週刊医療情報インデックス
2009年5月第2週 (2009.05.05~2009.05.11)
- 【ウイークリーダイジェスト】
- 【週刊マスコミ論調】
- ■医療問題、医療政策
- ■社会情勢など
- ■医学、健康
- ■鳥インフルエンザ、感染症など
- ■高齢者医療・福祉・年金・介護・少子化
- ■医療事故、医事紛争、副作用
- ■その他事件など
- ■保団連・保険医協会関係
- ■京都周辺の動き(医療関係、ほか)
- ■新型インフルエンザ関連
- ■主な連載(医療全般)
- ■環境問題
【ウイークリーダイジェスト】
■オンライン請求義務化の延長、改正省令が施行
レセプトオンライン請求が09年度から義務化される医療機関のうち、オンライン請求に対応できない医療機関について、最大で10年3月末まで書面などによる従来どおりの請求を認める改正省令が5月8日、施行された。
対象となるのは5月10日時点でオンライン請求ができない医療機関で、10年3月末までの間で「オンライン請求が行える体制の準備に必要な期間を勘案して厚生労働大臣が定める日」までの間は書面などによる請求を認める。
09年度からオンライン請求が義務化されるのは、400床未満の病院で(1)レセプトコンピューターで電子請求をしている(2)レセプトコンピューターにレセプト文字変換ソフトの適用が可能な場合―と、レセプト作成業務を電算化している薬局。
■社会保障カードの基本計画まとまる/近く実証実験先の募集開始
厚生労働省は4月30日付で、2011年度の実用化を目指して検討を進めている「社会保障カード(仮称)」の基本計画となる報告書を公表し、意見募集を始めた。09年度中に基本計画にのっとった実証実験を実施するため、近く自治体からの企画募集を始め、夏を目途に実施する自治体を固める考えだ。
実証実験は、基本計画の中でカードの交付主体と想定している市町村単位で実施する。カードは健康保険証、介護保険証、年金手帳の3機能を果たすものとして検討しており、厚労省は「実証実験でも医療機関での利用を盛り込んだ企画であることが望ましいと考えている」としている。09年度の当初予算では2カ所程度での実施を想定した事業費を計上している。現在、国会審議中の補正予算案では、さらに6カ所程度で実施する費用を盛り込んでおり、厚労省は当初予算分の事業から先行して募集を始める方針だ。
基本計画では、医療機関が来院者から提示されたカードを利用して、各医療保険者が所有する資格情報データベースにアクセスし、資格内容などを確認できるようにする。訪問看護や往診などでカードを使う場合など、オンライン資格確認が困難な場合などに備え、医療・介護分野でのみ用いる可視化された「保健医療番号(仮称)」について検討する必要性も指摘している。
また意識不明の患者など、医療機関の窓口で暗証番号による本人確認が困難な場合は、医療機関の職員が券面情報で本人のカードであることを確認する必要性があると指摘。その際に医療機関の職員を認証する方法についても検討すべきとしている。
■感染拡大防止策を明記/政府が対処方針
政府の新型インフルエンザ対策本部は5月1日、2回目の会合を開き、国内で新型インフルエンザの患者が発生した場合の対処方針を決めた。
国内で患者が発生した場合、対策の主眼はウイルスの侵入防止から感染の拡大防止に移る。対処方針では、検疫などの水際対策を一層強化する一方、早期発見・早期治療により感染の拡大を防ぐ観点から、疑いのある患者への迅速・的確な医療の提供や国内サーベイランス強化、医療従事者や初動対処要員の保護を盛り込んだ。
対処方針では、不要不急の外出や集会の自粛、学校の臨時休業など、人の行動を制限する方針も示す一方、ウイルスの特徴や感染拡大の可能性を考慮して弾力的に対応するとした。
行動計画では、専門家による諮問委員会の意見を踏まえて対策を決定するとしており、こうした意見や自治体との協議により、柔軟に対応する方針だ。
■オンライン義務化への猶予策「極めて不適切」/規制改革会議が見解
規制改革会議(議長=草刈隆郎・日本郵船会長)は5月7日、09年度からのレセプトオンライン請求義務化に対応できない医療機関への猶予策として厚生労働省が示している省令改正案に対する見解を発表した。見解では、オンライン請求義務化は地域医療に悪影響を与えるとする厚労省の主張に対して「その根拠を示しておらず、極めて不適切」と批判。「今回のような措置が再度講じられることがあってはならない」と抗議した。
厚労省は4月21日、オンライン請求義務化により「地域医療に重大な影響を与えることも懸念される」と危機感を表明した上で、09年度からのオンライン請求義務化に対応できない医療機関に対して最大1年間の猶予期間を設ける改正案を提示している。
これに対し見解では、厚労省の改正案について「猶予措置が講じられることは、政府の方針を逸脱するもの」と切り捨てた。また、義務化の期限に間に合うようオンライン請求に対応した医療機関も多数あると指摘。対応できなかった医療機関と何らかの差異を設けるべきと提案したほか、猶予期限後にオンライン請求できない場合は診療報酬を支払わないことを徹底すべきとした。
■医師の超過勤務「是正されるべき」/麻生首相
医師の超過勤務手当が十分に支払われていない問題で、麻生太郎首相は5月7日の衆院予算委員会で「現実問題として各地で今起きている。これは是正されるべき」と述べ、何らかの対応が必要との認識を示した。前原誠司氏(民主)の質問に答えた。
