週刊医療情報インデックス
2009年2009年3月第4週 (2009.03.24~2009.03.30)
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【ウイークリーダイジェスト】
■オンライン請求「医療機関への配慮」明確化/31日に閣議決定
政府は3月27日、2011年度からのレセプトオンライン請求の原則完全義務化について、新たな例外規定の追加を可能とする「規制改革推進のための3か年計画(再改定)」を31日に閣議決定する方針を再確認した。24日に自民党・行政改革推進本部と規制改革委員会がまとめた「3か年計画(再改定)」からは若干の文言修正はするものの、例外規定を設ける方針や地域医療の崩壊に配慮する趣旨は堅持する。
自民党は27日の総務会で、24日に党内の合同会議でまとめた「3か年計画(再改定)」修正案の了承を見送り、総務会長一任とした。「地域医療の崩壊を招くことのないよう、自らオンライン請求することが当面困難な医療機関等に対して配慮する」との文言を追加したにもかかわらず、「実施予定時期」の欄には「11年度の原則完全オンライン化」との記載が残っており、矛盾が生じるとの異論が出たためだ。
自民党は総務会終了後、さらなる修文作業に着手。義務化について「原則現行以上の例外規定を設けない」「当面困難な医療機関等に対して配慮する」との文言はそのまま固定。その上で「実施予定時期」の欄に記載している「08年度から順次義務化、11年度当初から原則完全オンライン化」との表現に、「左記を踏まえて」との文言を追加し、「08年度から順次義務化、11年度当初から左記を踏まえ原則完全オンライン化」に変更することにした。11年度当初からの原則完全オンライン化は、「自らオンライン請求することが当面困難な医療機関等に対して配慮」することを「踏まえて」行うことを強調することで、矛盾は解消するとして決着した。
■処遇改善の報告を義務付け/野党4党、介護報酬10%増法案を提出
野党4党(民主・共産・社民・国民新)は3月26日、介護報酬を10%引き上げることを柱とした「介護労働者の人材確保に関する特別措置法案」を参院に提出した。政府の介護報酬改定3.0%増に新たに7%増を追加し、介護職員の給与増など処遇改善を図る。
野党4党は、介護職員の賃金引き上げには3.0%増では不十分だと判断。1人当たり月額4万円の賃金引き上げを実現するために7%増を加え、計10%増の大幅な介護報酬引き上げを求めている。
法案によると、介護報酬増が賃金引き上げに反映されたかどうかを確認するため、事業者に対して、市町村に処遇改善の実施状況を報告するよう義務付ける。さらに事業者が改善策を講じなかったり不正を行ったりした場合には、市町村が助言や勧告、立ち入り検査、介護報酬の支給停止などをできるようにした。
介護報酬引き上げの財源は全額国費を投入する。保険料の引き上げは行わず、利用者負担も上がらないようにする。介護保険制度の抜本的な見直しが行われて介護人材の確保に支障がなくなった段階で、この法律を廃止する。
民主党の直嶋正行・政策調査会長は法案提出後の会見で、3.0%増では賃金引き上げにほとんど反映されないとの指摘が介護関係者からあったと説明。その上で「(7%増の追加で)だいたい1人当たり月4万円ぐらいの給与のアップにつながっていくと思っている」と述べ、野党案の方が確実に処遇改善につながるとした。
■09年度予算が成立/厚労省分は25兆1568億円
医師確保や救急医療対策などを盛り込んだ2009年度予算案が3月27日成立した。同日の参院本会議は、民主党など野党3党の反対多数で否決したが、憲法で定める予算案の衆院優越の規定を適用。一般会計の総額は88兆5480億円(前年度比6.6%増)で、厚生労働省分は25兆1568億円(同13.7%増)となった。
厚労省分のうち社会保障関係費は24兆6522億円(同14.1%増)を計上。過酷な条件下での診療を強いられている勤務医や産科医に対する支援のほか、ドクターヘリ導入の推進などを実施する。また、人材不足が危惧されている福祉・介護サービス従事者の確保も盛り込んでいる。
消費税を含む税制抜本改革の基本方針を明記した税制改正関連法案など予算関連4法案も同日、参院本会議で否決されたが、衆院本会議で与党が3分の2以上の賛成多数により再可決し成立した。
■都道府県別料率の変化幅、10分の1に/健保法施行令を一部改正
政府は3月24日の閣議で、協会けんぽ(旧政管健保)の保険料率が全国一律から都道府県別に移行することに伴う保険料率の算定方法などを定めた「健康保険法施行令の一部を改正する政令」を決定した。保険料率が都道府県別に移行するのは2009年9月で、被保険者の10月支払い分から適用する。
移行に伴う保険料の激変を緩和するための経過措置については、引き上げ幅・引き下げ幅を10分の1とすることとし、13年9月までの4年間適用する。
■2200億円撤回「各党で一致、その方向に」/与謝野財務相
与謝野馨財務相(経済財政、金融担当相)は3月26日の参院予算委員会で、社会保障費の自然増2200億円削減を撤回すべきとの質問に対し、「自民党も民主党もほかの政党も、この点についてはほぼ一致しているのではないか。各党が一致していれば、政策はそういう方向に行くのではないかと思う」と述べ、2200億円削減を継続することは難しいとの認識を示した。民主党の蓮舫氏に対する答弁。
■後期高齢者見直し、09年度補正視野に/自民・医療委
自民党の社会保障制度調査会・医療委員会(鴨下一郎委員長)は25日、後期高齢者医療制度の見直しに向けて、厚生労働省の「高齢者医療制度に関する検討会」(座長=塩川正十郎・元衆院議員)がまとめた「議論の整理」について報告を受けた。出席議員は厚労省に対し、政府が検討を進めている2009年度補正予算編成をにらんで制度を見直すよう要求。次回会合は31日に予定しており、09年度補正予算で対応できる項目などについて議論する。
出席した議員からはこのほか、「保険料の負担を一定の年齢以上になったら免除してはどうか」「高齢者の怒りの中心は、75歳で別の制度に移されたこと」といった声があった。
医療委員会事務局長の加藤勝信衆院議員は委員会終了後、記者団に対し「次回会合では(後期高齢者医療制度の見直し項目の中で)補正予算でやるべきものがあるかどうか論点整理する」と述べた。また「短期的に見直しが図れるものと、長期的に議論を重ねなければ見直しができないものと区分けして議論する」とも語った。
08年9月の自民・公明両党の政権合意には、1年をめどに後期高齢者医療制度を抜本的に見直すことが盛り込まれている。鈴木俊一・社会保障制度調査会長は同日の医療委員会で、制度の見直しのスケジュールについて「制度設計までは至らないと思うが、春までに一定の方向性を決めていく」と述べた。
■オンライン義務化、新たな例外可能に/規制改革3か年計画を再改定へ
自民党の行政改革推進本部(本部長=中馬弘毅・元行政・規制改革担当相)と規制改革委員会(委員長=村田吉隆・元国家公安委員長)は3月24日、「規制改革推進のための3か年計画」の再改定を審議し、2011年度からのレセプトオンライン請求の義務化について、新たな例外規定の追加を可能とする文言を加えた修正案を了承した。オンライン請求への移行が困難な医療機関に対しては、レセプトコンピューターの導入費用の助成や代行請求費用を補助することなどを視野に入れ、検討していくことでも一致した。こうした方針を盛り込んだ「3か年計画(再改定)」を3月31日にも閣議決定する。
政府は08年3月25日、レセプトオンライン請求について、08年度からの逐次義務化と、11年度当初から原則完全義務化する方針を盛り込んだ「3か年計画(改定)」を閣議決定した。ただレセコンを使用しておらず、月間平均請求件数が医科や調剤で100件以下、歯科で50件以下の場合には、11年度から2年間の経過措置などを設けている。
