改定で4学会
新型インフルエンザに感染した場合に重症化しやすい基礎疾患の1つとされている慢性腎臓病(CKD)治療について、日本腎臓学会、日本高血圧学会、日本透析医学会、日本糖尿病学会の4学会は、2010年度の診療報酬改定で腎臓専門医とかかりつけ医の診療連携を評価するよう要望している。
◎新型インフル編
■ワクチン接種、医療従事者を最優先、厚労省、方針案を公表
新型インフルエンザワクチンについて厚生労働省は9月4日、①インフルエンザ患者の診療に当たる医療従事者や救急隊員②妊婦・基礎疾患患者③1歳以上就学前の小児④1歳未満の小児の両親―の順で優先的に接種を行うとする方針案を公表した。国内生産での不足分を輸入する方針も正式に表明。優先接種の対象となる4つのグループには国内産のワクチンを充て、輸入ワクチンが使用可能になり次第、小中高生や高齢者にも接種する。厚労省は方針案について今月13日までパブリックコメントを募集。専門家や患者団体からも意見を聞いた上で9月中に正式決定する。
■「新型」ワクチン、低所得者は費用軽減、舛添厚労相
舛添要一厚生労働相は9月4日、閣議後の会見で、新型インフルエンザワクチンの接種費用について「所得によって軽減策をとるしかない。民主党にも引き継ぎを行っているので、新しい政権でも大きな考え方の違いはない」と述べ、低所得者に対して接種費用を軽減する方針を明らかにした。
◎調査・データ編
■07年度国民医療費、過去最高の34兆1360億円、
2007年度の国民医療費が34兆1360億円で過去最高を更新したことが、厚生労働省が2日発表した「07年度国民医療費の概況」で明らかになった。国民1人当たりの国民医療費も26万7200円、国民所得に占める国民医療費の割合は9.11%で、いずれも過去最高となった。65歳以上高齢者の医療費割合は52.0%で、1人当たりの国民医療費は64歳以下の約4倍だった。
国民医療費総額は前年度比3.0%増。前年度はマイナス3.16%となった診療報酬改定の影響で微減したが、改定や大きな影響がなかった07年度は高齢化や医療の高度化による自然増で再び増加に転じた。
●国庫負担は24.7%、事業主負担は20.3%
財源別に見ると、公費分12兆5271億円(構成割合36.7%)、保険料分16兆7898億円(同49.2%)。公費分は前年度比3.3%、保険料分は同3.5%の増加となった。公費分のうち国庫負担分が全体に占める割合は24.7%、保険料分のうち事業主負担分の全体に占める割合は20.3%、被保険者負担分は28.9%となっている。
診療種類別では一般診療医療費が全体の75.1%に当たる25兆6418億円(前年度比2.4%増)。病院が17兆3102億円(同2.5%増)、一般診療所が8兆3316億円(同2.2%増)という内訳だ。薬局調剤費は5兆1222億円(同8.8%増)で全体の15.0%を占める。歯科診療医療費は全体の7.3%に当たる2兆4996億円(同0.2%減)だった。
年齢階級別に見ると、65歳以上が17兆7439億円、65歳未満が16兆3921億円。75歳以上は10兆893億円で、初めて10兆円を超えた。1人当たりでは65歳以上が64万6100円に対し、65歳未満は16万3400円だった。
一般診療医療費に限ると、65歳以上は14兆973億円で全体の55.0%を占め、65歳未満は11兆5445億円だった。1人当たりでは65歳以上が51万3300円、65歳未満が11万5100円で5倍近い格差があった。
一般診療医療費の傷病分類別では、循環器系疾患5兆4353億円、がん3兆716億円、腎尿路生殖器系疾患2兆1389億円などの順。65歳未満では上位3傷病の合計が全体の34.5%だったのに対し、65歳以上では循環器系疾患だけで28.7%を占めた。
制度区分別に見ると、医療保険等給付分が16兆7576億円(前年度比5.2%増)、老人保健給付分10兆2785億円(同0.5%増)、医療機関窓口での患者負担分は4兆7996億円(0.9%増)だった。
■合計特殊出生率1.37、3年連続で上昇、08年人口動態統計
厚生労働省は9月3日、「2008年人口動態統計」の確定数を発表した。出生数は109万1156人で前年に比べ1338人増加した。1人の女性が一生の間に産む子どもの数を推計した「合計特殊出生率」も1.37となり、前年の1.34を上回り、3年連続で上昇した。
出生数を母親の年齢別に見ると、20~24歳(12万4691人)、25~29歳(31万7753人)、30~34歳(40万4771人)はともに前年に引き続き減少したが、15~19歳(1万5427人)と35歳以上の全階級は前年を上回った。また、婚姻件数も72万6106組で6284組増加した。