前原氏は奈良県立奈良病院の産婦人科医が県を相手に起こした訴訟で、奈良地裁が当直は「時間外労働」だとして「割増賃金」の支払いを命じた判決を取り上げた。前原氏は「医師の超過勤務をサービス残業として搾取して今の医療費が成り立っている」と指摘し、労働基準監督署が是正勧告を行い病院がサービス残業に対してきちんと賃金を支払うべきだとした。
これに対し麻生首相は「私は払われてしかるべきなんだと思う」と述べ、超過勤務手当が必要だと認めた。一方で「これをぱっとある日やると、県営、市営ではとても急患はやれませんから。困るのは患者ですから」とも述べ、一律に超過勤務手当を支給すると財政状況の厳しい自治体病院などではサービスの低下を招き、結果的に患者に不利益をもたらすとした。麻生首相は「そこの資金の手当をきちんとしないと危ないことになる。そこは行政側が注意してやらないと難しい」と述べ、慎重な対応が必要になるとした。
全国周産期医療連絡協議会が2008年に行った調査によると、総合周産期母子医療センターの97%で夜間勤務を宿直扱いにしていた。前原氏は「07年に各労働局が立ち入り調査した医療機関1852施設のうち約8割の1468施設で法違反が見つかった。産科の医師に限った問題ではない。こういったことは是正されるべきだ」とした。
■消費増税分は社会保障費に/「基本哲学として当然」と麻生首相
麻生太郎首相は5月7日の衆院予算委員会で、消費税を増税して社会保障費の財源とすることは「当然」との認識を示した。園田博之氏(自民)の質問に答えた。
園田氏は、少子高齢化によって「年金・医療・介護で国が負担する分は制度上、増えていく」と指摘。その財源として消費税に言及し「消費税をこれから上げるとしたら、一円たりともほかには使わない。全部を社会保障費に充てるという考えでよいか」と確認を求めた。麻生首相は「社会保障関係費の漸増は長期的に間違いないという前提で考えるとき、基本哲学として(消費税で)対応するのは当然」と述べた。
消費税を増税した場合の財源の使い道に関しては、与謝野馨財務相も同日の衆院予算委で「年金・医療・介護、ならびに少子化対策に全部使う。一銭一厘たりとも行政の肥大化に使わせない」と述べた。
■レセオンライン化で改定論議も迅速に/自民・特命委で厚労省
自民党のe-Japan特命委員会・IT・行政改革推進・国民生活利便性向上・経済活性化プロジェクトチーム(PT、委員長=村上誠一郎衆院議員)は5月1日、政府のIT化利活用状況について、厚生労働省などからヒアリングした。厚労省は、2009年度第1次補正予算案に盛り込んだレセプトオンライン請求の支援策などをまとめた資料を提示。医療機関がレセプトコンピューターの購入や、代行送信する際にかかる費用を支援することなどを報告した。
さらに、オンライン化で医療サービスの質が向上するとの資料も提示。診療報酬改定についても、迅速・正確な政策議論が可能になるとした。厚労省によると、現行の社会医療診療行為別調査は、6月審査分のレセプトを7月に収集(約45万件)し、分析結果は1年後にならなければ公表されない。オンライン請求などによる電子レセプトを活用すれば、全数レセプトの収集(約1億4000万件)が可能になるほか、分析結果も1カ月後に提示できるという。
■研修プログラム弾力化「行政の規制最小限に」/田原臨床研修推進室長
厚生労働省関東信越厚生局は5月8日、さいたま市内で「医師臨床研修制度の見直しに関する説明会」を開き、臨床研修病院のプログラム責任者や自治体関係者ら約700人が参加した。厚労省医政局医事課の田原克志・医師臨床研修推進室長は、臨床研修制度見直しの目的を「研修プログラムの基準を弾力化し、行政の規制を最小限にした」と説明。「研修医らが、それぞれ卒業した地域の大学病院や臨床研修病院を選択するよう、積極的な取り組みをお願いしたい」と関係者らに呼び掛けた。
田原室長は(1)臨床研修制度の質の向上(2)医師不足への対応-が見直しの柱とし「臨床研修制度の基本理念と到達目標は堅持する。到達目標に向けたプログラムは各臨床研修病院で工夫してもらいたい」と話した。単独型臨床研修病院と管理型臨床研修病院を「基幹型臨床研修病院」とし、指定基準を強化したことについては「指定に適合しなくなった場合の経過措置は7月末までには具体的に示す」と述べた。
研修医の当直アルバイトの取り扱いについても言及。研修プログラムの一環として、指導体制を確保した上での当直については「法令上禁止しておらず、それにより研修医が収入を得ることも問題はない」との認識を示した。
質疑では、募集定員が20人以上の臨床研修病院に対し、小児科と産科について各2人の特別枠を義務付けることについて「小児科と産科は人気がない状況。募集定員は前年度の実績が反映されることから、特別枠が埋まらないことで次年度以降の一般枠の定員が減少してしまうのではないか」との懸念の声が上がった。田原室長は「小児科・産科の研修プログラムの設置によって研修医が減るのは病院のせいではないとの意見がある。マッチングの技術上、09年度は無理だが、10年度の募集定員はプログラムに融通がきくように対応したい」と話した。
このほか「到達目標に正常分娩の受け持ちが上がっているが、これを達成するためには産婦人科を必修にするということか」との質問も上がった。これに対し、田原室長は「必修うんぬんではなく、到達目標に至るルートをどう盛り込むか、各病院の創意工夫でプログラムを組んでもらいたい」と述べた。
■募集定員枠、医師派遣実績で10人まで加算/新臨床研修の通知案