同日の合同会議で了承した修正案では、「義務化において現行以上の例外規定を設けないこと」としていた08年の閣議決定の文章に、「原則」という文言を挿入し、「義務化において原則現行以上の例外規定を設けないこと」に改め、完全義務化の色彩を薄める内容とした。
さらに「その際、地域医療の崩壊を招くことのないよう、自らオンライン請求することが当面困難な医療機関等に対して配慮する」という一文も付記した。
行政改革推進本部の後藤茂之事務局長(党厚生労働部会長)は合同会議終了後、記者団に対し「レセプトオンライン請求義務化を理由に、結果として、地域医療を支えている医療関係者の退場を招くことはしないという趣旨の見直しだ」と強調した。今後の対応については「白紙」としながらも、政府として、オンライン請求のためのレセコン導入費用の助成や、代行請求費用の全額補填などを検討していくとの見通しを示した。
合同会議では、社会保障制度調査会・介護委員会の田村憲久委員長が「みんな義務化をしろというのは、規制緩和ではなく規制強化だ」との問題意識を表明。新たな例外規定を設ける内容に改めたことを評価しつつも、「(医療機関の経営が厳しい中で)きちんと予算措置をすることが大前提」と注文を付けた。
■オンライン代行請求、費用負担軽減を/自民・特命委員会
自民党の「日本の活力創造特命委員会」(委員長=保利耕輔政調会長)は3月24日、2009年度補正予算の編成をにらみ、レセプトオンライン請求義務化に対する医療機関の支援策などを盛り込んだ「日本の活力総合戦略」をまとめた。今後、同党の日本経済再生戦略会議(会長=町村信孝前官房長官)に報告する。
11年度から原則義務化されるレセプトオンライン請求の義務化については、「診療所・薬局などにおいて、レセプトオンライン化に必要な設備投資や代行請求を利用する際の費用負担を軽減し、オンライン化を促進する」と明記した。IT化関連では、医療計画に基づく医療機能の分化、連携を促すため、電子カルテや遠隔医療システムなどの医療機関への導入促進策を講じるべきとした。
このほか、新型インフルエンザ対策として、ワクチンの開発・生産期間の大幅短縮の必要性を指摘。「全国民分の新型インフルエンザワクチンを約半年で生産可能な体制を構築」するとした。予防医療の観点からは、ワクチン開発・供給を担うワクチン産業の育成も課題に挙げた。
■オンライン化で診療所などに支援策を/諮問会議の民間議員も指摘
3月25日の経済財政諮問会議で民間議員は、「情報通信分野における成長戦略について」と題する資料を示した。情報通信技術(ICT)の市場規模は約100兆円(2006年度現在)で、経済成長に貢献しているほか、雇用誘発効果も高いと指摘。論点の1つとして、ICTの活用が遅れている分野への抜本的な普及策が必要として、11年度のレセプトオンライン請求の義務化問題を取り上げた。
具体的には「11年度までのレセプトオンライン化を確実に実施するため、診療所や薬局などへの支援策を講じるべき」と提案した。
民間議員らは同日の会議で「11年度の実施の計画は崩すことなく完遂してほしい。もちろん地域への配慮は必要だと思う」「レセプトオンライン化は支援措置がないと大変困難になる」「必要があれば支援すべき。レセプトオンライン化(の目標年次)を遅らせる理由はない」などと発言した。
資料では「社会保障カードの実験的導入などとの整合性を確保しつつ、『電子私書箱』構想の実現に向けた工程表を作成すべき」とも提言した。
■医療・介護で需要創造を/諮問会議が「経済危機克服の道筋」
政府の経済財政諮問会議の民間議員は3月25日の会合で、「経済危機克服の道筋について」と題する資料を提示した。資料では今後3年程度を見据え、「危機」「底入れ」「回復・成長」の各局面に応じた経済危機克服対策が必要と指摘。医療関連では「底入れ局面」で、社会保障機能強化の前倒しとセーフティーネットの整備・拡充を、「回復・成長局面」で、「中期プログラム」に基づく持続可能な社会保障構築と、安定財源確保や財政規律の回復を訴えた。同日の会議では、この方針について共通認識が得られたという。
資料では、経済財政政策の「論点」も提示。「中期プログラム」と財政規律との関係については「高水準の債務残高や財政拡大が景気拡大に及ぼす影響などを勘案し、財政の持続可能性に配慮すべき」との認識を表明。さらに「『中期プログラム』などの内容の具体化を進め、財政健全化の取り組みを着実に行う必要があるのではないか」と注文を付けた。このほか内需拡大については「環境、医療・介護・子育て、住宅分野などの潜在的需要の顕在化を通じて、需要創造を進めるべき」とも提案した。
■医療経済実調の方法など了承/中医協総会
中医協は3月25日の総会で、2010年度次期診療報酬改定に向けて実施する医療経済実態調査の方法を了承した。今回は従来の6月単月に加え、09年3月末までに終了する直近の事業年度の状況についても調査する。このため、調査項目を大幅に削減するとともに、報告は10月末の速報のみとし、来年の本報告はしない。法人立の医療機関については税引き前の当期純損益に加え、税引き後の損益差額も調査する。
総会ではこのほか、1日から新たに保険適用されている医療機器49件の報告もあった。医科の内訳は、特定の診療報酬項目で包括的に評価されている「区分A2」25件、材料価格として個別に評価されている「区分B」22件。歯科は「区分A2」「区分B」各1件。
■「在宅医療」など10項目、次期改定は落選/DPC新係数で中医協
中医協・診療報酬基本問題小委員会は3月25日、DPCの調整係数に代わる新たな機能評価係数の議論の経過について、DPC評価分科会の西岡清分科会長(横浜市立みなと赤十字病院長)から報告を受けた。分科会が優先度に基づいて4分類にまとめた「新係数候補」については、最も優先度の低い「医療機関の負担が大きく速やかにデータを把握することが困難、または急性期としての評価が困難」に分類された10項目を、2010年度次期診療報酬改定時の導入対象から除外することで合意した。
次期改定での導入に向けて、今後の検討対象となるのは(1)DPCデータを用いて分析が可能(8項目)(2)DPCデータによって一部分析が可能、または医療機関の負担が少なく速やかにデータの把握が可能(5項目)(3)既存の制度との整合性などを図る必要がある(14項目)―の計27項目に絞られた。
検討対象項目については「さらにエビデンスなどの整理が必要」との意見で一致し、分科会に詳細な議論を求めた。
対象から除外された項目には「合併症予防」「再入院予防」「救急医療の患者選択(トリアージ)機能」「全診療科医師の日・当直体制」「地方診療所などへの医師派遣」「在宅医療」などに対する評価が盛り込まれている。
■DPC自主退出ルール策定へ/中医協小委が合意
中医協・診療報酬基本問題小委員会(委員長=遠藤久夫・学習院大教授)は3月25日、DPC対象病院が自主的にDPCを辞退するルールづくりに着手することで合意した。
DPCの自主退出をめぐっては、08年10月に診療側委員も連名でルールづくりを提案する意見書を中医協に提出していた。厚生労働省はこの日の小委で、自主退出の可否に加え、可能とした場合の適切なルールや、一度退出した病院の再参加についての検討を求めた。支払い側の小島茂委員(連合総合政策局長)も「退出のルールは必要」と同意した。
厚労省は同日、4月1日から新たにDPC対象病院となる335施設の調整係数を告示した。告示された病院は自治体病院が目立つ。7月1日には約230施設が対象病院に移行する見通しとなっている。