死亡数は114万2407人で3万4073人の増加だった。人口1000人当たりの死亡率は9.1で前年の8.8を上回った。死因順位は、1位が「悪性新生物」34万2963人、2位が「心疾患」18万1928人、3位が「脳血管疾患」12万7023人の順。悪性新生物が死亡総数の30%を占めた。
■老人医療費、最低は18年連続で長野、全国平均4.5%の伸び
2007年度の都道府県別1人当たり老人医療費が最も低かったのは、18年連続で長野だったことが、厚生労働省保険局調査課のまとめで分かった。一方、最も高かったのは福岡で、両県の差は1.51倍となった。全国平均は86万9604円で前年度比伸び率は4.5%増だった。詳細は「07年度老人医療事業年報」に掲載し、各都道府県に送付した。
1人当たり老人医療費を低い順に見ると、長野71万5564円、新潟71万8808円、岩手72万5208円。高い順では福岡108万2157円、北海道103万7061円、高知103万1170円で、いずれも前年度と順位に変化はなかった。
都道府県別で対前年度の伸び率は、滋賀、徳島、石川、宮崎がいずれも5.7%増。逆に伸び率が低かったのは鳥取、富山の2.4%増で、青森の3.1%増が続いた。
1人当たり老人医療費(全国平均)の内訳は、入院43万2209円(前年度比4.8%増)、入院外39万9265円(同4.4%増)、歯科2万5917円(同1.1%減)、老人訪問看護1844円(同11.1%増)など。
■法改正で52.7%の事業所が収入減、医療法人の訪問介護事業所
介護労働安定センターが8月31日に取りまとめた「2008年度サービス提供責任者実態調査結果報告書」によると、医療法人が経営する訪問介護事業所の52.7%が、介護保険法の改正前と比べて事業収入が減少していたことが分かった。
調査は、08年11月16日から12月19日までの間、4832カ所の事業所を対象にアンケートを実施し、2208事業所から有効回答を得た(回収率45.7%)。調査を実施した事業所で勤務するサービス提供責任者9664人にもアンケートを実施し、3480人から有効回答を得た(回収率36.0%)。
医療法人が経営する訪問介護事業所について、06年3月(改正前)の事業収入を100%とした場合の08年9月(改正後)の収入割合を見ると、「90%以上100%未満」と回答した事業所が11.9%、「80%以上90%未満」が15.3%、「70%以上80%未満」が13.6%、「70%未満」が11.9%で、「100%未満」が計52.7%を占めた。「100%以上」が26.3%、無回答が21.2%だった。他の経営主体を含めた全体は「100%未満」が43.2%、「100%以上」は26.4%、無回答30.3%だった。
07年度収支状況調査では、「赤字」と回答した訪問介護事業所(全体)は41.4%、「収支トントン」が31.2%、「黒字」が15.9%だった。経営主体が医療法人の事業所は「赤字」41.5%、「収支トントン」30.5%、「黒字」16.1%だった。
■病院一般病床の在院日数18.3日に、09年4月の病院報告
厚生労働省は9月3日、4月分の病院報告概数を公表した。病院の一般病床の平均在院日数は18.3日で、前月より0.4日短縮した。結核病床以外の各病床も在院日数の短縮化が進み、総数では前月比0.5日短縮の32.8日となった。
一般病床以外の平均在院日数は、療養病床169.5日(前月比4.0日短縮)、精神病床297.0日(同4.6日短縮)。結核病床は75.0日で前月より1.6日延びた。病院のうち介護療養病床に限ると279.2日(同10.5日短縮)だった。診療所の療養病床の平均在院日数も97.9日で前月より3.9日短縮。診療所の介護療養病床に限ると97.1日で同1.5日短縮だった。
病院総数の月末病床利用率は80.3%で前月比0.5ポイント減。そのうち一般病床は73.5%で同0.9ポイント減だったが、療養病床では90.8%(前月比0.1ポイント増)などほかの病床は上がっていた。診療所の療養病床は69.5%(同0.2ポイント増)、介護療養病床に限ると79.7%(同0.7ポイント増)だった。
病院の1日平均在院患者数は131万3735人、外来患者数は144万4598人。診療所の療養病床の1日平均在院患者数は1万1935人(うち介護療養病床は4647人)だった。
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