厚生労働省医政局医事課は5月8日、関東信越厚生局主催の「医師臨床研修制度の見直しに関する説明会」で、2010年度からの新医師臨床研修制度の施行に当たっての通知案を提示した。新制度では、病院の募集定員枠は過去3年間の受け入れ実績の最大値とするが、医師派遣などの実績を勘案し加算要件を設ける。通知では加算する数について、派遣などを行っている医師数が常勤で20人以上の場合は1人加算し、5人増えるごとに1人を加え、65人以上の10人を上限とするとした。厚労省は近日中に通知する予定だ。
募集定員の加算は(1)対象医師が医師免許取得後7年以上15年以下の臨床経験を持ち、受け入れ先の病院に常勤で勤務している(2)(医師派遣の)受け入れ病院での勤続期間が継続して1年以上3年以下(3)都道府県の地域医療対策協議会や関係する地方自治体の意向を踏まえている-などが要件。ただし、地域医療対策協議会などとの連携については、11年度以降に研修を行う募集定員から適用する。
都道府県の募集上限枠については、県内の臨床研修病院と大学病院の募集定員の合計が、都道府県の上限を超えない場合は一定の条件下で募集定員の増員ができるとした。厚労省医政局は「増員の条件は別途通知するが、東京や神奈川での増員は難しいとみられる」としている。5月中にも研修病院に募集定員に関する意向調査を行い、7月中には増員に当たっての条件を示す予定だ。
大阪や京都など、自治体によって前年度の受け入れ実績より3割程度研修医が減少する自治体があることから、当面の間は削減幅を10%程度にとどめる経過措置を設ける。また、募集定員枠を設けることで、研修医採用数が大幅に削減する病院があることも踏まえ、10年度の研修医募集では、都道府県の定員上限枠を超えた場合でも09年度のマッチング数は確保できることとした。
医師不足の診療科への対応として、研修の募集定員が20人以上の臨床研修病院に対し、将来小児科医と産科医を希望する研修医を対象とした研修プログラム(各科2人以上)を義務付けたことに関しては、現場から「一般枠の募集定員の削減につながる」との反発意見が多かったことから、当面の間、小児科と産科のいずれかの診療科で2人以上でも可能とする激変緩和措置を設けるとした。
厚労省は新制度に当たってのスケジュール案も提示。6月末に研修プログラム変更届と募集定員を締め切り、7~9月に研修プログラムの審査などを行う。9月24日にマッチング希望順位登録の受け付けを開始し、10月には結果が出る予定だ。厚労省医政局医事課は「ほとんどの病院が研修プログラムの変更が必要となる。6月30日までの届け出に間に合うように対応してほしい」としている。
■選択必修の研修期間、各病院で設定を/新医師臨床研修でQ&A案
厚生労働省医政局医事課医師臨床研修推進室は5月8日の「医師臨床研修制度の見直しに関する説明会」で、臨床研修制度見直しに関するQ&A案を提示した。選択必修科目の1科目当たりの研修期間については規程はなく、到達目標に合わせて各病院で必要な期間を設定できるとした。
救急部門の研修(1年目に3カ月以上)については、一定期間まとまった研修を行った上で、週1回の救急外来の研修などを行い、合計3カ月相当以上の研修期間にするなど、弾力的な設定ができるとした。各病院の救急医療体制の状況に応じ1年目に2カ月、2年目に1カ月とするなどの研修方法も可能。必修科目である地域医療研修はへき地・離島診療所や中小病院など医療施設で行うもので、保健所や福祉施設などは該当しないとした。
内科・外科・小児科・産婦人科・精神科に配置する指導医については、各診療科ごとに1人以上、指導医養成講習会を受講しなければならない。これまで「受講が望ましい」としていたが、新制度では受講を義務付けることになったため、Q&A案では講習会未受講の場合は速やかに受講するよう求めている。
基幹型臨床研修病院の指定基準については、研修医に対し2年間臨床研修を行ったことに相当する実績があることが必要。Q&A案では「研修医2人に対し、各1年間ずつ研修を行った場合なども該当する」とした。厚労省は近日中にQ&Aをホームページに掲載する予定。
■臓器移植指針を1年先送り/WHO加盟国が基本合意、法改正論議に影響も
世界保健機関(WHO)は、5月18日に開幕する総会で予定していた、海外に渡航して受ける臓器移植の自粛を求める指針案の正式決定について、新型インフルエンザ流行という緊急事態のため、10年5月の総会まで1年間先送りすることを決めた。7日にWHO本部で開かれた各国代表による会合で基本合意した。
日本などから移植手術を受けるため海外渡航する患者が後を絶たず、受け入れ国での臓器不足が深刻化しているのを受け、WHOが指針改定を目指していた。
改定が目前に迫り、日本の臓器移植法改正に向けた論議が急速に盛り上がったが、延期が影響を与える可能性もある。
先進国の外交筋やWHO当局者によると7日の会合では、18~27日に予定していた総会日程を、ほぼ半分の18~22日に短縮。この結果、臓器移植問題を含む8議題が2010年の総会に先送りされた。
日本政府は臓器移植を議題に残すよう主張したが、提案国の欧州連合(EU)が延期を支持し、日本の意見は受け入れられなかったという。
日本の臓器移植法は、15歳未満の子どもが脳死で臓器提供するのを認めていないため、小さな臓器を必要とする幼い患者にとっては、渡航移植が事実上、助かる唯一の道とされている。