■後発品促進に「改善の余地」/中医協・改定結果検証部会
厚生労働省は3月25日の中医協・診療報酬改定結果検証部会に、2008年度改定で実施した後発医薬品使用促進策の影響調査結果を報告した。調査結果では、後発品への変更が可能な処方せんが65.6%を占めたものの、実際に変更されたのは6.1%にとどまり、74.8%は理由なしに変更していなかった。「後発品が薬価収載されていない」「患者が希望しない」のいずれかの理由で変更しなかったのは計19.1%だった。同日の検証部会では、薬局の取り組みに改善の余地があるとする意見が相次いだ。
調査は、全国の保険薬局2000施設を対象に実施。08年12月の1カ月の処方せん48万6352枚(回答371施設)について、処方せん様式再変更の影響などを調べた。
中医協会長を務める遠藤久夫委員(学習院大教授)は同日の部会で、今回の結果について「(06年度改定時の影響調査結果と比べると)薬局の行動も変わってはいるがまだのようだ」と述べ、薬局の取り組みに改善の余地があるとの認識を示した。特に7割以上が理由なしに変更していない状況については「在庫がないのか、患者に説明していないのか原因を考える必要がある」と述べた。
■新係数候補、優先度に基づき4分類/DPC分科会
厚生労働省は3月23日の中医協・DPC評価分科会(分科会長=西岡清・横浜市立みなと赤十字病院長)で、DPCの調整係数に代わる新たな機能評価係数に関して中医協・基本問題小委員会への経過報告案を示し、大筋で了承された。事務局案ではこれまで議論された新係数の候補を、優先度の高い順に(1)DPCデータを用いて分析が可能(8項目)(2)DPCデータによって一部分析が可能、または医療機関の負担が少なく速やかにデータを把握することが可能(5項目)(3)既存の制度(既存の機能評価係数や出来高評価など)との整合性などを図る必要がある(15項目)(4)速やかなデータ把握が困難、またはDPCとしての評価が困難(9項目)―に整理している。
委員の間では(1)に分類された「手術症例数に応じた評価」や、(2)に分類された「術後合併症の発生頻度による評価」などについて議論となった。
■高度医療、診療所も実施可に/評価会議、要件見直し了承
厚生労働省の高度医療評価会議(座長=猿田享男・慶応大名誉教授)は3月26日、「高度医療評価制度」の実施機関の要件などに関する見直し案を了承した。(1)緊急時対応が可能な体制(2)医療安全対策に必要な体制―を持つ場合、診療所でも実施を可能とする。
同制度は、薬事法上未承認などの医療機器・医薬品を用いた先進医療技術について、一定の条件の下に保険診療との併用を認める仕組み。
要件の見直しはこのほか、新規の高度医療として申請するときに(1)技術の内容を論述した論文1本以上(2)技術の有効性・安全性を評価した原著論文1本以上―の添付を原則とし、(2)の文献の添付が困難な場合は理由を明示するよう求める。
この日は、前立腺がんや神経膠芽腫を適応症とする未承認薬(ペプチドワクチン)を使った治療法など、1月に申請のあった2技術について審議したが、新たな要件などに基づいて議論する必要があるとの意見で一致し、あらためて審議することにした。
■国保の特定健診・保健指導に事例集作成/厚労省検討会
厚生労働省の「市町村国保における特定健診・保健指導に関する検討会」(座長=伊藤雅治・全国社会保険協会連合会理事長)は3月23日、ワーキンググループ(WG)から事業の経過や新年度の計画について報告を受けた。
特定健診・保健指導の準備事業として実施された2007年度国保ヘルスアップ事業への取り組みを調査していたWGからは、全国9市町に対して実施した現地調査を基に、特徴的な取り組みをまとめた事例集の案が示された。事例集は「実施体制」「受診率・実施率、継続率向上のポイント」「受け入れ体制構築のポイント」などをまとめ、それによる成果について解説している。
事例集は、修正を経た上で5月中をめどに市町村や都道府県の国保担当課と国保連合会などに配布。今後の特定健診・保健指導の実施に役立ててもらう。
また、服薬中の患者に対する保健指導の効果を検証するための調査を行っているWGは、最終的な調査参加患者は260人程度になる見通しであることなど、調査の進捗状況を報告した。
09年度は、特定健診・保健指導の初年度を振り返り円滑な実施のための方策の検討に入る。厚労省への報告やアンケート調査などを通じて、2008年度の実施状況を把握して実績の評価を行うとともに、(1)受診率、実施率向上のための方策(2)中断者、脱落者防止のための方策(3)効果的な保健指導プログラム―などについて検討を行う。
服薬中患者を対象とした調査は09年度も継続。調査では、保健指導の効果を検査値や投薬量、薬剤費をはじめとする医療費の推移で評価することとしているが、「治療の効果と保健指導の効果をどう区別して分析するか」など課題もあり、評価方法についてはさらに検討を進める。
■公共的な空間、原則全面禁煙に/厚労省検討会が報告書
厚生労働省は3月24日、「受動喫煙防止対策のあり方に関する検討会」(座長=久道茂・宮城県対がん協会長)の報告書を公表した。基本的な方向性として、多くの人が利用する公共的な空間は原則として全面禁煙にすることを求める一方、喫煙者や飲食・旅館などの業者に配慮し、「社会情勢の変化に応じて暫定的に喫煙可能区域を確保することもとり得る方策の1つ」とした。
報告書では、施設や区域で具体的に進めるべき施策として(1)国と地方公共団体は、全面禁煙とすべき施設・区域を示す(2)国は受動喫煙防止対策の取り組みについて、進捗状況や実態を把握する(3)施設管理者や事業者は、全面禁煙が難しい場合でも、適切な受動喫煙防止措置を講ずるよう努める(4)喫煙可能区域を確保した場合には、そこに未成年者や妊婦が立ち入らないようにする措置を講ずる(5)従業員を健康被害から守るための対応について検討を深める―などが必要と指摘している。
また、今後の課題として、職場での受動喫煙防止対策の検討や、たばこ価格・たばこ税の引き上げによる喫煙率低下の実現などを挙げている。
厚労省は検討会の報告を受け、月内にも病院や公共交通機関など全面禁煙とすべき場所をまとめ、都道府県に通知する方針だ。
■臨床研修修了者に初のアンケート/厚労省、医師不足対策の資料に
厚生労働省は、医師臨床研修を08年度末に修了する全医師を対象とした初のアンケート調査を実施している。出身地や臨床研修先病院、研修内容の満足度、研修前後での志望診療科の変化などを尋ねる内容で、厚労省は「今後の医師不足対策の基礎資料としたい」としている。
アンケートは22項目にわたり、研修先を選んだ理由や研修後に志望診療科が変化した場合の理由、初期研修修了後に希望する研修先・勤務先とその理由なども尋ねている。3月末までに研修先の事務局に提出、各施設が取りまとめて4月30日までに各地方厚生局健康福祉部医事課あてに提出する。
■4月1日付で8健保組合が解散
厚生労働省は3月27日、09年4月1日付で8つの健康保険組合が解散すると発表した。
解散するのは、埼玉県内の運送業者500社でつくる「埼玉県トラック」や福島県の観光サービス業「常磐」など8組合。厚労省保険局保険課は解散理由について(1)従来も保険料率が協会けんぽ以上だったため健保組合を維持するメリットが薄れていた(2)今後も標準報酬の伸びが期待できない中で医療費の増加や医療保険制度の改正による納付金などで財政が厳しい(3)組合規模が小規模―の3点を挙げている。
8組合が解散することにより、09年4月1日現在の健保組合の総数は1485となる。
■未届けの老人施設の実態把握へ/防火体制も点検、厚労省が通知
