【緊急アンケート結果を発表/京都府保険医協会(2010年1月20日まとめ)】
リハビリテーションに関する緊急アンケート結果
次回診療報酬改定で望まれているのは総合リハ料創設ではない!
「中央社会保険医療協議会」において、次回診療報酬改定に向けた議論が活発に行われている。疾患別リハ体系創設と算定日数上限が導入され、リハビリ難民が社会問題化するなど、大きな混乱を来たした2006年4月の診療報酬改定から4年が経過しようとしている。その間、つじつま合わせの改定が重ねられ、リハビリテーションの取り扱いについては、診療報酬点数表のみでは説明がつかず、厚生労働省から出された事務連絡(Q&A)は、今も有効と考えられる内容のものだけをとっても、その数何と、50以上。このことからも、依然現場が混乱していることが伺い知れよう。
一方、いわゆるリハビリテーション5団体(日本リハビリテーション医学会、日本リハビリテーション病院・施設協会、日本理学療法士協会、日本作業療法士協会、日本言語聴覚士協会)は、総合リハビリテーション料(図表1)の創設を中心とした要望書を厚生労働省に提出している。

ハビリテーションに関して、本当に臨床現場が望む改定とはどのようなものなのか。京都府保険医協会では、会員医療機関を対象に、次回改定で何を望むのかを調査する、緊急アンケート調査を実施した。
対象は、京都府内で疾患別リハビリテーション(心大血管リハビリテーションⅠ・Ⅱ、脳血管疾患等リハビリテーションⅠ・Ⅱ・Ⅲ、運動器リハビリテーションⅠ・Ⅱ、呼吸器リハビリテーションⅠ・Ⅱ)を届出・算定する会員医療機関で164医療機関。アンケートは2010年1月8日付で送付。2010年1月20日までに99医療機関より回答があった。回収率は60%であった。
1.回答医療機関の施設基準届出状況
回答を寄せた医療機関が届け出ている疾患別リハビリテーションの届出状況は、心大血管リハビリテーション料Ⅰが6医療機関(6%)、Ⅱが0医療機関。脳血管疾患等リハビリテーション料Ⅰが34医療機関(34%)、Ⅱが26医療機関(26%)、Ⅲが23医療機関(23%)。運動器リハビリテーションⅠが88医療機関(89%)、Ⅱが11医療機関(11%)。呼吸器リハビリテーションⅠが40療機関(40%)、Ⅱが14医療機関(14%)であった(異なる種類のリハビリテーションであれば同一医療機関で複数の届出あり)。(図表2)

2.次回改定でリハビリのどのような改定を望むか
次回の診療報酬改定で、リハビリテーションに関してどのような改定を望むか尋ねた(複数回答可)。
(非常に多い事務作業)
最も多かったのは「④算定日数上限超の患者のレセプトへの『改善の見込み』等詳細な注記の廃止」で65医療機関(66%)であった。また、次に多かったのが「③算定日数上限(標準的算定日数)の撤廃」で62医療機関(63%)。その次が「⑤『廃用症候群』の患者にレセプト添付が求められている『廃用症候群に係る評価表』の廃止」で、60医療機関(61%)であった。④と⑤はいずれも事務作業に関する項目である。臨床以外の事務作業が求められており、事務作業が臨床業務に影響を及ぼしている実態が分かる。(図表3)
(根強い「算定日数上限」廃止の声)
2番目に多かったのが、「③算定日数上限(標準的算定日数)の撤廃」である。現在のリハビリテーション体系の根本的な問題ともいうべき項目である。また「算定日数上限」が撤廃されることにより、いわば最も多い回答となった④なども解決されることになる。「算定日数上限」導入直後からは除外疾患が拡大されるなどやや緩和された感があるが、それでも現場は根強く廃止を求める声が多いことが分かる。
(不合理な点数設定)
続くのは「⑧面積や専従者の人数等、施設基準要件を緩和すること」52医療機関(53%)、「⑦施設基準(Ⅱ)や(Ⅲ)の点数を引き上げること」48医療機関(48%)である。これらのことから、施設基準要件のハードルが非常に高く設定され、それをクリアしなければ、非常に低い点数に甘んじなければならない点数設定を問題視しているといえる。同じ個別療法を実施しているにもかかわらず、専用施設の面積の違いや、従事する専従者の人数により設定された格差が、あまりにも大きすぎるというのが本音であろう。
(「総合リハ」の要望はわずか)
以下、「①『疾患別』から『療法別』のリハビリテーション体系への変更」39医療機関(41%)、「③医療保険リハビリと介護保険リハビリの併用を可能に」22医療機関(23%)となったが、「⑨総合リハビリテーション料を創設すること」との回答は、15医療機関(15%)にとどまった。
〈結論〉事務作業からの解放と「算定日数上限」の撤廃を
リハビリ5団体が出した要望の柱である「総合リハビリテーション料の創設」は、残念ながら必ずしも臨床現場の意見を反映したものとは言えない、ということが明らかとなった。本当に強く望まれていることは、「算定日数上限(標準的算定日数)」の撤廃と、煩雑な事務作業からの解放である。事務作業は最小限にとどめ、本来の臨床業務にできるだけ専念する環境を整えるというのが、医師の業務に関する議論においても、考え方の主流ではないか。これは各施設のリハビリテーションスタッフについても同様である。また、個々の病態を無視した算定日数制限は撤廃すべきであり、算定を抑制するためと思われる不必要な事務作業はやはり課されるべきではない。
項目は複数回答可としていたが、複数回答している医療機関が非常に多いことが注目に値する(94医療機関、95%)。さらに半数以上の医療機関が「改定を望む」と印をつけた項目が、実に4項目ある。これは、リハビリテーション体系の問題がいかに大きく、多岐にわたっていることなのかを如実に表しているといえる。このことから、2006年4月改定が何だったのかを改めて見つめ直し、根本的な制度改定が望まれている状態にあるということであり、抜本的改善に向けた今後の前向きな議論が期待されるところである。
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