国際移植学会が08年、渡航移植禁止を求める宣言を発表したことや、WHO総会で改定指針が決定される見込みとなり、渡航移植がより困難になってきたことから、国内で移植法改正の機運が急速に高まった。【ジュネーブ5月7日共同】
■市場原理主義で医療格差の拡大進む/日医総研WP
日医総研はこのほど、「市場原理主義が日本と日本の医療にもたらしたもの」をテーマにワーキングペーパー(WP、前田由美子主席研究員)をまとめた。WPは、厚生労働省の「概算医療費データベース」に基づき、500床以上の大規模病院は2000年度から06年度までに医療費シェアを19.5%から20.2%に増加させたと指摘。一方、医療施設(動態)調査では、500床以上の病院は496施設から479施設に減少しているとして、特定の医療機関への資源の集中が現実のものになりつつあると強調した。
さらに地方などで医療機関の閉鎖・縮小が相次いだことから、医療費が「勝ち組」となった大規模病院に集中しているとした上で、医療分野での「市場原理主義」に基づく施策が、大規模病院への資源の集中を招いたとの問題意識を表明。平均在院日数の大幅な短縮化や医療機能の集約化は、結果的に「医療難民」「介護難民」として苦しむ患者を増やすことになるとし、市場原理主義からの脱却を強く訴えた。
■「医師不足対策基金」を創設/鹿児島県医、研修医の生活支援
鹿児島県医師会は新たに「医師不足対策基金」を創設し、今後1年間で1億円の募金を集めることを目標に募金活動を開始した。募金の対象は会員個人あるいは会員による法人に限定。医療関係者自身が地域医療を守る姿勢を強くアピールする。
同基金は、県内の臨床研修医を対象に生活支援のための助成を行う。また医学部5・6年生の修学費用を援助する。実際の運営は1年間の募金活動を経て、10年4月からの開始を見込んでいる。
募金は1口1万円以上で個人・法人を問わず何口でも受け付ける。
◎新型インフルエンザ情報
■診察拒否には適切指導を/舛添厚労相
舛添要一厚生労働相は5月6日午後、江利川毅事務次官ら同省幹部との会議で、新型インフルエンザ感染の可能性の低い患者が医療機関から診察を拒否されるケースが相次いでいることについて、「診察拒否は医師法違反であるので、社会的義務としてきちんと対応してほしい」と述べ、適切な指導に努めるよう指示した。また、会議に同席した河村建夫官房長官に対し、成田空港などで「機内検疫」に当たる検疫官が不足しているとして、自衛隊の医官増員などを要請した。
■対処マニュアル「問題あれば緩和」/新型インフルで舛添厚労相
総額14.7兆円に上る2009年度補正予算案が7日、衆院予算委員会で審議入りした。審議の冒頭で町村信孝氏(自民)は、世界中で感染拡大が懸念されている新型インフルエンザ対策について質問。舛添要一厚生労働相は、新型インフルエンザの感染者が国内で発生したときの対処マニュアルについて「毒性の強い鳥インフルエンザを想定したマニュアルなので、弾力的に運用して、国民の自由や経済活動に問題があれば緩和する」と述べた。
また舛添厚労相は、新型インフルエンザ対策で重要なこととして「情報の的確な把握とそれを国民に知らせることだ」と指摘。その上で「まず正しい情報を、できれば私の口から国民の皆さまにお伝えしたい」と述べた。
■新型インフル、政府対応変えず/河村官房長官、フェーズ6でも
河村建夫官房長官は5月7日の記者会見で、世界保健機関(WHO)が新型インフルエンザへの警戒レベルを世界的大流行(パンデミック)を示す「フェーズ6」に引き上げた場合の対応について「政府として特に変わった対応はあり得ない」と述べ、水際対策の徹底や発熱外来の整備など、現行の対策を継続する方針を強調した。
新型インフルエンザが国内で発生した場合に学校休校などを行うかどうかに関しては、「季節性インフルエンザでも、各学校はクラス閉鎖や休校など対応を取ってきている。市町村の自主性を生かし、(感染が)広がらない対策を取る必要がある」として、自治体の判断を尊重する考えを示した。
■6月上旬にはワクチン製造が可能/与党・新型インフルPT
与党の「新型インフルエンザ対策に関するプロジェクトチーム」(PT、座長=川崎二郎元厚生労働相)は5月8日、会合を開き、新型インフルエンザワクチンなどについて意見を交わした。川崎座長はPT終了後の会見で、新型インフルエンザワクチンの製造体制について「政府が決定すれば、6月上旬から中旬には製造を開始できる」との見通しを示した。ただ季節性のインフルエンザワクチンの製造も必要なことから、「両方を考慮に入れて(製造体制を)判断しなければならない」とも述べた。
インフルエンザワクチンの製造体制の決定について川崎座長は「WHO(世界保健機関)が判断するのだろう」との見解を示した上で、「それを受けながら日本も判断する」とした。現在のワクチン製造体制ついては「5月までは季節性のインフルエンザワクチンの製造が続く」と述べた。
公明党の坂口力元厚労相も同日のPT終了後、新型インフルエンザの流行について「秋以降に第2波が来る可能性はある」との危機意識を表明。その上で「総合的にどうしていくか、水際対策も含めて年末をにらんだ対策を示さなければならない」と述べ、検疫体制の再構築も視野に入れて議論する必要性を指摘した。
■新型ワクチン確保へ海外から購入を/与党議連が緊急提言
自民、公明両党のワクチン予防議員連盟(会長=坂口力元厚生労働相)は4月30日、新型インフルエンザの発生を受けて会合を開き、緊急提言をまとめた。国内の新型インフルエンザワクチンの製造能力を高めつつ、並行して、海外からもワクチンを確保する「重層化・複線化」を進めるべきとする内容。