10人が死亡した群馬県渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」の火災を受け、厚生労働省老健局振興課は3月23日、未届けの有料老人ホームの届け出促進について都道府県に通知した。老人福祉法に基づく有料老人ホームの届け出をしていない高齢者施設の実態把握を行い、3月27日までに未届け施設の件数を報告するよう求めた。
通知ではこのほか、未届け施設の防火安全体制についても緊急点検することとし、この結果は4月30日までに報告を求めた。
「たまゆら」は老人福祉法上の有料老人ホームの届け出を行っておらず、2007年4月に群馬県が行った県内の未届け施設を対象とした説明会にも参加していなかった。厚生労働省の説明によると、群馬県は23日に「たまゆら」が有料老人ホームに当たるかどうかの訪問調査を行う予定だった。厚生労働省老健局振興課の土生栄二課長は23日の全国介護保険指導監督担当者会議で「こうした県の対応の最中に起きた事故だった」と話し、「たまゆら」が未届けだったことに問題意識を示した。
厚労省は22日に職員を現地に派遣。実態把握と関係行政機関との対応に当たっている。
■次期改定も「病院に軸足」/佐藤医療課長
厚生労働省保険局医療課の佐藤敏信課長は3月21日、北海道病院協会の研修会で講演し、次期診療報酬改定の方向性について「前回の改定もそうだが、病院に軸足を置いた改定の方向性は変わらないだろう」と述べた。
その上で、診療報酬改定を科学的・論理的なものとするためにも「次回に間に合うかどうかは別にして、科学的なデータの収集が必要になる」と指摘。「どの診療科がどの程度厳しい状況に置かれているのか、その状況を解消するには診療報酬のどの項目を改定すればよいのか、データを示して取り組む必要がある。そのためには部門別収支を将来的に出していかなければならない」と述べた。
■地域医療損なわないよう留意を/社保病院で専門家会議が報告書
社会保険庁の「社会保険病院等に関する専門家会議」(座長=田中滋・慶応大大学院経営管理研究科教授)は3月23日、報告書を取りまとめた。同会議は社会保険病院や厚生年金病院の整理合理化を進める際、病院経営の評価や地域医療で担う重要な病院機能を検討する目的で2007年11月に設置した。報告書は社会保険病院などが地域医療に果たしてきた役割を評価し、社保庁に対しては今後の改革に向けて、各病院の経営面、機能面の評価も踏まえながら、地域の医療提供体制を損なわないことや、安定的な経営に留意することを求めている。
ただ、社会保険病院と厚生年金病院の63病院は08年10月から年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)が保有し、3月6日には厚生労働省がRFOに具体的な売却方法を通知で指示している。
■産科補償制度の運営経費は45億円/対保険料割合14.3%、09年度予算
日本医療機能評価機構は3月25日、産科医療補償制度運営委員会を開き、2009年度の収支予算を報告した。事務コストなど運営経費は45.2億円を見込んでおり、保険料総額315.7億円に占める割合は14.3%になるとした。08年12月の前回会合では17%程度としており、事務コストは若干絞られた格好だ。
運営経費45.2億円の内訳は、評価機構が11.3億円(登録事務手数料除く)、保険会社が33.9億円。保険料総額に占める運営コストを14.3%に抑えることから、支払い保険金(補償金)は85.7%となる。損害保険会社全社の決算(2007年度)によると、保険料に占める支払い保険金割合は62.8%で、産科補償制度よりも低い。評価機構は、国などの支援によって運営経費は削減できるとした。
補償対象となる脳性麻痺児を適切に診断するための「診断協力医」は現在、約300人に委嘱手続きを進めていると報告した。評価機構は補償請求用の専用診断書と合わせて診断医用マニュアルを作成中で、6月に行う「診断協力医」を対象とした研修会で完成版を配布する予定だ。
同日は09年3月24日現在の制度加入状況も報告した。制度加入率は99.2%で、区分別では病院が100.0%、診療所が99.4%、助産所が96.3%。妊産婦の登録件数は61万4290件だった。
■電子レセの進展で「最大の変革期」/支払基金・中村理事長
社会保険診療報酬支払基金の2008年度全国基金幹事長会議が3月25日、開かれた。中村秀一理事長は電子レセプトの急速な進展を踏まえ「支払基金は最大の変革期を迎えた」と強調。レセプトオンライン請求が義務化される2011年度を見据え、09年度以降の2年間は特に電子レセプトに対応した新しい審査支払い業務の確立に向けて集中的に取り組む意向を示した。
中村理事長は理事長説示の中で、支払基金が受け付けたオンライン請求の割合は2008年10月の12.8%から、09年2月には28.6%に倍増したと報告。また、オンライン以外の電子媒体を含めた電子レセプトによる受け付けが08年10月の51.2%から09年2月には57.6%に達しているとし、「すでに電子レセプトと紙レセプトの割合は6対4となりつつある」と述べた。
その上で、09~11年度の支払基金の基本方針に盛り込んだ「電子レセプトに対応した新たな審査支払い体制の構築」について、特に(1)コンピューターを活用した審査支払い機能の拡充(2)現行の審査支払い体制からの円滑な移行─に努力を傾注する考えを強調。レセプトオンライン化で審査の透明化を図り、支部間の差異解消につなげていく意向も明らかにした。
紙レセプトから電子レセプトへの移行に伴い、支払基金の業務の重点が「請求支払い業務」から「審査業務」に移行することが見込まれることから、業務処理体制や組織運営の見直しに取り組む方針も示した。組織運営については、特にシステムの安定的運営や障害発生時の対応に配慮する考えを示した。
全国組織としての機能強化を図り、本部と47支部が一体的運営に当たるとの方向性も示した。新たに「全国基金研究発表会」を09年7月に開催する計画もあり、各支部が日常的に取り組む審査の充実や運営上の方策などを発表し意見交換する。
事業実績などの分析・評価への取り組みも強化し、実際の運営管理に役立てる。情報開示を積極的に進め、支払基金としての説明責任を果たす方針も示した。
また「今後の審査委員会のあり方に関する検討会」を設置する考えをあらためて報告。電子レセプトに対応した新しい審査体制のあるべき姿について検討する意向を示した。
■都道府県別料率の激変緩和を了承/全国健康保険協会の運営委
全国健康保険協会運営委員会(委員長=田中滋・慶応大大学院教授)は3月27日、9月から導入する協会けんぽ(旧政管健保)の都道府県別保険料率に関する激変緩和措置を了承した。各都道府県の医療費を基に年齢・所得の状況を勘案して試算した保険料率について、現行の保険料率からの引き上げ・引き下げ幅を10分の1に圧縮する。
同日は激変緩和措置に伴い、保険料率のうち高齢者医療の拠出金などに充てる特定保険料率を全国一律に3.2%分とし、これ以外の部分を基本保険料率とする協会定款の一部変更も了承した。
激変緩和措置により、保険料率が最も高いのは北海道の8.26%、最も低いのは長野県の8.15%となる。この日の運営委では、激変緩和策についての各都道府県支部長の意見も示され、「やむを得ない」「妥当」とする意見が大勢を占めた。
ただ、料率が最も高くなる北海道支部からは「医療供給サービスの偏在が医療費に対し多大な影響を及ぼし、保険者の責に帰すことができない」などとし、医療供給サービスの偏在を調整する仕組みを求めた。また、料率が最も低くなる長野県は「それまで俎上にも載らなかった激変緩和案で決着し、評議会での議論がまったく反映されないとすれば、評議会で議論する意味がないとの主張が出ても無理はない」とした。
