【共同アピール】
必要な患者さんに必要なリハビリテーションを!
提供できる制度を求めるアピール
厚生労働省告示第59号(平成20年3月5日)等による「医科診療報酬点数表」第7部リハビリテーション(以下「リハビリ」)は、その内容が極めて複雑で、解釈は不能と言わざるを得ません。平成18年4月の診療報酬改定により、それまで、理学療法、作業療法、言語聴覚療法の各療法別に体系されていたものが、心大血管疾患、脳血管疾患等、運動器、呼吸器からなる疾患別体系に編成されると同時に、それぞれに「算定日数上限(標準的算定日数)」が設けられ、リハビリに制限が加えられました。その後、世論からの批判もあり、平成19年4月に行われた異例のリハビリ再改定、平成20年4月改定と、改定が繰り返されるたびに、その複雑さは、混迷を極めたからです。平成18年4月改定以降、厚生労働省保険局医療課から、リハビリ点数を補完するため、事務連絡として出された疑義解釈の数は、現在も有効と考えられるものだけでも実に、50件以上となっています。
また、リハビリは、通所リハビリ等介護保険の分野にも及んでいます。平成21年4月の介護報酬改定では、保険医療機関が通所リハビリ事業所として「みなし指定」され、通所リハビリを病院や診療所の外来リハビリとして行えるようになりました。
さらに、厚生労働省告示第142号(平成18年3月20日)等により、医療保険と介護保険の給付調整が行われており「同一の疾患等について、介護保険におけるリハビリテーションを行った日から1カ月を経過した日以降は算定不可」とされていることなどが、複雑さに一層輪をかけています。
これらの取扱いは、急性期・回復期リハビリは医療保険で、維持期(慢性期)リハビリは介護保険で給付する仕組みにしたいという厚生労働省側の考えによるものだと思いますが、この複雑なリハビリ制度体系を実際に患者さんに説明しているのは臨床を担当する私たちであり、十分理解(納得)していただけないのが実状です。
当然のことではありますが、個々の病態によって回復に要する期間は異なります。またリハビリを受ける施設を患者さんが自由に選べるような地域は少なく、施設数の充実度には地域差があるのが現状です。これらを考慮せずに、リハビリを制度により分断することは、患者さんが必要なリハビリを受ける機会を奪うことになります。これは、後の重症化を招き、大きな医療費の支出につながらないとも言えません。
そこで、急性期・回復期・維持期(慢性期)とつながるリハビリを、医療保険、介護保険という制度により分断することなく、維持期に引き続く、或いは急性期の前に位置する「予防的リハビリ」も含めて、継ぎ目なくリハビリが提供できる仕組みが必要であることを、私たちは提起します。まずは、今次診療報酬改定で、医療保険と介護保険の給付調整による制限を撤廃し、「必要な患者さんに必要なリハビリテーションを!」医療保険、介護保険どちらでも提供できることを、実現してください。
平成22年1月18日
京都府理学療法士会会長 並河 茂
京都府作業療法士会会長 平山 聡
京都府言語聴覚士会会長 瀧澤 透
京都府保険医協会理事長 関 浩
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