細胞培養技術が確立していない現在、ワクチン製造には鶏の有精卵を用いる。だが、通常の季節性インフルエンザワクチンを製造するために確保した有精卵を新型ワクチン用に回してしまうと、季節性インフルエンザワクチンの供給量に不安が生じる。
また、新型インフルエンザワクチンの株が日本国内にはなく、製造に時間がかかることも課題だ。すでに主要国では、海外のワクチン企業に新型インフルエンザワクチンを発注しているという。同議連は、こうした国際情勢を踏まえて、ワクチン確保ルートの複線化を図るよう提言した。
清水鴻一郎事務局長は会見で、「2009年度補正予算案に計上されている、新型インフルエンザワクチンの研究開発費約1300億円を、緊急避難的に海外からのワクチン購入に回せるよう求めていく」との考えを示した。また、今冬の季節性インフルエンザワクチンの国内供給量が減少することも想定し、「海外から季節性インフルエンザワクチンを輸入することも求めたい」とした。
■医療機関と患者、双方への情報提供が課題に/新型インフル
新型インフルエンザの発生国への渡航歴がない発熱患者が診察を断られたとして相談を寄せるケースが相次いでいる問題で、厚生労働省は5月8日、患者側の誤解によるケースもあったとして患者向けに医療体制を説明することが必要との認識を示した。一方、医療関係者からは情報不足を訴える声も上がっている。感染の懸念が国内でも高まる中、患者と医療関係者双方への適切な情報提供が課題となりそうだ。
厚労省によると、厚労省の相談窓口に寄せられた相談のうち、新型インフルエンザが疑われる発熱患者は受け入れないと位置付けられている医療機関を受診した患者が、院内の掲示を見て拒否されたと誤解した事例があったという。診療拒否問題について厚労省は「医療機関に説明を徹底する」との方針を強調する一方、患者側の誤解を解くために「説明できることは説明したい」としている。
一方、医療関係者側からも情報を求める声が上がっている。東京都病院協会が役員らに対して行った調査によると、「どんな情報が必要か」との質問に対して「どんな情報でも欲しい」との声が目立った。
新型インフルエンザの発生以降、国民向けの相談体制が強化される一方、医療機関を対象とした相談窓口は設置されていない。ただ、厚労省は「相談や質問があれば、厚労省や都道府県の相談窓口や保健所で対応する」としており、厚労省の窓口では医療機関からの問い合わせには医系技官を配置して対応している。「疑い患者が来た場合はどうすればいいか」「薬は効くのか」といった問い合わせが寄せられているという。
国立感染症研究所感染症情報センターがホームページ上で公開している「診断の流れ」によると、一般の医療機関では感染の疑いのある患者は診察せず、発熱相談センターへの相談や適切な医療機関の受診を指示。感染が疑われる患者が連絡なしに受診することを想定し、受付で渡航歴や症状を確認することの重要性も説明している。
現段階では、渡航歴などから問題ないと判断されれば、一般の医療機関で発熱患者を診察するのが原則。厚労省も「やみくもに診察を断るのは問題」としており、「不安な場合はマスクを着用させ、ほかの患者と十分な距離を置くなど感染防止の対策を取った上で、保健所などに診察できるか確認してもらえれば」と呼び掛けている。
■ワクチン製造でシミュレーション/新型インフルで厚労省
新型インフルエンザワクチンの製造について厚生労働省の髙井康行医薬食品局長は8日の参院厚生労働委員会で「現在(新型インフルエンザワクチンを)製造するとした場合のシミュレーションを実施している」と述べ、省内で季節性インフルエンザの製造体制との兼ね合いを検討しているとした。山本博司氏(公明)の質問に答えた。
新型インフルエンザワクチンの製造は季節性インフルエンザの製造と同じように有精卵を使って製造する。このため季節性インフルエンザの製造ラインを止めて製造することになる。山本氏は新型インフルエンザ、季節性インフルエンザ、鳥由来インフルエンザの3つのワクチンの製造方針について聞いた。
髙井局長は「季節性のワクチンの製造を中断して新型のワクチン製造に切り替えることを適宜、判断するなど必要な対策を実施したい」と述べた。新型インフルエンザの重篤性やWHOの提言などを注視しながら必要な対策を実施するとした。
また山本氏は、国外のワクチン製造会社から新型インフルエンザワクチンを購入する可能性についても質問。髙井局長は「輸入は入手可能性に大きな課題があるため、国内の生産体制の整備を優先的に行うべきと考えている」と答えた。
■発熱患者へ適切な診療求める/新型インフルで厚労省
新型インフルエンザの感染が世界的に広がっている問題で、発生国への渡航歴のない発熱患者が医療機関での診察を拒否されたとして、各地の発熱相談センターに相談を寄せるケースが相次いでいる。東京都庁内の発熱相談センターには、5月2日朝から7日朝までの間に「診療を拒まれた」などとする相談が212件寄せられている。厚生労働省の電話相談窓口にも同様の苦情が数件あるといい、厚労省は6日付で都道府県に対し、適切に診察するよう医療機関に周知を求める事務連絡を出した。
厚労省新型インフルエンザ対策推進本部が6日付で出した事務連絡では、国内で感染者が発生していない段階で、発熱患者が発熱外来を置かない医療機関を受診した場合の基本的な考え方をまとめた。