こうした意見を踏まえ運営委は(1)国と協会が連携して、国民の理解が得られるよう、十分な周知広報をする(2)2010年度以降の料率の取り扱いについては、支部評議会の意見を引き続き十分に聴取するとともに、早期に方針が示されるようにする(3)都道府県の医療費などの分析に努め、エビデンスやデータの利用可能性も含め、料率算定方法について適切な仕組みを検討する―などを協会側に求める意見書を採択した。
この日は、協会の新年度の事業計画・予算も原案通り了承した。基本方針として、都道府県別料率移行に伴う激変緩和措置の期限が13年9月となっていることを踏まえ、新年度から2~3年間を「保険者機能の強化のための集中的な取り組み期間」と位置付け、加入者の疾病予防や健康増進、医療の質の向上、医療費適正化のための取り組みを総合的に推進する。
■入院扱い中止、議会が容認/岩手の県立医療機関
複数の県立医療機関で入院患者の受け入れをやめることに岩手県議会が反対し、達増拓也知事が議会で土下座した問題で、同議会本会議は3月25日、入院受け入れ中止を前提とした2009年度予算案を可決した。県政運営が暗礁に乗り上げていた達増知事が当面の課題をクリアした形だ。
議会には当初「09年度予算案の否決も視野にある」との声があったが、「4月からの病院運営に支障が出る」と懸念が出たほか、入院受け入れ中止後の対応などを地域住民らと協議する経費の増額に知事側が同意したこともあり、容認に傾いた。
入院受け入れを中止する「無床化」をめぐっては、県が4月からの計画を「住民を見捨てるのか」などの批判が強いまま、ほぼ原案通りに決めたことから議会側と摩擦が強まった。入院が必要な患者らを遠方の基幹病院に送迎する無床化代替策のマイクロバス5台の購入に県議会野党側が反対したため、3月6日、達増知事が議場で土下座した。
岩手県議会は議員数47のうち自民、社民などの野党側が26と過半数。21人の民主系会派は民主党員でもある達増知事を支えきれず、紛糾を招いた。【共同】
■「総合周産期」返上を打診/愛育病院、医師確保困難で
東京都から早産などハイリスクの妊産婦を24時間体制で受け入れる「総合周産期母子医療センター」に指定されている愛育病院(中林正雄院長)が、複数の医師による当直が困難なことなどから、都に指定の解除を打診したことが3月25日、都や病院への取材で分かった。愛育病院は必要な医師数が少なくて済む「地域周産期母子医療センター」への指定見直しを希望し24日、都に意向を伝えた。都は医療体制に大きな影響が出るため、病院側と協議している。愛育病院によると、15人の産科医のうち3人が子育てなどのため夜間勤務ができないという。
3月中旬、三田労働基準監督署は労働基準法に基づく労使協定(36協定)を結ばず、医師に長時間労働をさせていたとして、是正を勧告。これを受け病院側は「各医師に法定の労働時間を守らせると、医師2人による当直は難しい」(中林院長)と判断した。
都の基準では、「総合」は新生児集中治療室(NICU)などを備え、24時間複数の産科医が勤務することが必要。一方「地域」では夜間、休日での複数医師勤務は求められていない。
都は、愛育病院を含む9病院を「総合」に、14病院を「地域」にそれぞれ指定。都内を8ブロックに分けているが、都は「愛育病院のブロックに総合は1つしかない。ほかの病院がすぐ代わりを務めることも難しい」と困惑している。愛育病院が取り扱う分娩数は年間約1800。【共同】
■市長のリコール、断念/署名集まらず、大阪・松原
大阪府松原市の市立松原病院の廃止に反対する地元市民団体「『とりもどそう住んでよかった松原を』市民の会」は3月19日、記者会見し、2月16日から1カ月間行った中野孝則市長のリコール(解職請求)に向けた署名数が有権者の3分の1に足りず、リコールを断念することを明らかにした。
同会によると、19日午後5時までに約3万100人分の署名を確認。だが残りの署名を加えてもリコールに必要な有権者の3分の1(3万3996人)以上に届かないと判断した。
病院廃止の取り消しには市長のリコールが必要と主張してきただけに、坂本悦子代表は「有権者総数が10万人以上と多く、残念ながら私たちの力が及ばなかった」と話している。
市立松原病院は施設の老朽化や医師不足などで経営難に陥り、2008年度末までに累積赤字が約50億円に達する見込み。中野市長が08年11月に廃止を表明、市議会も12月、賛成多数で廃止条例を可決した。【共同】
■「5分ルール」影響額は1000億円超/保団連が試算「早期撤廃を」
保団連は3月26日、2008年度診療報酬改定で外来管理加算に導入した「5分ルール」について、1000億円を超える大きな財政影響を及ぼしながら、患者も必要性を認めていないとして早期撤廃を求める声明を発表した。
18日の中医協・診療報酬改定結果検証部会で、再診患者に対する同加算の算定割合が診療所で41.0%、病院で41.1%と報告されたことを受け、保団連は、07年の社会医療診療行為別調査から求めた改定前の算定割合を使って5分ルールの財政影響を試算。診療所で1013億円、病院で133億円、合計で1146億円のマイナスに達するとした。08年7月の保団連調査や同年11月の日本医師会調査による影響額を大きく上回るほか、「外来管理加算とデジタル加算を合わせて200億円強」とした改定前の厚労省の予測よりもはるかに大きい数字となった。
保団連は、中医協・検証部会の調査では患者側の診療内容に対する満足度に変化はないとも指摘し、5分ルールの早期撤廃を強く求めた。
■社会保障費の抑制撤回を/民医連、厚労など3省担当者に要望
民医連(鈴木篤会長)は3月27日、国会内で財務省と厚生労働省、文部科学省の担当者と面会し、社会保障費2200億円の抑制撤回などを要望した。医療と介護、看護、社会保障全体の4部門に分かれて3省の担当者と話し合った。
社会保障全体では、2200億円の抑制を撤回し社会保障費を増額することを要望した。医療、看護では医師臨床研修制度の改善や、医師、看護師の増員などを求めた。介護では介護報酬の3.0%増は「雀の涙」だとして大幅な拡充を求め、介護保険の要介護認定についても再考を要請した。3省からは課長補佐や主査らが出席した。
■財源確保による社会保障の充実を/京都府医が決議
京都府医師会(森洋一会長)は3月21日の定時代議員会で、「安全で良質な医療・介護・福祉のもと、国民が安心して生活できる国家を実現する」とした決議を採択した。
決議では、「現政権は今日もなお、社会保障費の削減政策を撤廃しようとはしていない」と批判した上で、「今こそ、日本は市場原理主義による政策と明確に決別すべき」と主張。(1)社会保障費2200億円削減の撤廃(2)社会保障の充実を基盤とする国家像の提示(3)国民が安心して暮らせる医療・介護の確保(4)医療・介護従事者の労働環境の改善(5)研修医教育の充実を目指した臨床研修制度の構築(6)レセプトオンライン請求義務化の見直し-の6項目を要望した。
介護編
■介護職員の処遇改善で補助金案/政府・与党、追加経済対策で
政府・与党は、介護職員の処遇改善に向けた事業者への新たな補助金について、追加の経済対策に盛り込む方向で検討に入った。ほとんどの市町村が4月以降の保険料を決定済みであり、介護報酬を引き上げることは困難なことから、補助金で対応する案が浮上した。
追加経済対策について舛添要一厚生労働相は27日の閣議後の会見で「与党がまず決めること。それを待ちたい」と述べた。さらに「与党が一生懸命いろいろな取りまとめをしている。それを受けて厚生労働省がどうするか。まだ正式に決まっていない」とした。ただ「1つの案として交付税のような形での支援もあるだろうと思っている」と述べた。
■介護ロボの安全基準策定を/経産省提言、購入支援も
経済産業省は3月25日、介護施設や家庭での介護ロボットの実用化を目指し、安全基準の策定を急ぐべきだとする報告書をまとめた。普及促進に向け補助金など購入支援の対象とすることも検討課題とした。高齢化に直面する日本では介護の担い手不足が懸念され、補助作業を行う介護ロボットの需要は高まっている。だが具体的な安全基準がないため普及が進んでいない。報告書は、ロボットを介護現場や要介護者が安全に扱えるよう基準をつくるべきだと提言した。【共同】
■待機解消へ介護施設20万床整備を/自民・議連「15万人雇用創出も」
自民党の「介護福祉議員連盟」(会長=森喜朗元首相)は3月26日の会合で、「介護保険制度再構築、施設入所待機者解消のための緊急決議」を採択した。決議では、介護保険施設入所待機者が45万人に達していると問題視。緊急的に20万床の介護施設整備を行えば、2兆円規模の景気対策と15万人の雇用創出にもつながると訴えた。
また決議では、「入所待機者45万人」の実態把握と分析が必要としたほか、無認可・無届けの高齢者施設の実態把握に努めるべきとした。議連は近く、決議を舛添要一厚生労働相に申し入れる。
■4月中の届け出で1日から加算可/厚労省が介護報酬改定Q&A
厚生労働省は3月23日付で2009年度介護報酬改定のQ&Aをまとめ、都道府県などに送付した。2009年4月1日からの加算算定の届け出が間に合わなかった場合は、4月中に届け出が受理された場合に限り、4月1日にさかのぼって加算を算定できるとした。
加算を4月から算定する場合、改定初年度の09年は3月25日までに届け出なければならない。厚労省は加算の対象となるサービスが提供されているにもかかわらず、届け出が間に合わず算定できなかった場合、利用者のサービス提供に支障を来すこともあるとし、09年は特例的に4月中の届け出を認めることにした。対象は居宅系サービス。
■介護施設の待機者数を調査へ/宮島老健局長
厚生労働省老健局の宮島俊彦局長は3月26日の参院厚生労働委員会で、介護保険施設への入居を希望しているにもかかわらず入ることができない待機者数を調査することを明らかにした。岸宏一氏(自民)の質問に答えた。
岸氏は、介護が必要な高齢者数に対して介護保険施設が足りないために、施設に入ることができない待機者が存在すると主張。待機者の人数を調査した上で対策を図るべきとした。
これに対し、宮島局長は「待機者数の見方は難しい」と前置きした上で、「正確には分からないところもあるが、地域の実情を調査したい」と述べた。
また舛添要一厚生労働相は、介護保険施設の入居率に若干のゆとりがあっても安定した経営ができる制度を構築する必要性があると強調。「(国民に)消費税を出してもらって、そこをきちんとやることによって、(国民に)安心と安全を与えることができる」と述べた。
■特定高齢者施策の導入で費用対効果/介護予防継続評価事業
厚生労働省の「介護予防継続的評価分析等検討会」(座長=辻一郎・東北大大学院教授)は3月26日、介護予防関連事業の効果などを検証する「継続的評価分析支援事業」での特定高齢者施策の費用対効果分析について報告した。特定高齢者施策の結果、導入後に約2000万円の費用が減少することが分かった。
厚労省は同事業の結果を基に「介護予防の有効性などの評価」の取りまとめ案を提示。特定高齢者施策と新予防給付はともに介護予防効果が見られ、高い費用対効果が上がっているとした。09年度からは高い効果が見込まれる介護予防事業のモデル事業を行い、引き続き効果の検証を行っていく予定だ。
同事業の分析結果を受け、大久保一郎委員(筑波大大学院教授)は「新予防給付と特定高齢者施策の導入で約1880億円ほどの費用の節約になる」と述べ、介護保険にかかる費用総額の3%弱が削減される見込みを示した。
同事業では2006年度から全国83市町村に対し、新予防給付と特定高齢者施策について介護予防効果と費用対効果を調べた。特定高齢者施策の費用対効果は、サービスを受けている特定高齢者1000人を対象に施策導入前(2005年4月~06年3月)と導入後(07年1月~12月)のレセプトデータなどから分析。施策導入前の費用4108万6000円に対し、導入後は2116万2000円で、施策導入により1992万4000円の費用が減少するとした。1人当たりで換算すると、年約2万円の費用削減になる。
高齢者1人当たりの費用単価が変化した影響か、介護予防効果によるものかを分析するため、施策導入前後で費用単価が変わらなかったと仮定した調査も実施。この場合も導入後に1903万円減少し、費用対効果が見られた。
新予防給付と特定高齢者施策の介護予防効果はすでに報告されており、新予防給付は統計上有意な効果が、特定高齢者施策は有意ではないが一定の効果が見られた。新予防給付の費用対効果についても費用減少を確認した。
同日は属性やサービス別の介護予防効果分析も報告。運動器機能や口腔機能の向上サービスを受けている人は日常生活自立度が改善しやすく、認知症予防につながることなどが分かった。
京都編
■国の改革案、府対策協で反発相次ぐ/研修医定員「偏在、解決せず」
研修医数に都道府県ごとの上限を設けて医師偏在の解消を目指す厚生労働省の改革案に対し、京都府は3月26日、府医療対策協議会を京都市上京区で開き、対応を協議した。全国で最も厳しい削減率を強いられることから、京都大付属病院や府立医大、府医師会から「実情がまったく分かっていない」「医師偏在問題の解決にならないうえ、救急がますます厳しくなる」など反発が相次いだ。
医療対策協議会で府は、研修医制度の見直し案で、京都府の定員上限が現在の353人から大幅減の190人(経過措置247人)となる試算を報告した。
その上で、「京都府の定員削減率30%(削減率2位の大阪府は13%)は全国でも突出しており、医師不足の拡大が懸念される。都市部でも当直などで研修医の果たす役割は大きく、定数減で救急医療態勢がより過酷になる」と問題点を指摘した。
この報告を受け、京都大付属病院の中村孝志病院長は、京都大病院から約8割の医師が府外の病院などで勤務していることを挙げ、「厚労省案は研修医を終えた医師が府県の壁を越えずに地元定着する前提だが、大学病院は地方を越えて活動している。今回の案は日本の医療を悪くし、医師偏在の解決にもならない」と批判した。
また、府立医大の山岸久一学長も「全国一律で研修医枠を調整するのではなく、ブロック単位とすべきだ」と見直しを求めた。
全国レベルで活躍する医師を輩出している大学病院が強く反対の姿勢を示したことで、厚労省案に対する反発が広がるのは確実で、府と医療対策協議会は来月上旬にも意見をまとめ、厚労省に提出する方針。
■緊急患者を初のヘリ搬送/南丹病院、京都市消防局に要請
京都府南丹市八木町の公立南丹病院で3月25日朝、ヘリコプターによる転院搬送が行われた。緊急手術が必要な患者が、京都市消防局航空隊のヘリで宇治市の第二岡本総合病院に運ばれた。南丹病院が2003年にヘリポートを設置後、他の病院にヘリで患者を搬送したのは初めてという。
同日早朝に急性大動脈解離の患者が公立南丹病院に運ばれたが、心臓血管外科で別の手術が始まりかけていたため、京都中部広域消防組合を通して京都市消防局にヘリの出動を要請した。午前10時10分ごろ、ヘリが病院屋上のヘリポートに到着。患者を乗せたヘリは京都市伏見区にあるヘリポートに着陸し、患者は救急車で第二岡本総合病院に同11時ごろ到着した。
計良夏哉救急部長は「南丹病院では特殊なケース。反対に、ヘリを使った受け入れの方が想定されるので、消防などと連携を強めていきたい」と話している。同病院はヘリポート設置後に他病院の患者をヘリ搬送で受け入れたケースが一例あるという。
調査・データ編
■日本、無保険失業者の比率77%/先進国で最悪、ILO報告書