まん延国への渡航歴があるか、患者との接触歴がある発熱患者が発熱相談センターを通じずに医療機関を受診したり、電話による相談があった場合には、発熱相談センターへの電話相談を勧めるとし、発熱相談センターの指示に従って発熱外来を置かない医療機関を受診した場合には、患者にマスクを使用するなど感染予防に必要な指導を行った上で診察すると明記している。
厚労省は問題を受け、いったんは都道府県に対して実態調査を行う方針を固めたが、同本部は「調査は見送り、事務連絡によって対応を徹底してもらう。それでも同様の事案が続くようなら、調査を行った上で指導することを再度検討したい」としている。
■新型インフルのPCR検査、全都道府県で可能に/厚労省
厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部は5月7日、新型インフルエンザへの感染を調べるPCR検査について、全都道府県の地方衛生研究所で実施が可能になったことを明らかにした。これにより、迅速診断キットで感染の疑いがあるとされてから6時間程度で感染の有無を判別できるようになり、検査時間は大幅に短縮される。ただ、最初の数例については、慎重を期すため、国立感染症研究所で再度検査を行い、診断を確定させる。
感染研はメキシコで新型インフルエンザが発生した後、新型インフルエンザウイルスと遺伝子配列が類似したウイルス株を使用してPCR検査用のポジティブコントロールを開発し、各地の地衛研に配布していた。厚労省が確認したところ、6日までに全都道府県の地衛研に試薬が届き、検査体制が整ったと回答した。
さらに、感染研には2日、米疾病管理センター(CDC)から新型インフルエンザのウイルス株が到着。地衛研に配布したポジティブコントロールで新型のウイルスを検出できるか検査したところ、「問題なく検出できる」との結果を得たという。
ただ厚労省は「最初の数例に関しては慎重を期すため、地衛研で新型の陽性例が出ても、最終的に感染研で確認する」としている。
厚労省結核感染症課は1日付で、「新型インフルエンザウイルス診断検査の方針と手引き」を策定し、都道府県などに事務連絡した。方針と手引きでは、検体の採取や保健所へのデータの提供など、医療機関の役割を明確化。関係機関が連携して迅速に対応することを求めている。
検査診断を行う際の医療機関の役割について、方針と手引きでは「新型インフルエンザの診断のための検体を採取する機関として、患者を診察し、国内の発生段階に応じて必要となる検体を採取する」と明記。「疑似症例」に当たる場合は保健所に検体を提出するとともに、患者の接触歴や臨床経過、検査データなどを提供することを求めている。
■新型インフルの医療体制、事前に協議を/厚労省が事務連絡
新型インフルエンザの発生が宣言されたことを受け、厚生労働省医政局指導課は4月29日付で、感染が疑われる患者を受け入れる可能性がある医療機関の医療体制について、事前に関係者と十分協議するよう求める事務連絡を都道府県の担当者に出した。
政府の対策ガイドラインでは、都道府県は新型インフルエンザ以外の患者への医療を確保するため、新型インフルエンザを原則として診療しない医療機関(透析病院、がん専門病院、産科病院など)を指定することができる。指定した場合、逆に指定されない医療機関では感染が疑われる患者を受け入れることになるため、29日付の事務連絡では、「救急の場合」「産科の場合」の医療提供体制を例示して、患者の割り振りについて、各地域の実情に合わせて、地域医師会など関係者間で十分協議しておくよう求めている。
事務連絡での例示によると救急の場合、都道府県が指定する発熱外来を有する救急医療機関、感染症指定の救急医療機関のうち、(1)疑い患者搬入専用の出入り口や初療室・処置室・手術室を設置し、その間の動線も通常の救急搬送患者と交差しない構造になっている(2)専任の医師、看護師などを確保している-を満たす医療機関を指定し、新型インフルエンザが疑われる患者を優先的に受け入れる。
患者数が多く指定医療機関で受け入れきれない場合は、発熱外来を設置しているものの、新型インフルエンザ患者とほかの救急患者の使用区画が分けられていない医療機関でも受け入れを検討する、としている。
また、新型インフルエンザの感染が拡大した場合、医療機関以外の公共施設や医療機関の駐車場などに発熱外来を設置することも想定される。こうした事態に備え事務連絡は、発熱外来の設置許可申請書を事前に提出し、事態発生時には届け出によりただちに許可を与えるなどの対応が必要なことも連絡。具体的な行動計画を、都道府県や地域医師会などが連携して事前に策定しておく必要があることも伝えている。
■直接来院患者の拒否「応召義務違反でない」/外口医政局長
メキシコなど新型インフルエンザまん延国への渡航歴や患者との接触歴が認められる発熱患者が、発熱相談センターを通じずに一般外来を受診した場合について、厚生労働省の外口崇医政局長は5月8日の参院厚生労働委員会で、医療機関が診療を拒否したとしても医師法第19条の応召義務の違反には当たらないとの考えを示した。古川俊治氏(自民)の質問に答えた。
発熱患者が医療機関での診察を拒否されたとの苦情が相次いだため、厚労省は6日付で医療機関向けに患者への対処方針を示した事務連絡を発出している。事務連絡によると、まん延国への渡航歴や患者との接触歴が認められる発熱患者が、じかに発熱外来を置かない医療機関を受診した場合について、医療機関は患者にまずは発熱相談センターに電話で相談し、センターが紹介する医療機関を受診するよう勧めるとしている。