日本で失業保険の給付を受けていない失業者の割合は77%に上り、先進国の中で最悪の水準にあることが、国際労働機関(ILO)が3月24日発表した報告書で分かった。派遣労働の規制緩和などを急速に進める一方、非正規雇用者のセーフティーネット整備がおろそかなため、日本の労働者が国際的にも極めて厳しい状況に置かれている事情が浮き彫りになった。
報告書は新興市場国を含む主要8カ国を取り上げた。このうち最も「無保険失業者」の比率が高いのはブラジルで93%、次いで中国が84%で日本は両国に続く高さ。4位の米国は57%にとどまり、ドイツやフランスは10%台。主な先進国で日本の突出ぶりは明らかだ。
ILOは先進国が加盟する経済協力開発機構(OECD)諸国のうち「半数の国で50%以上に上る」とも指摘。ILO幹部は日本の突出ぶりについて「失業保険の受給まで待たされる期間が長く、受給できる期間が短いことが影響している可能性がある」との見方を示した。【ジュネーブ3月25日共同】
■基本健診受診率、4年ぶり増/07年度地域保健・老人保健事業報告
40歳以上が対象となる老人保健事業の基本健診を2007年度に受診した人は1343万9836人で、受診率は42.6%(前年度比0.2ポイント増)となり、4年ぶりに上昇したことが3月27日、厚生労働省が発表した「07年度地域保健・老人保健事業報告の概況」で分かった。
同報告は、国と地方公共団体の地域保健施策の基礎資料を得る目的で毎年実施しているもので、基本健診やがん検診、健康増進などの事業についてまとめた。
基本健診で「要医療」に区分された人の割合は、男性の40代で42.0%、50代で51.5%。年齢が上がるととも要医療の割合は高まり、75歳以上では64.8%だった。女性も40代で27.8%、50代で42.4%、75歳以上では65.5%と、男性と同じ傾向を見せた。基本健診受診者の喫煙率は男性が27.7%(同0.8ポイント減)、女性が6.0%(同増減なし)で、男女ともに年齢が上がるごとに喫煙率は低くなっている。
がん検診の受診率は、乳がん(14.2%、同1.3ポイント増)、大腸がん(18.8%、同0.2ポイント増)、子宮がん(18.8%、同0.2ポイント増)で前年度から上昇する一方、肺がん(21.6%、同0.8ポイント減)、胃がん(11.8%、同0.3ポイント減)は減少した。がん検診受診者のうち、がんだった人は胃がん0.15%、肺がん0.05%、大腸がん0.17%、子宮がん0.05%、乳がん0.27%だった。
一方、保健所や市区町村で健康増進に関する指導を受けた人は756万8525人で、前年度に比べて4.3%減少。うち栄養指導を受けた人が537万3905人(同0.2%減)で最も多く、運動指導143万1037人(同16.6%減)、禁煙指導27万3237人(同11.3%減)と続いた。
■入院時医学管理加算は88施設/08年7月時点、厚労省まとめ
厚生労働省は3月25日の中医協総会に、08年7月1日時点の施設基準の届け出状況を提示した。十分な人員と設備を配置し、総合的で専門的な急性期医療をいつでも提供できる入院機能を持つ医療機関を評価する入院時医学管理加算は88施設が届け出ていた。
厚労省は同加算を算定できる医療機関を「地域の急性期医療の最後の砦」と位置付け、150施設程度の届け出を想定している。
このほか08年度改定で新設された加算を見ると、医療クラークの配置を評価する医師事務作業補助体制加算が730施設、超急性期脳卒中加算が651施設、ハイリスク妊娠管理加算が1722施設だった。
■08年医療事故報告、過去最多の1440件/報告義務施設で
日本医療機能評価機構は3月24日、2008年の医療事故情報収集等事業の報告状況を公表した。報告義務のある医療機関(272施設)からの報告数は1440件で、前年を13.7%上回り過去最多となった。
特に国立病院機構からの報告数が728件で半数以上を占めた。同機構は「国立病院機構からの報告数はここ数年で2倍程度に増えている。リスクが高まったというより、医療安全に対する組織的な取り組みへの意識が高いということ」と分析している。義務対象医療機関のうち報告が1件もなかったのは69施設。51件以上の報告が3施設からあった。
事故の程度別内訳は「障害の可能性(低い)」が30.7%で最も多く、「死亡」は8.0%だった。事故の概要別では「療養上の世話」40.6%、「治療処置」25.0%、「医療用具等」9.7%の順だった。関連診療科(複数回答)は整形外科の193件、内科の148件、循環器内科の123件の順で多かった。
同事業では、医療法施行規則で事故報告が定められた医療機関のほかに、任意で事故を報告する参加登録申請医療機関からの報告も受け付けている。08年12月末現在の参加登録申請施設は283施設で、08年の報告数は前年より31.3%減り123件となっている。このため、同機構と厚生労働省医政局総務課は24日までに、日本医師会など主要医療関係団体に対し、同事業への参加と積極的な事故報告を呼び掛けることを求める通知を送付した。
■メディアス08年10月は受診抑制を示唆/日医・中川常任理事が指摘
日本医師会の中川俊男常任理事は3月25日の定例会見で、厚生労働省がまとめた「最近の医療費の動向」(メディアス)の2008年10月分について見解を述べた。医科入院外受診延べ日数の前年同月比を見ると、70歳未満では3.1%減となり、04年以降の5年間でもっとも減少幅が大きかった。また、これまで増加を続けていた70歳以上の前年同月比は減少に転じて1.5%減となった。中川常任理事はこれらの結果から「生活不安、雇用不安から受診抑制が現実のものになりつつあるのではないか」と強い懸念を表明。「年金問題や後期高齢者医療制度に対する不安もあるだろう」とし、「今後の動向にリアルタイムで注目していきたい」と述べた。
診療科別に診療所(入院外)医療費について前年同月比を見ると、主な診療科が増加する中で内科は0.3%減となった。中川常任理事は「現時点での内科の減少は問題が少なくない」と指摘。背景には受診抑制のほか、「5分ルール」が適用された外来管理加算の影響が無視できないとした。
病院の病床規模別医療費については、500床以上の病院で医療費総額は2.3%増、1施設当たりの医療費も3.8%増で大きな伸びを示した。また病院の医療機関種類別医療費は、大学病院が医療費総額で3.9%増、1施設当たり医療費でも3.3%増と突出。個人病院では医療費総額で15.6%減、1施設当たり医療費でも2.3%減だった。これらの結果から、病院については大学病院、大規模病院での伸び率が顕著だと指摘した。
■診療科目ごとの充足度に地域差/近医連が調査
近畿医師会連合の地域医療担当理事連絡協議会はこのほど、1月に実施した「地域医療の現状および医療崩壊に対する調査」の結果をまとめた。京都府医師会が2府4県の郡市区医師会(146医師会)、職域医師会(2医師会)などを対象にアンケート調査したもので、結果を近畿の2次医療圏を俯瞰できるマップで図示するなど、近畿の医療供給状況の現状が一目で分かる報告書も策定した。
アンケートには、136医師会(91.9%)が回答。大阪(81.0%)、京都府(95.8%)以外の4県は全医師会が回答を寄せた。現時点での地域状況の印象を聞いた内容となっているが、診療科目ごとの充足度などに関しては地域差が表面化している。
主な結果を見ると、「急性期医療・一般医療」では、「入院受け入れ状況の5年前との変化」については64.8%が「悪化、やや悪化」と回答したが、地域差も大きく、滋賀の33.3%に対し兵庫は84.9%に達した。不足している診療分野は、産科・小児科に不足感が強く、認知症拠点や緩和ケア、在宅医療支援なども不足感が高まっている状況が見て取れた。周産期救急を除いて府県間で差が大きく、認知症拠点施設は大都市部で不足感があり、緩和ケアは郡部で不足感が強い。
「慢性期医療」では、療養施設の不足感が大きく、ほぼ全域で「受け入れは悪化している」との認識が示された。ただ、これも地域間差があり、京都は95.7%に対し、奈良は61.6%にとどまった。
「医療崩壊の具体例」については、83医師会が「経験あり」と回答。多くが公立病院など、基幹的役割を果たしている施設の閉院や縮小に伴うものだった。このほど開かれた地域医療担当理事連絡協議会の会合では「比較的、充足度が高い内科でも、公立病院廃止などで一気に瓦解してしまう危険をはらむ。現状はどの診療科も危ういバランスの上に立っている」との意見が示された。
地域医療体制の確保に向けては、81の地域医師会が「具体的な取り組みを行っている」と回答。病診連携協議会の設置、地区医師会員の病院への派遣、輪番制度の維持、救急システムへの積極的参加などが挙げられた。同協議会の会合では、「かなりの医師会が実行しているのに無力感がある」として、国や市民に対して情報発信する必要性を指摘する声もあった。
■オンライン義務化、9割が反対/富田林医師会が調査
大阪府の富田林医師会(森口英世会長)はこのほど、全国郡市区医師会に行った「レセプトオンライン請求完全義務化」に関するアンケート調査結果をまとめた。調査結果の一部内容については、2月28日の平成医政塾勉強会で森口会長が報告している。また、この問題について国会議員に賛否を尋ねた調査も同時にまとめた。
郡市区医師会へのアンケート調査は、全国947医師会に送付し、51.6%の489医師会が回答した。義務化への考え方については、92.0%が反対、2.0%が賛成とした。義務化が実施された場合の地域医療への影響については、85.1%が「地域医療崩壊に拍車を掛ける」と回答、「影響はない」は5.5%だった。
義務化が憲法の下の平等に違反しているかとの問いには、49.5%が「違反」とし、「違反ではない」が14.3%だった。
自由意見では「義務化に対応できない医療機関が1割を超える」「制約医療が進み、患者には不都合」「IT産業への利益供与」といった意見に加え、「政権交代の実現で阻止する」などの声もあった。
国会議員に対する調査については、51人が賛否に対する回答を寄せ、「義務化撤廃」に対して、33人が賛成し、2人が「撤廃すべきではない」とした。残りのうち、15人はその他の意見があるとし、1人は回答を控えた。
撤廃に賛成とした議員33人のうち自民党が9人、民主党・共産党がそれぞれ7人だった。「撤廃すべきでない」の2人はいずれも自民党の衆院議員だった。
環境編
■原発稼働率低迷、再処理難航/「原子力、期待に応えず」
原子力委員会(近藤駿介委員長)は3月24日、原発の設備利用率(稼働率)が低迷し、核燃料サイクルの中核となる使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の試運転が難航するなど「原子力が社会の期待に十分に応えていない」とする2008年版原子力白書を閣議に報告した。
白書は、08年は国際会議などを通じ、原発は地球温暖化防止に有効という認識が広まった年と位置付けた。だが07年の新潟県中越沖地震で東京電力柏崎刈羽原発が長期停止し、利用率は60.7%(07年度)にとどまると指摘。耐震安全性を確認し、効率的な運転をすべきだと強調した。
再処理工場は、高レベル放射性廃棄物のガラス固化体製造がうまくいかず、試運転がたびたび中断しているが「今後もさまざまな故障、トラブルが予測される」として克服するよう求めた。
候補地が決まらない高レベル廃棄物最終処分場の立地可能性調査に自治体が応募を検討できる環境づくりや、高速増殖炉原型炉もんじゅ(福井県)の運転再開のために日本原子力研究開発機構の組織や技術の整備を提言した。【共同】
■上関原発2号機の着工延期/中国電力の経営計画
中国電力は3月27日、2009年度の経営計画で、山口県上関町に建設を計画している上関原発2号機の着工を、従来の計画より2年延期すると発表した。
これまでの計画では1号機と2号機の工事期間が2年間重複するため、工事の安全性を考慮し延期することにした。15年度に着工し、20年度の運転開始予定。1号機は10年度着工、15年度の運転開始の計画を維持する。
2号機の着工延期は今回で5回目。記者会見した山下隆社長は「1号機の工事内容を詳細に検討した結果、安全な実施には延期が必要と判断した」と説明した。
09年度の設備投資額は2107億円で、島根原発3号機(松江市)の建設や、上関原発1号機の予定地造成工事に取り掛かるため、08年度に続き高水準の計画。販売電力量は614億キロワット時を見込む。2年連続で前年度実績を下回る見通しだが、10年度以降はオール電化住宅の普及などで回復するとしている。【共同】
■柏崎刈羽で原発復旧作業を中止/東電、作業事故受け
東京電力は3月24日、2007年の新潟県中越沖地震後の復旧作業で火災が相次ぐ柏崎刈羽原発で、作業員がけがをする事故が23日に起きたため、7基すべてで、ほとんどの復旧作業を停止したと発表した。
期間は、作業員らへの安全教育や作業手順の確認が徹底されるまでとしている。東電は6日に、地元の柏崎市消防本部から火気作業などの禁止命令を受けており、「大事な時期なので慎重にいきたい」と、作業停止の理由を説明している。
23日の事故は午後4時20分ごろ、4号機のタービン建屋で発生。協力企業の作業員6人が鉄製の台を解体中、重さ約180キロの鋼材が落下し、男性(35)を直撃、腰椎を骨折した。鋼材を留めておくのに必要なボルトを取り外すミスがあり、鋼材をクレーンでつるなどの安全措置を取っていなかった。【共同】
■温暖化防止へ原発活用を勧告/世界の科学者がG8に
09年7月にイタリアで開催される主要国(G8)首脳会議(サミット)を前に、G8と中国など新興5カ国の学術団体が世界が直面する問題を討議するためローマで開いた「G8プラス5学術会議」(学術団体サミット)は3月27日、地球温暖化防止のため原子力発電の活用を促す共同声明を取りまとめ、閉幕した。
声明は各団体で調整後、「世界の科学者の声」として各国首脳に手渡される予定。温暖化問題への対応のため、スウェーデンやイタリアなどが脱原発政策の転換を表明しており、今回の声明はこうした世界的な原発再評価の動きを後押しすることになりそうだ。
声明は、温暖化防止に向けた低炭素社会への転換に向け「安全で安定した原発の開発と放射性廃棄物処理」が必要と指摘。G8と新興国の政府に対し、安全な原子力確保のための国際協力を促した。
一方、2013年以降の温暖化対策を決定する12月の気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)で、温室効果ガス削減について「50年までに1990年比で50%以上削減」との積極的な目標を設けるよう求めた。会議には日本から日本学術会議の唐木英明副会長らが出席した。【ローマ3月28日共同】
■府本庁舎に太陽光発電を初設置/CO2、年13トン削減
京都府はこのほど、京都市上京区の本庁舎に初めて太陽光発電装置を設置した。府施設での設置は12カ所目。本庁舎の二酸化炭素(CO2)排出量は年間排出量の0.5%に当たる約13トンを削減できるという。
本庁舎2号館と議会棟の屋上に、総工費約4300万円を掛け太陽光パネル約300平方メートルを設置した。年間の発電量は約3万5000キロワット時を見込んでいる。
発電量は本庁舎全体の年間消費電力量の1%程度で、府職員300人が事務作業する際に必要な照明やパソコンなどの年間消費電力量を賄えるという。
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