古川氏は「これは要するに診療を拒否するものだが、医師法19条の応召義務違反に当たらないのか」と指摘した。
これに対し外口局長は「新型インフルエンザの感染拡大防止が必要な現時点では応召義務違反にはならないのではないかと考えている」と答えた。
さらに事務連絡では、発熱相談センターの指導に従い発熱患者が発熱外来を置かない医療機関を受診した場合は、医療機関は患者にマスクの着用を指導するなど感染予防に必要な指導を行った上で診察することとしている。
このケースについて外口局長は「発熱相談センターで新型インフルエンザの可能性が極めて低いと判断した場合の対処方針を示したもの」と述べ、基本的には普通に発熱した患者と同等に扱うべきだとした。
■タミフル、830万人分を追加確保/厚労省・上田健康局長
厚生労働省の上田博三健康局長は30日の衆院厚生労働委員会で、新型インフルエンザへの対策について説明した。抗インフルエンザウイルス薬の現在の備蓄状況として、「タミフル」が国、都道府県で3380万人分、「リレンザ」が国で268万人分をそれぞれ確保していると報告。さらに、タミフルは契約が済み次第、830万人分が備蓄として上積みされるとしたほか、リレンザも都道府県で133万人分を備蓄する予定だとした。
マスクについても、4月1日現在のメーカー在庫は7600万枚に上ることを明らかにした。井澤京子氏(自民)の質問に答えた。
◎京都編
■夜間・休日、南部に統合/京都府の精神科救急窓口
京都府は09年度から、精神科救急の手薄な夜間と休日の相談窓口となる北部(舞鶴市)と南部(京都市)の「精神科救急情報センター」を南部に一本化した。北部は専従の医療スタッフが確保できず、相談件数も南部の2割と少ないため、統廃合を決めた。
情報センターは、精神科救急の要として、国が1995年に制度化した。夜間と休日に患者や家族から電話を受け、相談員が病状や緊急性を見極めて入院先を紹介したり、警察や保健所に連絡する。
京丹波町以南を受け持つ南部は京都精神保健福祉協会(京都市上京区)が2002年度から、北部は国立病院機構舞鶴医療センター(舞鶴市)が06年度から、それぞれ府の委託を受けて運営している。
しかし、医療センターによると、相談員の精神保健福祉士を募集しても、まったく集まらず、医師や看護師が午後10時まで相談を受け持つ状況が続いていた。南部は約20人の相談員がいる。また、07年度の相談件数は南部の2850件に対し、北部は550件だった。
このため、府は08年末に南部への統廃合を舞鶴医療センターに打診した。福祉協会も了解し、09年3月に統廃合が決まった。
府は、南部の相談員がスムーズに北部の業務を引き継げるように、精神科救急の基幹病院でもある舞鶴医療センターの医師、看護師たちと意見や情報の交換会を5月に開く。
府障害者支援課は「統廃合で救急医療の態勢が崩れる訳ではない。北部の人は電話代がかさむが、対応時間は増える」としている。
統廃合した「府精神科救急情報センター」はTEL:075(323)5280。
■新型インフル「冷静な対応を」/京都市が対策会議
国内初の新型インフルエンザが確認された高校生の帰国便の座席近くにいた米国人大学生4人が京都市内に滞在していることを受け、市は5月11日午前、新型インフルエンザ対策本部会議を開いた。本部長の門川大作市長が市民や観光業界に冷静な対応を呼び掛けた。
4人は9日の簡易検査で陰性と判明している。4人を含む市内滞在中の同乗者14人に体調の悪化はなく、市は17日まで経過観察を続ける。
中京区の市消防庁舎で開かれた会議では、担当職員が市の対応や米国人大学生の様子などを説明した。10日に市観光協会など観光関連団体へ「現時点で感染の疑いのある人はいないので安心を」と呼び掛ける文書を送付したことも報告した。
門川市長は「事態は長期化する可能性がある。市民には冷静な対応を求め、観光客に対してはおもてなしの心を十分に発揮してほしい」と訓示した。
◎調査・データ編
■後発薬への変更不可は3分の1/厚労省調査
医師の処方せんで、先発薬から後発薬(ジェネリック医薬品)への変更を認めないものが34%あり、変更を認めた処方せんでも実際に後発薬が使用されたのはうち6%だったことが、厚生労働省の調査で5月7日分かった。
医療費を抑制するため厚労省は、有効成分は同じで価格が安い後発薬の使用拡大を期待しているが、処方せん全体ではわずか4%の使用にとどまった。ただ、調査対象となった薬局の58%では「変更可能」との説明を受けても変更を希望しない患者は5割未満で、説明次第では変更の数が増える可能性もあるとみられる。
後発薬の使用を促進するため国は2008年度の診療報酬改定で、後発薬への変更を認めない場合だけ医師が「不可」欄に署名する形に処方せん様式を改めた。
今回の調査では、医師の不可・署名のない処方せんを持参した患者の9割以上に「後発薬への変更が可能」であることを説明している薬局はわずか10%。58%は患者の3割未満にしか説明していなかった。患者が変更を希望しない理由では「後発薬に不安がある」、「(自己負担額の)差額が小さい」などが目立った。
全体の3分の1以上に上る変更不可の処方せんには、後発薬がないケースも含まれる。【共同】
■公立病院改革プラン、92%で策定終了/総務省
病院事業を設置する全国の地方公共団体が取り組んでいる公立病院改革プランの策定は、91.9%の団体で策定が完了し、09年度内の策定予定を合わせると652団体(933病院)、99.4%となる現状にある。総務省が実施した3月31日時点の公立病院改革プラン策定状況に関する調査結果で明らかになった。同省自治財政局は「第一報としてまとめたもので、今後、詳細な分析は継続して進めていく」と話している。
公立病院改革プランの策定状況調査は、調査対象が656団体。その中でプラン策定済み団体は603団体(837病院、91.9%)、09年度内策定予定は49団体(96病院、7.5%)だった。都道府県立病院を所管する47団体で見ると、策定できているのは39団体(83.0%)で、09年度内策定が愛知県、京都府など8団体となった。08年9月の前回調査では、47団体が策定可能としていたが、8団体がこぼれた格好だ。
一方、公立病院改革プランが策定された837病院については、公立病院改革の3つの視点に関する現状を調査。1つ目の経営の効率化については、ガイドラインに沿って3年後の11年度までの経常収支の黒字化を目標にしていると回答したのは544病院(65.0%)だった。その中で、08年度で既に黒字見込みと回答したのは170病院(20.3%)にとどまった。2つ目の視点である再編・ネットワーク化については、08年度内に関係団体で再編・ネットワーク化の基本的な枠組みまで同意しているのが159病院(19.0%)となっている。
3つ目の視点である経営形態の見直しでは、地方公営企業法の全部適用が、既存の300病院、新規78病院と合わせて378病院に増える見通しだ。地方独立行政法人化については、既存が11病院で、新規で34病院が予定されている。
さらに、指定管理者制度の導入は既存の54病院のほか、新規10病院となっている。このほか民間譲渡が12病院、診療所化が18病院などとなっている。
◎環境編
■日米、原子力利用拡大で共同声明/エネルギー政策首脳会談
訪米中の二階俊博経済産業相は5月4日、チュー米エネルギー長官と会談し、「原子力の利用拡大が、エネルギーと地球温暖化の問題を克服する鍵になる」との共同声明を発表。先進的な核燃料サイクル技術の研究開発と、核燃料の供給を保証する国際的な枠組み構築に向けた協力を今後も続けることで合意した。
オバマ政権は、ブッシュ前政権が提唱した原子力政策「国際原子力パートナーシップ(GNEP)」について、使用済み核燃料の先進的な再処理施設と、再処理で取り出したプルトニウムを燃やす高速炉の国内建設を断念する方針を決めていた。
今回の共同声明はそれ以外の分野について日米協力の継続をうたった。原発の新規建設を促進する金融支援策や核不拡散、テロなどの脅威からの核防護といった分野でも協調するとした。【ワシントン5月4日共同】
■冷却系設備試験でトラブル/柏崎刈羽原発7号機
2007年7月の新潟県中越沖地震後、1年10カ月ぶりに運転を再開したばかりの柏崎刈羽原発7号機(新潟県)で、非常用炉心冷却系の設備の試験中にトラブルがあったと、東京電力が5月11日、発表した。 環境への放射性物質放出などの影響はないという。7号機は運転を続けている。
東電によると、11日朝、緊急時に原子炉に冷却水を注入する「原子炉隔離時冷却系」の起動試験をしたが、冷却水をためている「圧力抑制プール」の水位が通常より上昇したため、低下させた。その後隔離時冷却系を停止しようとしたが、通常のボタン操作では停止できず、手動で弁を操作して止めた。
東電は、水位上昇は操作の遅れによる人為的なものとみている。通常操作で停止できなかった原因は不明。40-50日と想定している全体の試験日程に影響する可能性もある。
東電は地震後の点検、復旧を終え、国と地元自治体の了承を得て9日、同原発で地震後、初めて7号機を起動した。【共同】
■人文字で反プルサーマル訴え/玄海原発の佐賀で1500人
玄海原発(佐賀県玄海町)で今秋、全国で初めて実施される予定のプルサーマルの中止を求め、主に九州各地から集まった約1500人が5月10日、佐賀市の公園で、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料に反対する人文字を作った。
親子連れや高齢者のグループなどが次々に集合。バンド演奏や講演の後、人文字作りが始まった。縦約20メートル、横約100メートルの範囲にあらかじめ描かれた輪郭に沿って並び、「NO
MOX」の文字ができると、空に向けて一斉に手を振った。
プルサーマルは、原発の使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、ウランと混ぜて作ったMOX燃料を普通の原発で使う。国や電力会社は資源の有効活用になるなどとして推進しているが、安全性を懸念する声もある。【共同】
■放射能から食の安全を守ろう/京の団体が署名活動
青森県六ケ所村の核燃料再処理工場の本格運転で京都の食の安全が脅かされるとして、京都市の市民団体や環境団体が5月8日、「再処理工場からの放射能放出を禁ずる法制定を求める」意見書採択を市議会に要求する署名活動を始めた。
呼び掛けたのは「再処理を案ずる府民の会」(左京区)と「グリーン・アクション」(同)。現在は試運転段階の再処理工場が本格運転することで大量の放射性物質が海と大気に放出され、リンゴやナガイモといった青森県の農産物、青森、三陸沖の海産物に蓄積されて京都の食卓にも影響するとして、食の安全安心を守る「放射能海洋・大気放出規制法」(仮称)の制定を求めている。詳細はグリーン・アクションのホームページ。
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